2010年5月5日水曜日

ひろゆき×勝間和代から日本のIT企業まで

ひろゆきと勝間の対談が話題になっているらしい。


1.勝間和代について
私は勝間女史に関しては特に興味はない。強いて言えば、良いキャリアを持っているのに、やっていることは啓発セミナーになっているのではないかと思う。例えば、経営コンサルの大前研一は経営コンサルの合間に人材育成のために経営セミナーをやっている感じがするのに対して、勝間女史は啓発セミナーを主業務としてやっているように感じられる。そして、内容は啓発セミナーであって、経営セミナーではないのではないかと思う。良いキャリアなのに不思議だ

2.ひろゆきについて
ひろゆき氏はある種のリアリズムを基づいた経営哲学によって会社を運営していると思う。それは旧来の日本には余り無かった経営スタイルであるため、批判も多いが良い面もある。荒っぽく言えば、アメリカ的な自由な雰囲気がある。氏を批判するのは自由だし、氏が自分の思うままに会社運営するのも自由だ。

3.2ちゃんについて
ただ、今はひろゆき氏の2ちゃんもニコ動も劣勢ではないかと思う。ツイッターとUSTにその地位を脅かされているのではないだろうか。ツイッターのコメントがUSTに反映されるのは大きい。また、若者の2ちゃん離れも大きい。2ちゃんはひと世代前は辛辣な辛口コメントが多かったが、今はコミュニケーション不全の若者が多いのではないか。つまり、極端に言えば、話ができない相手が多くて、コミュニケーションが成立しなくなったのではないだろうか?ある種、ユーザの傾向が変わったのかもしれない。また、ニコ動も弾幕というコメントは2ちゃんのような辛口コメントだったからこそ、有意義だったが、それが凡庸な悪態になったのではユーザが興ざめしてしまう。そして、ログインや入場制限がユーザに制限をかけてしまっている。たしかにツイッターもログインが必要だが、これを窓口に議論は継続できる。

4.劣勢の日本のIT企業
ところで、動画共有サービスは日本発のものが少ないと思う。ニコ動やGyaOやアメーバビジョンがあるが、その他はあるのだろうか?動画検索しても引っ掛かるのは海外のサイトが多いのではないか?日本では動画共有サイトを運営する日本企業が育たなかったのかもしれない。先日、ライブドアが韓国企業に買収される発表があった。先述したように2ちゃんもニコ動もツイッターやUSTに押されている。検索サイトはGoogleやYahooだ。ブログではてなやアメーバは日本企業だが、FC2やライブドアは外資だ。日本ではIT企業は育たなかったかもしれない。ウェブでは、意外と中国や韓国のIT企業が強い。日本は若者が企業して大きくしたIT企業があまり育たなかったかもしれない。しかし、IT産業が大きくなった今、これから起業しても、買収されることはあっても、そこが基幹になる可能性は低い。日本のIT企業は尽く外資のIT企業に乗っ取られるかも。もし、中国と米国が対立したとき、日本のIT企業が中国系に独占されていれば、日本からグーグルを追い出すかもしれない。そのとき、日本は百度を選択させられるかもしれない。百度は、当然、中国政府が言論統制しているのだから、日本も中国の言論統制下に置かれるかもしれない。だが、考え方によって同じかもしれない。もし、野中広務の言うことが真実なら、今までの自民党政権下では、官房機密費という税金を自民党に有利になるように世論操作するために政治評論家にバラまかれていたことになる。中国が検閲によって言論統制するように、日本は評論家によって世論操作していた。アジア人は中央政府の統制下におかれることを是とする国民性があるのかもしれない。もし、欧米なら、官房機密費で世論操作していたとバレようものなら、極めて大きなスキャンダルになると思う。中国の言論統制や日本の世論操作が、それほど騒がれないのは、アジア的気質があるからかもしれない。中国政府の言論統制を他人事と思っていると、知らぬ間に自分たちもその統制下に置かれていることになるかもしれない。それは北朝鮮の国民と同じような立場になるということだ。もし、私が中国政府なら、百度を、実質的な国家管理下に置き、アジアのグーグルにして、アジア全体の言論統制に使うだろう。

日本ではIT産業を上手に育てられなかった。そして、ウェブの言論プラットフォームは米国か中国の企業に委ねられるかもしれない。両者が対立したとき、日本はどうなるだろうか・・・。