今週も暑さと疲労でニュースのチェックができなかった。 夏の疲れがそろそろ出てくる頃で仕事を休むひとが出始めるし、仕事のミスも増え始めた。ところで、新米がそろそろ出始めるようだ。しかし、米の価格は高止まりしそうだ。さすがに値段が高くて家計的に苦しいのでカリフォルニア米を買わざるを得ない。栄養価や安全性が気がかりだ。
2025年9月7日日曜日
2025年8月31日日曜日
NEWS2025.08
8月2日(土)
大変面白かった。新自由主義右翼に裕福なひとが多いのには驚いた。 中間労働者階級がアンダークラスに転落する可能性がある話は納得だった。かく言う私もアンダークラスに該当するのだが。まあ、私は特殊なんだと思う。橋本先生の警鐘は真っ当だが、多くの人たちは社会を変える努力よりも、自分の家族だけは転落しないように努力すると思う。
8月8日(金)
本当に酷い話だが、予想はできた話だと思う。とにかく、人命が最優先されるべきだ。パレスチナの難民を他国は受け入れるべきだ。 躊躇していれば、それだけ人命が損なわれる。
今週も暑くてニュースをチェックできなかった。広島の平和記念式典での石破首相のスピーチが注目されたようだった。正田篠枝さんという原爆歌人の短歌が引用されたようだ。
国会の参院予算委員会でれいわ新選組の伊勢崎賢治と石破首相の間でやりとりがあったらしい。 日米地位協定に関するものだったらしい。伊勢崎賢治が当選したことは大きい。
日本の課題は経済だと思う。資源のない国・日本は技術で競争するしかないというのが私の世代の考えだと思う。その考えは今もあまり変わらない。技術に加えて、アニメも含めた日本文化というコンテンツで勝負するのもありだとは思う。いずれにせよ、技術力や文化力を培うには人材育成が重要だと思う。そのためには教育を充実させることだと思う。 その一方で、経済格差を是正するためには再分配が大事になってくる。防衛費ばかり増額して本当に大丈夫かと心配になる。防衛費を増額しても意味は無くてムダだと思う。もっと教育や研究開発や再分配に回すべきではないかと思う。
宗教の力は弱くなったが、デマや陰謀論が横行するようになってしまった。拡散はSNSの力が大きい。SNSで拡散するのは収益があるためだ。デマや陰謀論を拡散するSNSにはペナルティが課されるべきだと思う。
8月13日(水)
この件に関してはグレたさんは偉い。
今週も忙しさと夏の疲労でニュースをチェックできなかった。世間はお盆休みだったかもしれないが、私はずっと仕事だった。疲れていたのでYouTubeで戦後80年を期して、日本の戦争の歴史についての番組をいくつか見た。その中で菅野完氏の「江口圭一『十五年戦争小史』読書会」という番組が面白かった。あまりに長時間なので部分的にしか見られていないが、面白く見れた。いつか読んでみようと思う。
ちなみに私の戦争観は以下のようなものである。まず、国内からの改革は無理で満州国を建国して外から日本を改革しようとした石原莞爾が満州事変を起こした。満州を占領することには成功したが、石原はすぐに左遷させられてしまい、外からの革命はあっさり挫折してしまう。かわりに岸信介など弐キ参スケが満州国の利権を得ることになる。この満州国の利権が捨てられないために日本はずるずると戦争を続けてしまう。一方、陸軍は石原莞爾の真似をして無謀にも日中戦争を始めてしまう。しかし、日中戦争は泥沼化していつまで終わらない戦争になってしまう。そして米国から経済制裁を受けた日本は石油資源を求めて太平洋戦争を始めてしまう。真珠湾攻撃は成功するものの、その後、米国の潜水艦攻撃によって輸送船は尽く沈められ輸送は完全に失敗する。そして、ミッドウェー海戦以降、負け続け、日本本土に空爆を受け、原爆も落とされ、満州ではソ連も参戦して敗戦となる。早い段階で日本はこの戦争に勝てないと分かっていたにも関わらず、誰もこの戦争を止められなかった。止められなかった理由は各人の保身が優先したためだ。誰も責任をとりたくなかったのだ。その中には満州の利権を手放せなかったというのも含まれる。日本人はいったん利権が生じるとなかなか手放さない。そして、止めるとなると誰が責任をとるのかとなるのだが、誰も責任をとりたがらない。そのため、ずるずると続けてしまう。そのずるずると意思決定ができない間に多くの人たちが死んでいったのだが・・・。この意思決定の出来なさは今も変わらない日本人の性質だ。それから話は戻るが、満州事変を起こした理由だが、農村の疲弊がある。農村は最も遅れた産業として取り残された。多くの農民は小作人となり地主に利益を吸い上げられた。農村の女性は女工になるか女郎になるかだった。若い男性は徴兵された。そのため農村は疲弊し悲惨な状況になった。そういった故郷をもった兵士たちの不満を将校たちは解決するために満州事変を起こした。2.26事件を起こした皇道派も同じだ。そのような社会背景があったために軍部が暴走したのだ。ただ、軍部の暴走を可能にしたものに、軍部が持っていた強力な権限がある。それは統帥権と軍部大臣現役武官制だ。統帥権は戦争を遂行する権限で、陸軍参謀総長と海軍軍令部総長が事実上持っていた。軍部大臣現役武官制は軍事予算に不満があるなら内閣を解散できるという権限だ。実際、予算が不満で内閣を解散させている。それらの権限を作ったのは山縣有朋だ。国家の三権に対して、軍部が三権から独立して権限を持っていたのだ。そんなわけで日本は軍部が暴走しやすい構造になっていたのだ。付け加えて言うなら、天皇制も問題だ。大日本帝国憲法は欽定憲法であり、立憲君主制だ。しかし、明治維新を見ても分かるように、天皇は担ぎ上げられただけで、自ら官軍を率いて江戸幕府を倒したわけではない。天皇はお飾りとしての君主、つまり、実力のない君主だ。そのような君主が臣下の暴走を止められるはずがない。実力のない天皇が一番に優先するのは自らの生き残りだ。つまり、臣民よりも天皇家を優先する。たとえ臣民を犠牲にしてでも、自分より強い臣下の暴走を見過ごすかわりに、自らは生き残る。いわば保身の塊なのだ。そのような立場の者を国の意思決定の最高機関に据えておくのが間違っていたのだ。結局、ここでも天皇という立場から得られる利権とその保身が戦争を止められなかった原因、間違いを正せなかった原因になっているのだ。さらに付け加えると、当時の日本の民衆も利権と保身の連鎖に加わっていたのではないか。さて、今も日本社会の至るところに同じような利権と保身が見られるのではなかろうか?日本人は戦争に負けたが、その本質は今も変わっていないのではないかと思う。
今週も暑さと忙しさで疲れてしまってニュースのチェックをまったくできなかった。ただ、最近、ひしひしと感じるのは、橋本健二さんの『新しい階級社会』という言葉で、まだ当該の書籍を読んではいないのだが、確かに格差が固定して階級社会が到来するのを予感している。資本家階級と労働者階級。そして労働者階級も正規社員と非正規社員で分別されて、ミドルクラスとアンダークラスになるということなのだろう。それはまったくピケティが著した『21世紀の資本』が示した未来と一致すると思う。20世紀初頭は地主階級などの古い貴族階級が新興ブルジョワなどの新しい資本家階級に追い抜かれていったが、その後、二度の世界大戦によって、社会は大きく揺さぶられた。ピケティの示した戦間期・戦後初期だけ例外という奴だ。その間、国家社会主義や共産主義が資本主義に取って代わろうと試みられたが、いずれも成功しなかった。ソ連や中国などの共産主義では官僚が特権階級となって格差社会の上位を占めることになってしまった。だから、今後も何らかの社会主義が提示されたとしても、結局は新たな階級社会を生み出す20世紀の二の舞いになると思われる。だから、資本主義を修正しながら進めていくしかないのではないかと思う。そうなると、教育や再分配が政策の焦点になると思う。それでも、格差の固定化は大きくは是正されないとは思うが・・・。さて、アンダークラスは知的水準もどんどん低くなると思う。なぜなら自らの教育に自己投資する余裕がないからだ。普通にアンダークラスに知恵があれば再分配の政策を支持するはずだが、残念ながらそうはならない。むしろ、感情に訴えるような政策に傾きがちになる。トランプ現象はまさにそういった現れだと思う。アンダークラスに深慮遠謀などないのだ。リベラル派にとって悩ましいのはアンダークラスのそういった性質だと思う。アンダークラスに真っ当な政策を説いても理解されないのだ。それどころか、格差解消のための本質的な議論に届く前に、陰謀論やデマなどの本筋から外れた問題で時間と労力を削がれてしまう。だから、この格差の流れ、階級社会への流れはなかなか変えられないと思う。今、日本で起こっているのは一億総中流から、階級社会への移行なのだと思う。そして、ミドルクラスもいつアンダークラスに転落するか分からない恐怖がある。アンダークラスは孤立した個人がどこまで生きていけるかで精一杯だ。家族を安定して形成していくのは困難だろう。ところで、日本の資本家階級が欧米の貴族のようになれるかどうかは分からない。日本は日本文化という独特の文化体系を持っている。しかし、決して上品とは言い難い。もっとも欧米の資本家階級も、皆が皆、貴族のような上品さを持っているとは限らない。日本の資本家階級が欧米の資本家階級のような貧困層に手を差し伸べるような優しさは持ち得ない可能性が高い。欧米の貴族が貧困層に施しをするのと違って、日本の貴族は逆に貧困層を踏みつけにするような気がする。さて、私の好きな歴史ドラマ『ダウントン・アビー』では貴族の時代が終わって市民社会の時代が到来するのを予感させたが、今、私たちが生きている時代は、その逆で、市民社会が縮小して貴族が生まれる階級社会の到来を予感させる。私の好きなSFアニメ『銀河英雄伝説』では銀河連邦から銀河帝国に時代が逆行するが、まさにそれと同じことが世界中で起ころうとしていると感じる。そして、アンダークラスこそ、独裁者の到来を望んでいるのではなかろうか。だが、それは暗黒の時代だということは肝に銘じておかねばならない。
8月27日(水)
NoHateTVでよく取り上げられていた長生炭鉱の件で、遺骨が発見されたらしい。とりあえず、成果が出て良かった。ただ、私自身は遺骨収集自体にはあまり興味が持てない。遺骨収集に意味が無いわけではないが、意味を過大にしすぎるのも良くないと思う。
今週もニュースのチェックができなかった。暑さと疲労でかなり心身にストレスを感じている。8月も終わりだが、暑さが一段とキツくなった。政治に関しては政治家が国民の生活苦を放っておいて自分たちの権力闘争ばかりやっているように感じられる。また、保守も外国人の脅威ばかり言っていれば人気がとれると思っているようだ。その一方で、人々の生活はますます苦しくなっているように思う。余裕が無くなって理想を掲げる余力も無くなりつつある。余力が無くて学ぶ機会さえ無い若者がどんどん増えているように思う。 市民社会を支える基盤がどんどん無くなりつつある。日本の未来は暗い。
2025年8月30日土曜日
今月読んだ本2025.08
『ベートーヴェンを聴けば世界史がわかる』(片山杜秀)
前回読んだ片山杜秀さんの本が面白かったので、今月は本書を読んでみた。クラシック音楽から見た世界史、世界史から見たクラシック音楽史といった内容で、大変面白かった。片山さんの単著では、この本が一番読みやすかったかもしれない。
『クロムウェル』(小泉徹)
クロムウェルについて知りたかったので読んでみた。しかし、残念ながら私の知識不足で理解不足になったかもしれない。 それでも、クロムウェルが兵士たちから信頼をかち得た理由が分かったのは良かった。
『バレエ101物語 新装版』
積読解消のために読んだ。著名なバレエ作品のストーリーが分かるので大変重宝する本でした。ひと昔前と違って、ネットで検索しても、作品の写真や動画も豊富になったので、本を出発点としてさらに深く知ることができるようになった。例えばサブスクサービスが普及したことで音楽を勉強しやすくなったと思う。ひと昔前はクラシックやジャズを勉強しようと思っても、そんなにたくさんレコードやCDを買えないし、ラジオをエアチェックするのも大変だったと思う。それがサブスクサービスが始まったことで手軽に聴けるようになった。さらにYouTubeでも簡単に鑑賞できるようになった。なので、本で紹介されている作品もすぐに聴こうと思えば聴けるようになった。本当に便利な時代になった。バレエもネット上のコンテンツが増えたので本当に手軽に勉強しやすくなったと思う。
積読解消のために読んだ。著名なバレエ作品のストーリーが分かるので大変重宝する本でした。ひと昔前と違って、ネットで検索しても、作品の写真や動画も豊富になったので、本を出発点としてさらに深く知ることができるようになった。例えばサブスクサービスが普及したことで音楽を勉強しやすくなったと思う。ひと昔前はクラシックやジャズを勉強しようと思っても、そんなにたくさんレコードやCDを買えないし、ラジオをエアチェックするのも大変だったと思う。それがサブスクサービスが始まったことで手軽に聴けるようになった。さらにYouTubeでも簡単に鑑賞できるようになった。なので、本で紹介されている作品もすぐに聴こうと思えば聴けるようになった。本当に便利な時代になった。バレエもネット上のコンテンツが増えたので本当に手軽に勉強しやすくなったと思う。
2025年7月31日木曜日
NEWS2025.07
7月4日(金)
全部は見てないが、参政党について勉強になった。 「非科学・極右・排外・陰謀・差別」というキーワードが掲げられていたが、的を得ていると思う。ただし、知的レベルの低い人には参政党はウケると思う。日本人には陰謀論を真剣に信じる人がいて私も時々驚かされる。当人たちが黙っているから気付かないが、話させると実は陰謀論者だったりする。だから、意外と参政党支持者は多いと思う。冷戦が終焉する前は政治に関心がある層がいて、それなりに勉強する人がいたが、冷戦が終焉した後は政治に無関心な層が増えて、なおかつ勉強するための資料も不足気味になった。そのため、政治に対する知的レベルが低下したと思う。昔は迷信を信じる人がいたものだが、今は迷信に代わって陰謀論を信じるようになってしまった。宗教の世界ではオウム真理教というカルト教団が悪い事例として歴史に名を残したが、政治の世界では参政党というカルト政党が悪い事例として歴史に名を残すかもしれない。(そう言えば、統一教会と自民党安倍派との癒着はどうなったのだろう?)
今週は暑くて暑くて生きているだけで精一杯だった。ニュースのチェックどころではなかった。当分、この調子が続く感じだ。
最近、ブログサービスの閉鎖が多いように思う。1995年からネットの時代が始まって、ホームページの時代、ブログの時代、YouTubeの時代に移り変わってきたと思う。ちなみに裏ではポッドキャストの時代が並走していたと思う。ポッドキャストは政治や宗教のジャンルが強いようで、日本ではマネタイズがまだ難しいのかもしれない。日本のブログのマネタイズは始めは広告収益だったが、今はnoteという有料記事に移り変わったのかもしれない。ところで、ネット時代以前の日本では、書籍や雑誌による出版の時代が長らく続いていて、多様な読者層を形成していたと思う。 その後、テレビの時代が到来して一億総白痴化とか言われたが、テレビ自体も次第に多様化していったと思う。しかし、日本経済が衰退しはじめると、テレビの多様性も縮小していった。なお、ラジオは細々と続いているが、ポッドキャストとの境界が曖昧になりつつあるように思う。さて、Z世代はYouTubeやTikTokのような動画の世代だ。書籍や雑誌、テレビやラジオ、ブログをあまり知らない世代ではなかろうか?日本の強みは書籍や雑誌のような出版の世界があって、知の多様性を確保していたことだと思う。しかし、出版の世界も経済の衰退によって縮小しつつある。テレビは広告収入をネットに奪われて、お笑いで安上がりに作るようになって多様性はどんどん失われていった。YouTubeは確かに便利ではある。動画で見せられる方が分かり易いものもある。しかし、動画だけでは深く理解できないものもある。そういう意味では書籍や雑誌やブログといった文字メディアも絶対に必要だ。YouTubeなどの動画メディアだけに偏るのではなく、ホームページやブログや書籍や雑誌やポッドキャストやラジオやテレビなど多様なメディアがあった方が良いと思う。確かにブログ運営会社はボランティアでやっているわけではないので、赤字が続いているのにブログ運営を続けていくわけにはいかないだろうけれど、かといってブログが消滅してしまっていいというのも違うと思う。エシカル消費ではないが、人々は知の基盤を守るためにも、もっとブログを活用するように意識して欲しいと思う。
7月8日(火)
参院選を挟んでいるから交渉はどうなるのか?交渉は参院選の結果が出てからか、もしくは産業界からの要請があるか否かかもしれない。
ネット時代になって選挙でデマが広く流布するようになってしまったなあ。誰かを悪者にして溜飲を下げるという悪い構造。スケープゴート。
7月10日(木)
「参政党は極右だ」とハッキリ言っているのは正しい。
今週も暑くてキツかった。ニュースのチェックもまったく出来なかったが、私のYouTubeで見る限り、リベラルは参政党に関する話が多かった。参政党に対する私の印象はオーガニック極右だったが、彼らの憲法草案は極右そのものだった。まあ、私に言わせれば、天皇制がある限り、日本はいつでも極右政権・全体主義国家になりうると思っている。逆に天皇制が無くなって初めて日本は国民主権の民主主義国として動き始めると思う。しかし、日本から天皇制が無くなることはないと思う。第二次大戦が終わったときに天皇制を廃止していれば良かったのだが、米国はそうはしなかった。もし天皇制を廃止できるとすれば、第二次大戦と同じく外国勢力が日本を打倒したときだと思う。日本自らが天皇制を廃止することは不可能だと思う。そういう意味では、日本は保守的な国で、民主主義からは程遠い国、全体主義国家に向かいやすい国なのだと思う。だから、日本のリベラル派は日本政治で与党になるなんてことは極めて低い可能性だということを心得ておかねばならない。結局、リベラル派は野党として、どれだけ保守勢力の暴走に対して足止めできるかが、リベラル派の役割だと認識せねばならないと思う。それから、天皇制を廃止できないまでも、天皇制を換骨奪胎する裏技としては、欧州の王室と婚姻関係を結ぶことかもしれない。例えば、英国王室からパートナーを迎え入れて新しい人種の血を入れれば、少しは変わるかもしれない。まあ、でも、さすがにそれは絵空事過ぎるが。ともかく、日本人は排外主義的・人種差別的な人が多いのは事実だと思う。それとデマや陰謀論を信じる人も相当多いと思う。昔は迷信を信じるひとが多かったが、今はデマや陰謀論を信じるようになってしまった。日本人は核心部分が空っぽな人が多いのだ。日本では哲学や基礎科学は生まれなかった。応用はするんだけれど。要は物事の本質に無関心だったり無理解だったりするのだ。「土用の丑の日」のように無根拠なものでも信じて定着してしまう国なのだ。
7月14日(月)
中国らしい一斉摘発。政権の意向でいかようにでも変わるのがなんとも全体主義国家。酷いよなあ。 そういえば、なぜ女性はBLを好むのか、いまひとつ分からない。いつか研究書を読んでみたいなあ。
今日は参院選の日。投票はお昼頃に済ませた。ニュースによると投票率は高いらしい。恒例だが、私の応援した候補はいつも落選になる。まあ、住んでる地域が保守王国だから仕方ない。 ところで今回はNoHateTVの影響で比例の投票先をいつもと変えた。なので、落選しちゃうかもしれない。まあ、ガタガタ言わずに夜の開票結果を待つことにしよう。
参院選の結果について。保守の勝利、リベラルの敗北。既存政党の敗北、新政党の勝利。公明党の敗北は池田大作の死去が大きな原因だろうか?同時にそれは自民党を支えてきた公明党の弱体化が今回の自民党敗北の遠因だろうか?自公の過半数割れというが、得票を伸ばしたのは参政党や国民民主であって、それは保守を意味する。参政党などは自民党よりもさらに右よりだ。国民民主は目先の風向きに敏感なだけで確たる信念はない。立憲は伸びてない。横ばいだ。共産や社民は議席を減らしている。全体の投票率はほぼ同じようだ。ということは無党派層の傾向としては右傾化ということだろうか。まあ、そもそもこの国の多数派は保守が大半だということだろう。リベラルは少数派なのだ。
今週も暑くてニュースをチェックできなかった。ちなみに「石破首相が退陣する」という誤報があったらしい。逆に「石破、辞めるな」デモもあったらしい。今週も私の興味としては参政党に関するニュースをYouTubeで見ることが多かった。私の結論としては、参政党はオーガニック極右ということになる。そして、日本には参政党を支持する有権者が一定数いるということも分かった。ひと昔前にスピリチュアル系が大流行したことがあった。細木数子や江原啓之らの書籍が書店を賑わしていた。要はオーガニック極右を支持する人たちは、そういったスピリチュアル系が好きな人たちだと思う。私には、なぜ細木数子や江原啓之が人気があるのかサッパリ分からなかったが、根底には日本人の独特な宗教的な素養があるのだと思う。現在の日本は古くからある伝統的な宗教は力が弱くなってしまったが、新興のスピリチュアル系が代わりに大きな力を持つようになったのだと思う。そして、それは装いを変えている。ニセ科学や陰謀論などに装いを変えている。デマを信じるというのもそれに類すると思う。小難しい理屈よりも、分かりやすい耳障りのよい物語に惹かれるのだと思う。そういったスピリチュアル系の人々は時代や世代によって増減はあるだろうけれど、一定数を占めるのだろうと思う。そして、そういったスピリチュアル系の人々は基本的に保守に流れやすいと思う。ただ、参政党についてちょっと気になるのは、その思想があまりにも安倍派に似ていることだ。いや、もっと言えば、統一教会に似ていることだ。参政党のさや氏が「私をお母さんにしてください」と言ったそうだが、この感覚はまさに統一教会そのものではないかと思う。統一教会は、今、自民党からは締め出されているだろう。だが一方で、統一教会から見れば、日本市場は大きな稼ぎ頭であることに違いはない。統一教会にとって日本は大変大きな収入源であるはずだ。だから統一教会が日本市場からみすみす撤退するというのはあり得ないように思う。今までと同じようにいくつものダミー組織を通じて日本市場に働きかけてくるのではなかろうか?だから、参政党の背後に統一教会が蠢いていてもおかしくはないと私は思う。この考えは陰謀論めいていてあまり好ましくはないが、しかし、統一教会に関しては警戒を怠ってはならないと思う。
さて、一方、リベラルは今回の参院選でどうなったかというと、立憲は横ばい、共産・社民は減少。リベラル全体では下降傾向だ。ひと昔前は「風を吹かせる」といって、選挙で無党派層が投票に行けば、自民党が得票を減らし、民主党が得票を伸ばすと信じられていた。しかし、今回の参院選で分かったのはもはやそうはならないということだと思う。たとえ風が吹いたとしても、得票を伸ばすのは保守の新興政党だったりする。そもそも参政党に投票するような有権者はリベラルには変わりそうにない。一度や二度はそのときの気分でリベラルに投票するかもしれないが、継続的にリベラルに変わるとは思えない。 リベラルは今まで支持者を増やすのに、主に風を吹かす的なアプローチをしてきたが、そういったアプローチではリベラル派を増やすのは難しいのではないかと思う。もっと違ったアプローチが必要なのではないかと思う。それはもっと地味で地道なアプローチになると思う。保守のような派手だったりノリが良いというようなアプローチでは、リベラルは増やせないと思う。保守のようなやり方は一挙に大量に保守派を増やせるかもしれない。しかし、リベラルが同じような手法をとっても一時的には増えるかもしれないが、すぐに他所へ行ってしまう浮動票にしかならないと思う。リベラル派を増やすのは、バーニー・サンダースなどがやってきたような地味で地道な啓蒙活動になると思う。リベラル派を性急に増やすことはできない。歩みは遅いが一人ひとりが強固なリベラル派になるような増やし方しかないと思う。
今月は暑くてニュースのチェックができなかった。とにかく、参院選と参政党が今月の話題だった。参政党は極右なので要注意なのだが、雨宮処凛さんが言っていたが、「神谷宗幣の表情管理が完璧だ」という言葉が印象的だった。参政党を支持するような人たちは言葉の意味よりも外見に影響されるような人が多いのだろうなと思った。また、参院選の結果から立憲・社民・共産がますます先細りしそうで心配になった。それから、石破おろしについては、特に興味が無かった。「石破辞めるなデモ」は意外だったが、その気持ちは分かる。 「夏は石破おろしではなくて、大根おろしだろう」とつい言いたくなった。
最後に忘れてはならないのは、イスラエルによるパレスチナ人の虐殺がますます酷くなっている。しかし、いくらイスラエルを非難しても、イスラエルがその非道を止めるとは思えない。人命が最優先ならばパレスチナ人の難民を一人でも多く受け入れるべきだと思う。
2025年7月30日水曜日
今月読んだ本2025.07
先月読んだ『レストランの誕生』だけだとごく限られた範囲での歴史だったので、もう少し通史を知りたくなったので本書を読んでみた。しかし、専門用語が多くて自分がどこまで理解できたか怪しい。元々、料理学校の生徒のための教科書のようで、一般人が読むのはちょっと辛いと思う。ちなみに歴史ドラマ『ダウントン・アビー』を見ていたので英国貴族の食事については分かりやすかったので、フランス版のそういった歴史ドラマがあったら良いなと思った。やはり、視覚的に見れた方が分かりやすいと思う。また、メートル・ドテルという給仕係みたいな役職があるらしいが、それも見た方が理解しやすいように思う。
『恋愛と贅沢と資本主義』(ヴェルナー・ゾンバルト)
著者の主張である「資本主義とは愛妾経済なり」を確認するために読んでみた。主にフランスのことだと思う。逆に英国なんかはマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が当てはまるのではなかろうか。まだ読んだことはないのだが。
積読解消のために読んだ本。随分以前に購入したがずっと積読になっていた。人類学的なアプローチになっていて、著者がアジアの各地に赴き、民族舞踊を実際にフィールドワークした記録になっていて大変貴重な体験だったと思う。 ただ、全体として取りとめが無いような気もする。やはり、舞踊も映像でまず見てみないと理解が始まらないように思う。
2025年6月29日日曜日
NEWS2025.06
6月3日(火)
新しい韓国大統領が決まった。李在明(イジェミョン)という人らしい。よく知らないが、理想主義者というよりは叩き上げ的な印象がある。 私としては、リベラルにもっと他の人材がいなかったのかなあという気がしている。
長嶋茂雄が亡くなった。私自身は彼の現役時代を知らない。まだ幼かったので見たかもしれないが分かっていない。一方、王貞治は記憶に残っている。756号ホームランもTV放送で生で見たように思う。 長嶋茂雄については監督時代を少し知っているくらいで、打って勝つチーム作りで、ここぞというときは勝負に出る感じで、観客が見ていて面白いゲームをしようとしていたように思っている。それまでの巨人はとにかく勝つことが第一で面白さは二の次だったように感じていたから、それ自体は良かったように思う。ともかく、日本人には珍しいタイプの人物だった。合掌。
6月5日(木)
天皇が沖縄を訪問。愛子さんも同伴とのこと。一泊二日の日程。ふむ。
6月6日(金)
いずれは仲違いするだろうと、みんな思っていたと思う。ただ、この手のひとたちは利害が一致すればすぐに手を結ぶから、今後、どうなるかは分からない。ただ、周囲のひとたちは振り回されるだろうと思う。生活がかかっている職員などにとっては迷惑だろうと思う。
6月10日(火)
『Family Affair』とかが有名らしい。
6月11日(水)
これは玉木氏が酷い。ただ、山尾氏も政治家を引退すると宣言したはず。 まあ、誰しも心変わりはあるから仕方ないけど、有権者が果たしてそれをどう評価するか。不倫については私は特に問題視はしていない。ただ、不倫相手の妻が自殺している。そういった経過があるので、政治家をするのは辛いと感じる。
戦争の反省に基づいて作られた日本学術会議がこういう形で終わっていく。
支出を削ろうとしているとしか思えないなあ。
6月12日(木)
内戦にならなければいいが。ただし、悪いのはトランプ。
トランプなんかに負けるな、カリフォルニア! 応援しているぞ!
合掌。
移民・税関捜査局(ICE)の酷さが分かって大変勉強になった。
6月13日(金)
大手メディアがファクトチェック機能を作るのは良いことだと思う。
6月14日(土)
イスラエルが、ネタニヤフが悪いのだが、戦争して喜ぶのもネタニヤフだろう。なんか、嫌な展開だ。
今週は音楽業界の超有名人が二人亡くなった。スライとブライアン・ウィルソン。音楽に疎い私でも少しは知っている。
トランプのカリフォルニアへの派兵が気になる。カリフォルニアといえば、リベラル勢力の牙城だ。トランプはそこを狙って何やら画策するのではないかと注意が必要だ。
イスラエルはパレスチナを潰す気なのだろう。世界は手をこまねいているしかないのか。私は人命を最優先してパレスチナ人を受け入れるべきだと思っている。イスラエルはパレスチナの土地を奪う気なのは分かりきっている。しかし、土地を奪われまいとして抵抗しても人命が失われては元も子もない。世界や日本はパレスチナの難民・移民を受け入れるべきだと思う。
6月15日(日)
酷い。
6月17日(火)
もうG7は要らん。
6月21日(土)
イスラエルは人を殺すことを躊躇しない。何なんだろう?
今週は体調を崩してしまったが、それでも仕事はやり遂げた。でも、ニュースのチェックとか全然出来ていない。まだ6月だというのに、かなり疲労が蓄積している。このまま夏モードに突入するのかと思うとちょっと不安だ。
6月22日(日)
実際には投下されたバンカーバスターは14発くらいだったらしい。ところで、バンカーバスターだが、卑近な例で申し訳ないが、アニメ『交響詩篇エウレカセブン』 に登場した地殻貫徹弾オレンジを思い出した。地殻貫徹弾は地中深くに存在するスカブ・コーラルの核を攻撃するために使用された。
6月24日(火)
イランとしてはきっちり同数のミサイルを打ち込んで報復とした。実にきっちりした対応ではある。
イスラエルは本当にムチャクチャする。
6月25日(水)
諸行無常。あれほど栄耀栄華を誇った安倍派がついに解散した。
今週から暑かった。まだ6月だというのにかなり暑さで疲労した。今年の夏は相当に暑さ対策をしないとヤバいと思う。ニュースのチェックも後回しにするしかない。トランプが前例のないことをやらかすのだが、疲労のためにそれをトレースする余裕も無い。日本政治もほとんどチェックできていない。参政党が伸びているらしいとチラホラ聞く程度だ。日本人の中には一定数、参政党のような党を支持する層があるだろうとは思う。私の年代からすると社会の知的レベルが低下したように感じられるが、実際にはネットによって可視化されただけとも思える。元々、そんなに知的レベルは高くなかったのかもしれない。単に幻想を抱いていただけかもしれないのだ。とはいえ、YouTubeの時代に移行してから、ある種の知的レベルは低下したように感じられる。ただし、YouTubeによって別の知的レベルは上昇したかもしれない。とにかく、カオスになった、あるいはポストモダンになったと感じられる。そしてそれは仕方のないことだとも思う。むしろ、そのような世界で周りに流されずにどうやって自己実現していくかだろうと思う。ところで、ウェブクリップをPocketからRaindrop.ioに乗り換えた。今のところ良い感じだ。ただ、Pocketのような、よく読まれている、お薦め記事機能が無いのが個人的には残念だ。
2025年6月28日土曜日
今月読んだ本2025.06
『ごまかさないクラシック音楽』(岡田暁生・片山杜秀)
先月読んだ片山杜秀さんの本が面白かったので、引き続き片山さんの本を読むことにした。それで今回は岡田暁生さんとの対談本を選んだ。クラシック音楽の歴史であると同時に世界の歴史に関する対談だった。歴史好きの私としては大変面白かった。もしかしたら、今年読んだ本で一番面白い本になるかもしれない。ただし刊行自体は2023年5月と2年前の本だけど。
『レストランの誕生』(レベッカ・L・スパング)
レストランの起源の話。 これまで鹿島茂の『デパートの誕生』やフィリップ・ペローの『衣服のアルケオロジー』を読んで、デパートの起源や近代的な服装の起源を勉強したので、今度はレストランの起源について知りたくて本書を読んだ。著者が大変多くの本を読んでいるのが分かる。おかげでフランスの市民社会が形成される過程でレストランが次第に形作られるのが分かる。ただ、かなり局所的な歴史の話だったので、個人的には、もう少し食文化の通史的な知識が欲しいのでフランス料理の歴史の本などを今後は読んでみたい。
『妾と愛人のフェミニズム』(石島亜由美)
近代日本における妾と愛人の歴史を扱った話。 制度としての妾や庶子の話は大変勉強になった。ただし、著者はフェミニズムの視点からそれらを捉えている。私自身はセックスワーカーもポリアモリーも一夫多妻制も当事者たちが是とするなら良しとする考えなので、妾や愛人も当事者たちがそれで良いならかまわないのではないかと思っている。ただし、第三者である世間一般人が妾や愛人を差別するというのは問題だと思うし、正妻が妾を下位において人権を抑圧するのであればそれも問題だと思う。とにかく、著者の考えにはやや疑問を感じる部分があった。その疑問は、結局は、資本主義をどう考えるかに行き着くように思う。すべてをカネで考えるのは違うと思うが、かといって、すべてを愛で賄ってカネは排除するというのも理想的過ぎると思う。また、カネの力に対して、ヒトの力が介入するのも逆に言えば権力者の介入であってそれは悪しき社会主義ではないかと思う。自律的な資本主義経済の中でカネ勘定による意思決定の方がまだ個人の自由意志があるのではなかろうか。昨今では、不倫や浮気やセフレが市井にはあるが、それほど悪いものではない気もしている。当事者たちが是とするならそれもアリだし、当事者が否とするなら別れればいい。当事者次第という気がしている。
近代日本における妾と愛人の歴史を扱った話。 制度としての妾や庶子の話は大変勉強になった。ただし、著者はフェミニズムの視点からそれらを捉えている。私自身はセックスワーカーもポリアモリーも一夫多妻制も当事者たちが是とするなら良しとする考えなので、妾や愛人も当事者たちがそれで良いならかまわないのではないかと思っている。ただし、第三者である世間一般人が妾や愛人を差別するというのは問題だと思うし、正妻が妾を下位において人権を抑圧するのであればそれも問題だと思う。とにかく、著者の考えにはやや疑問を感じる部分があった。その疑問は、結局は、資本主義をどう考えるかに行き着くように思う。すべてをカネで考えるのは違うと思うが、かといって、すべてを愛で賄ってカネは排除するというのも理想的過ぎると思う。また、カネの力に対して、ヒトの力が介入するのも逆に言えば権力者の介入であってそれは悪しき社会主義ではないかと思う。自律的な資本主義経済の中でカネ勘定による意思決定の方がまだ個人の自由意志があるのではなかろうか。昨今では、不倫や浮気やセフレが市井にはあるが、それほど悪いものではない気もしている。当事者たちが是とするならそれもアリだし、当事者が否とするなら別れればいい。当事者次第という気がしている。
2025年5月31日土曜日
NEWS2025.05
5月8日(木)
酷いなあ。昔の自民党と比べると今の自民党は変わってしまったなあ。まあ、安倍晋三に責任の一端があるとは思うが、それだけではなくて、皆、自ら進んで変わってしまったんだと思う。
核保有国同士の戦争は怖い。
5月10日(土)
とりあえず、停戦して良かった。インドとパキスタンが戦争して喜ぶのは中国かもしれないなあ。
Netflixでもアニメの人気は高いのではなかろうか?動画のサブスクサービスがアニメ業界の救世主になるかもしれない。
トランプ政治が一進一退しているような印象を受ける。ただ、問題の核心は中国によって製造業を奪われた米国がどうやって製造業(あるいは経済力)を奪い返すかという問題だと思う。ただし、製造業を奪われたのは米国だけではなくて、欧州や日本も同じだ。かつては日本が欧米から製造業を奪っていたのだが、2000年に中国がWTOに加盟してから中国が世界の工場になって経済成長を遂げたのが原因だ。さて、トランプは関税によって製造業の復活を目論んだようだが、上手くいくかどうかは不明だ。経済原理からいって難しいだろう。ただ、少しはそのスピードを緩める作用はあるかもしれない。日本が躍進していた頃も欧米は同じような苦しみに喘いでいた。そして、IT革命によって米国は挽回したと思う。もっと古くは1930年代の大恐慌のときも似ているかもしれない。そのときはルーズベルト大統領がニューディール政策で公共投資をしてなんとか立て直そうとしたが、第二次世界大戦が起きるまでやはり苦しい状況は続いたと思う。結局、この問題は普遍的な問題だと思う。簡単な解決策はないように思う。小さな一つの方策としてはエシカル消費が上げられるかもしれない。消費者自体が自国の製品や消費者自身が好ましいと考える企業の商品を多少割高になっても買うというものだ。とはいえ、全体としては微々たるものにならざるをえないと思う。ただ、エシカル消費の下地として、多様な社会が大前提にあると思う。ところが、トランプの政策は多様性を排除するもので、その点は真逆な方向に向かっている。他国にとってはこれはチャンスで、日本はダイバーシティを推進する方が経済的にも良い効果をもたらすと思う。リベラルは今は試練のときだが、挫けずにリベラルな社会を目指すべきだ。また、中国も今は我が世の春を謳歌しているが、いずれ成長しきったときに問題を抱えることになる。特にインドなど中国の後続になるような大国があれば、今度はインドが中国の製造業を奪うかもしれないからだ。ただ、中国の政治体制が特殊なので中国人民の個人の自由を奪ってでも、何らかの施策が可能だから国家権力を使った力技を行使するかもしれない。とはいえ、あれだけ巨大な人口を抱えた国だから舵取りは難しいと思う。とりあえず、日本は日本独自の文化を持っているので、それを上手く現代の文明社会に折り合うように入れていけば多少は経済に良い効果を発揮するように思う。
5月12日(月)
一言でいえば、トランプは中国に負けたのだ。トランプは関税カードでディールを持ちかけたが、すごすごと引き下がるしかなかったということだろう。でも、何が中国を勝たせたかはよく分からないけど。
5月14日(水)
遠藤誉さんは健在だったんだ。しかし、彼女の跡を引き継げるような人材はいないんだろうなあ。
米中経済戦争は、結局、世界の工場になった中国に製造業を奪われた米国がどうやったら再び米国に製造業を取り戻せるかという問題だろう。答えは簡単ではない。例えば、米国内に工場を建設してもらうしかないが、それで労働者の賃金が良くて豊かな暮らしができるかどうかは分からない。そして、中国自身も経済成長してしまうと今度はインドなど他国に製造業を奪われるリスクが生じてくる。日本のことを思い出して欲しい。日本も経済成長が最高潮に達したときバブル経済が生じて我が世の春とばかり世界中の商品を買い漁った。そして、バブルが弾け、中国がWTOに加盟して中国に製造業を奪われると、日本の名だたる大企業が次々とその仕事を奪われていった。かつて日本企業が90%を占めていた世界市場のシェアが10%以下に落ち込んだ業界もある。中国は国土も人口も巨大だし、政治体制が社会主義だからどうなるかは分からないが、いずれは経済成長が限界に達するだろう。そのとき、今度は中国が日本のようになるリスクもあるのだ。結局、長い目で見れば、世界はフラットに向かう。したがって、産業構造の多様性こそがその地域に住む人々の雇用を守ることになると思う。
それから、80年代後半の米国は経済的には日本に製造業を奪われてリストラが横行して暗黒だった。それが回復したのは情報スーパーハイウェイ構想を始めとするIT革命によってだった。IT革命という技術革新が米国経済を救ったのだ。そして、今もGAFAMというIT企業が米国経済を牽引している。しかし、これが不動の地位かというと必ずしもそうではないかもしれない。中国が日本の轍を踏むとは限らないからだ。中国の技術力をもってすれば、米国を凌ぐIT技術を創出する可能性がある。もし、中国が米国の先端技術を上回れば、世界の覇権は中国になるかもしれない。実際、中国はその支配力を全世界に着々と広めている。米国が先端技術でも中国に抜かれて首位の座を明け渡す日が来るかもしれないのだ。中国のような政治体制の国が世界の覇権を握ったら、自由主義の国にとっては恐ろしいことに違いない。日本のような小国は産業構造の多様性によって細々と生き残るだけではなくて、世界の行く末にも目を配らねばならない。米中の争いは人類社会にとって極めて大きな意味を持つことを心得ておかねばならない。
ところで、トランプがやっていることのひとつに反多様性がある。端的に言ってレイシズムだ。結局、何をやっているかというと貧困層のガス抜きをやっている。人種差別やジェンダー差別をすることで、貧困層の人たちが被差別者よりも優位であると示したいのだ。愚かな話だ。自分たちが底辺だと思うと耐えられないので、自分たちよりも底辺を作って、そこを攻撃することで溜飲を下げている。結局、トランプたちは何をやっているのかというと、愚民を生産しているのだ。愚民は民主主義の市民社会を求めていない。愚民は王様を求めている。愚民は事実(ファクト)を見ようとしない。愚民は陰謀論という妄想で気分を高揚させる。愚民は科学を嫌い、教育を嫌い、蒙昧な宗教心で物事を見る。恐ろしいのは愚民は再生産されることだ。愚民の親は愚民の子を生み育てる。時間が経過すれば愚民が増殖する恐れがある。そして愚民がある程度多くなると、現代の王様、すなわち、全体主義のカリスマ指導者を求めるようになる。ヒトラーやムッソリーニ、スターリンや毛沢東がどれだけ悲劇を生んだかは、二十世紀の歴史を振り返れば自明のことだ。たしかにトランプを押し出したのは格差社会で貧しくなった人たちだったのだろう。だが、トランプの進めている政策は愚民を大量に作る政策だ。それは極めて危険だということを肝に銘じておかねばならない。
5月23日(金)
WebクリップにPocketを利用していたので、Pocketの終了は痛い。代替サービスを探さねばならないなあ。
5月26日(月)
日本の最高裁が職業差別を行った。酷い話だ。
5月29日(木)
通信会社と銀行が一体化するのは、ネットでマネーが流通するようになった現代のネット社会では至極当然のことではある。 これまで楽天だけが楽天銀行で先行していたが、ついにドコモも銀行業に参入することになった。KDDIやソフトバンクも追随するだろう。むしろ、今までの大手銀行が生き残りをかけてどう出るかが気になる。私自身はポイ活とかポイント経済圏とかにまったく興味がないのだが、業界としては系列化していくのだろう。
そういえば、農林水産大臣が小泉進次郎に代わったらしい。前大臣はなにやら失言があったために更迭されたらしい。とにかく、米が高騰してしまった。果たして米の価格は以前のように下がるのだろうか?それともこの価格が普通になってしまうのだろうか?ここまで長引いているところを見ると、買い占めだけが原因ではないかもしれない。
2025年5月30日金曜日
今月読んだ本2025.05
NHK-FMで片山杜秀さんがパーソナリティを務める音楽番組『クラシックの迷宮』を聴き始めて1年くらい経った。音楽と歴史の勉強になる大変面白い番組である。それでせっかくだから片山さんの本でクラシック音楽についてちょっと勉強してみようと思って本書を買ってみた。内容は片山さんとそれぞれの音楽家との出会いから始まってその解説に至るというもの。 大変勉強になった。面白かったエピソードに、片山さんが中学生の頃に友達の母親からカラヤンのチケットが余っているので薦められたら「カラヤンなんか聴きません!」といって断った話には思わず笑ってしまった。
『新・ラグジュアリー』(安西洋之・中野香織)
ラグジュアリーというとLVMHなどの高級ブランドのことを思い浮かべるが、本書で扱われているのは新しいラグジュアリーなるもの。ウィリアム・モリスやスローフード運動、エシカル消費の話は大変参考になった。それで、日本で当てはまるもので思い浮かんだのが『美味しんぼ』 で出てくる数々の日本の食文化だった。あるいは陶磁器などの骨董品もそうかもしれない。ところで高価なものでなくても、安い瀬戸物でも日本の器はけっこう味わいがあるよなあ。
ラグジュアリーというとLVMHなどの高級ブランドのことを思い浮かべるが、本書で扱われているのは新しいラグジュアリーなるもの。ウィリアム・モリスやスローフード運動、エシカル消費の話は大変参考になった。それで、日本で当てはまるもので思い浮かんだのが『美味しんぼ』 で出てくる数々の日本の食文化だった。あるいは陶磁器などの骨董品もそうかもしれない。ところで高価なものでなくても、安い瀬戸物でも日本の器はけっこう味わいがあるよなあ。
『江戸の春画』(白倉敬彦)
ドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』を観て、春画について知りたくなったので本書を読んでみた。春画入門には最適のテキストかもしれない。著者の考えが私的にはやや引っかかる箇所もあったが、春画というものを知るのには概ね良かった。
2025年5月24日土曜日
金環蝕
YouTubeで映画『金環蝕』を観た。
実は子供の頃にTVで放送されているのを観たことがあったが、子供だったのでよく分からなかった。政治の汚職事件を扱った映画だというのだけはぼんやりと理解したように思う。
原作は石川達三で、石川は芥川賞(1935年)を受賞しているが、そのとき落選したのが太宰治だった。また、『生きてゐる兵隊』(1938年)では南京事件に関わる記述があったらしくて発禁処分を受けたらしい。本作は1966年に発表された作品で九頭竜川ダム汚職事件という実際にあった汚職事件がモデルになっているらしい。
私の父が石川達三作品のファンだったらしくて、それでこの映画も子供の頃に観たのだと思う。ちなみに父は志賀直哉とかも文章が好きだったらしい。でも、織田作之助なんかも好きだったらしく、物置に単行本が何冊かあったように思う。ちなみに太宰治はあまり好きではなかったのではないかと思う。
さて、今回、改めて見てみて大変面白かった。
政治家、電力会社、建設会社、新聞社などが、持ちつ持たれつで、金まみれで腐敗していて、いかにも日本的で面白かった。
物語は古い世代の石原参吉という金貸しと新しい世代の星野官房長官(東大を出て官僚になりその後政治家になるという典型的なエリート)の対決の話だった。
石原参吉を宇野重吉、星野官房長官を仲代達矢が演じていて、対照的で大変分かりやすかった。 それから、神谷代議士を演じた三國連太郎もなかなかいい味を出していた。
そして、この二人以外も出てくる男たちが、皆、金に汚いだけでなく、女も妾として囲っていて欲にまみれていて面白かった。また、出てくる女性たちが、皆、色気があって良かった。料亭の座敷、芸者など昭和というか、昔の日本の風情というか、良し悪しは別にして、かつての日本の価値観が流れていて興味深い。まあ、でも、こういうのは失わていくのだろう。
それから、石原参吉が政治家たちを脅す材料として、”石原メモ” なる資料がなかなか面白かった。ホント、メモって大事。そして、手帳やノートも。
このブログ記事を書くために映画のポスターをネットで探していたら、当時のポスターがとても印象的で、本作の本質をよく表していて大変良かった。このポスターの作者は誰だろうと調べてみたが、結局、誰が描いたか分からなかった。推測だが、作者は美術監督を務めた間野重雄という人ではなかろうかと思う。
2025年5月17日土曜日
マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ
Netflixでコメディ映画『マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ』を観た。
心温まるストーリーで、仕事のストレスで疲れた私の心には、たいへん心地良い映画だった。
「ノンナ」 とはイタリア語で「おばあちゃん」という意味らしい。また、「マンジャーレ」はイタリア語で「食べる」という意味らしい。原題は『ノンナ』で、イタリアのおばあちゃんたちがシェフになって家庭料理のレストランを開店して成功するという物語。ちなみに実話に基づくお話で舞台になったニューヨークのスタテン島に実際にあるらしい。
まあ、物語としてはありがちで他愛のない話。良く言えば安心して見ていられるし、悪く言えば退屈かもしれない。ノンナたちのキャラクターもありがちで、特別際立った感じではない。ただ、出てくる料理がとても美味しそうで見ていて飽きない。見終わるとイタリア料理が食べたくなるし、久しぶりに家庭的レストランに行ってみたくなる。
強いて言えば、『ミセス・ハリス、パリへ行く』というコメディ映画に似ているかもしれない。 こちらは時代は1950年代で英国の家政婦が美しいドレスに一目惚れしてパリにディオールのドレスを買いに行くという物語。『ミセス・ハリス』が衣服に対して、『ノンナ』は食べ物という違いがあるけど、どちらも心温まるストーリーで癒やされる。
2025年5月3日土曜日
春の画 SHUNGA
Netflixで春画のドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』を観た。
このドキュメンタリー映画が作られることになったのには若干の経緯があるらしい。発端はそもそも2015年に英国の大英博物館で春画展があったそうで大変好評だったそうな。ところが、日本で同じ春画展を行おうとしたら国内の美術館からはことごとく断られたそうな。どうやら猥褻ゆえに取り締まりの対象になることを恐れたらしい。ただ、その中で永青文庫というところが春画展を開催して大変盛況だったらしい。 で、そういった経緯を描いた『春画と日本人』というドキュメンタリーが2019年に公開されたらしい。そして、そこからさらに映画『春画先生』と本作『春の画 SHUNGA』が製作されたということらしい。
この作品自体は、春画の愛好家たちや版画の彫師や摺師、そして、名作の解説など、春画の世界が描かれている。 名作の解説では、春画が、若干、アニメ化されていて、なかなか見ていて楽しい。春画に書き込まれているセリフも声優によって朗読されていて、それもまたなかなか楽しい。春画入門としては大変優れたドキュメンタリーだと思う。私もちょっと春画について入門書などを読んでみたくなった。
2025年4月30日水曜日
NEWS2025.04
4月4日(金)
とりあえず罷免されて良かったと思う。 ただ、次の大統領が誰になるかちょっと心配だけど。
4月5日(土)
トランプの関税政策は互いにとって良くないんだろうなあ。
現時点で3300人以上の死者らしい。実際はもっと多いのだろう。
4月7日(月)
システム障害が起こると困るなあ、その1。
システム障害が起こると困るなあ、その2。
けっこう強行軍の日程だったんじゃないかなあ。ということは、天皇自身による希望でこの訪問が組まれた可能性が高いと思う。
4月14日(月)
Googleって、すぐにサービスを止めちゃうから心配。モヤモヤするなあ。
4月15日(火)
「ショー・ザ・フラッグ」で有名だったと記憶している。その他、戦争孤児を里親として引き取ったりしていたと思う。
確かにAndroidの初期ホーム画面にGoogle検索を表示しておくのはマズいかも。
AWSでもシステム障害が発生するんだ。少し驚く。
4月17日(木)
これはどう読めばいいのだろう?話は単純ではない気がする。
4月20日(日)
結婚した人の方が認知症リスクが高いとは、まだ断定はできないと思う。 でも、意外ではある。
4月21日(月)
合掌。
4月23日(水)
ふ~む。
4月24日(木)
ふ~む。
4月25日(金)
私は音楽がいまひとつ苦手だった。中高生の頃、私の周囲はほとんどヘビメタファンばかりだった。私はヘビメタはあまり好きになれなかったし、ロックも嫌いではないが好きというほどでもなかった。ポップスも特に大好きという感じにはならなかった。そんなとき転校してきた子がいて、友人になったのだが、その彼が好きなのがYMOだった。彼は坂本龍一が好きで、私も彼の家に遊びに行くと自然と聴かされた。そんな感じで細野さんを聴く機会があった。ただ、もっと後になって、アニメ映画の『銀河鉄道の夜』や『源氏物語』の音楽が印象に深く残っていて、後からそれらを作ったのが細野さんだと知って驚いた。なので、私と細野さんの音楽との出会いはアンビエントが最初に近い。その後、細野さんのもっと若い頃の作品も聴くようになった。ただ、当時の地方のCDショップには細野さんのCDはなかなか置いてないことが多くて入手が困難だった。話が長くなるので、ここらへんで止めておこうと思うが、私が一番好きな細野さんのアルバムは『メディスン・コンピレーション』で、最高に好きなアルバムです。
4月28日(月)
センター長のさじ加減で不支給が2倍以上に変わってしまうのだとしたら、そりゃあ、あんまりだと思う。ただ、その年によって増減はあるのだろうから、検証が要るとは思うが。
4月30日(水)
図書館については岩波新書『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告』 が参考になると思う。ただ、町の書店が減っていくのは寂しい。子供の頃の私にとって知らない世界との出会いは町の本屋さんだった。当時の図書館は子供の私には本を見つけにくかった。また、クーリエ・ジャポンの記事『楽しくて、ちょっと変─英国に「文学イベント」のニューウェーブ到来』は町の文化拠点としての本屋さんのひとつの方法として面白かった。
今はYouTuberの時代になってしまったが、以前はBlogerの時代だった。Blogerの時代は読書家の時代でもあった。今後はYouTuberの時代が落ち着いて、再びBlogerも地味に復権されたらいいなあと思う。今はBlogが減りすぎだと思う。YouTubeに偏りすぎている。人々がYouTubeの収益に狂奔しすぎたためだ。そうではなくて、YouTubeもBlogも両方がそれぞれのジャンルで普及したらいいと思う。私は読書好きなのでBlogが普及して欲しいと思っている。そして、図書館やミュージアムが地域の文化拠点として地域住民のカルチャーを活性化して、小さな読書会が乱立したり、カフェやレストランで本や映画の話がもっと弾んだらと思う。地味な趣味である読書がもっと普及してくれることを願う。
大麻は軽いものばかりと思っていたら、強力なものもあって、そのために様々な弊害を生んでいるということらしい。お酒に例えると、ビールだと思っていたら、ウォッカもあったということらしい。大麻にもアルコールの度数制限のようなものが必要とのこと。物事はなかなか単純には行かないものだ。
今月読んだ本2025.04
『日本人の死生観』(五来重)
先祖供養という日本独特の宗教観を理解するのに大変役立つ本だと思う。帯文の「人は死んだら、まず怨霊になる」という一文がよく表していると思う。先月読んだ『先祖供養と墓』がその起源になっている。要は風葬と殯だ。
『仏教と民俗』(五来重)
日本仏教が先祖供養という日本独特の宗教観を取り入れて、本来の仏教からかけ離れたものになっているのを理解するのに大変役立つ本だと思う。TVアニメ『まんが日本昔ばなし』など、日本の庶民の宗教観を理解するのに役立つ。副題が仏教民俗学入門。
日本仏教が先祖供養という日本独特の宗教観を取り入れて、本来の仏教からかけ離れたものになっているのを理解するのに大変役立つ本だと思う。TVアニメ『まんが日本昔ばなし』など、日本の庶民の宗教観を理解するのに役立つ。副題が仏教民俗学入門。
先月から今月にかけて五来重の本を3冊読んだ。そのおかげで、私にとって、これまで謎だった日本人の宗教感覚のひとつが分かるようになった。
『衣服のアルケオロジー』(フィリップ・ペロー)
原書のタイトルは「ブルジョアジーの上着と下着 - 19世紀における衣服の一つの歴史」ということで、19世紀フランスの衣服の歴史になる。鹿島茂さんの『デパートの誕生』や『パリ、娼婦の館』なんかと合わせて読むとより理解が深まるのではないかと思う。また、ゾンバルトの愛妾経済というのにも繋がる話だと思う。
2025年4月26日土曜日
新幹線大爆破 リブート版
『新幹線大爆破』(2025年)
Netflixでリブート版の『新幹線大爆破』を観た。
新幹線に仕掛けられた爆弾が速度が一定速度を下回ると爆発するという1975年のオリジナル版の設定と同じままで、時代を現代に移し替えた物語になっている。ただし、それだけではなくて、1975年のオリジナル版を109号事件として登場させ、本作はそれに関連した事件として物語は進展してゆく。
さて、さっそくネタバレになるが、犯人は柚月という女子高生だ。犯行の動機は109号事件当時に警察官だった父親が大言壮語して威張っていることに腹を立てて、それへの復讐のために事件を起こしたというものだった。彼女と父親の電話での会話からも分かるように、父親は異常に威圧的な人物で暴力も振るっていたらしい。要するに、父から娘への虐待だ。犯行は虐待された娘の復讐だ。そして、復讐は父親だけにとどまらず、この社会に対しても向いている。「ウソの普通を壊す」と彼女はいう。彼女は”人間の醜い本性”をさらけ出させようとする。爆弾を止めるには、自分を殺すしかないように爆弾にプログラムしたのだった。
ところで、彼女には協力者がいて、ダイナマイトの提供者である古賀勝利だ。彼は109号事件で共犯者である古賀勝の息子で、父親が爆死したことへの復讐も兼ねて柚月にダイナマイトを提供したらしい。ただ、オリジナル版では、古賀勝に息子がいた形跡は無かったと思う。主犯の沖田には息子はいたが。
なので、本作では、事件の核心には、家族問題がある。一方、オリジナル版では、中小企業の経営に失敗した社長、過激派くずれ、本土復帰した沖縄から東京に就職に来てやはり失敗した青年など、社会のはぐれ者的なひとたちが犯人で、犯行動機も日本社会に受け入れられなかったことへの復讐のようなものだったのではないかと思う。それは、社会的な問題といえるかもしれない。それに比べると、本作は家族問題に起因している。しかし、家族問題だからといって、軽視すべき軽々しい問題ではない。 核家族が大多数を占め、地域社会も壊れて無くなっている現在、家族問題は日本では極めて息苦しい深刻な問題なんだと思う。
ここまで、犯人の動機について感想を述べてきた。しかし、本作の見所としては、これらに主眼があるわけではないと感じる。柱になっているのは、車掌の高市が懸命に乗客を守ろうと職務を果たす職業人としての姿と、同じく指令所で新幹線の安全を守ろうとする笠置たちの姿だと思う。あ、それとそれらに携わる現場の作業員の人たちすべてだ。
話は変わるが、政府の描き方については、ちょっと疑問に感じた。そこまで人命軽視で現場の要請に反対するだろうかと不思議に思った。また、指令所の人たちもその理不尽な政府の決定に落胆しながらも従うというのも不思議だった。理不尽な決定だったら、現場は勝手に自分たちの判断で善処するんじゃなかろうか? 福島第二原発の事故のとき、現場は善処したのではなかったか。
それから、さらに話は変わるが、脱線事故で思い出すのが、2005年に起こったJR福知山線脱線事故だ。100名以上が亡くなった大惨事を覚えている人は多いと思う。本作では新幹線後部を切り離して止まる設定だが、果たしてそれが生存率が高い作戦だとちょっと思えなかった。また、1975年の駅ホームにはホーム柵が無かったが、現在の駅ホームにはホーム柵があると思う。ホーム柵が設置されるようになった理由は人身事故防止のためだ。日本では飛び込み自殺が日常茶飯事になった時期があった。そういった変化についてもなんらかの言及があったらなと思う。
職務をまっとうしようと懸命に働く職業人の描き方が日本的で型にはまったように感じた。アメリカのドキュメンタリーには、危機対応を描いたものがけっこう多いが、なかなか深いものが多いと思う。あるいは、クリント・イーストウッド監督の作品にも、危機対応時に見られるアメリカ人の良心みたいな作品がいくつかあると思う。ついついそういったものと比べてしまう。
今思うと、オリジナル版『新幹線大爆破』で新幹線を停止させるときの緊迫感、もしかしたらもう一つ爆弾が残っていて爆発する可能性があると知りつつ、博多駅で爆発させるよりも爆発させても問題ない過疎地で停止させる決断をして、速度が時速80キロを下回るまでを固唾をのんで見守るシーンは、新幹線は爆発しないものの、なかなかの緊迫感があるシーンだったと思う。懸命に最善を尽くしたスタッフたち、にもかかわらず運を天にまかせるしかない現実、天に祈る気持ちで新幹線が止まるのを見守る指令所。そうとは知らずに安堵して新幹線を止める運転士と危険を承知で指令を出して見守る指令長の対比。なかなか良いシーンだったと思う。
とはいえ、新幹線は日本を象徴するもののひとつであり、『新幹線大爆破』は面白い作品だと思う。
2025年3月31日月曜日
NEWS2025.03
3月1日(土)
ちょっと寂しい。世界がネットで繋がって閉ざされた国が世界に開かれるきっかけを作ったツールのひとつにSkypeがあったと思う。
3月3日(月)
2027年の大河は小栗忠順になったらしい。勝海舟や坂本龍馬は知名度が高いけど、小栗忠順は知名度が低い。小栗忠順が米国へ行って世界一周して帰ってきた話などとても面白いと思う。他にも面白いエピソードが満載である。ちょっと楽しみかも。
3月4日(火)
トランプ政権がNATOの軍事費をケチったので、EUは自分で安全保障費を賄わねばならない。実際に実現できるかどうかは分からないけど。
3月5日(水)
中国の場合、国防予算を削減するのは軍閥の反発を招く恐れがある一方で、あまり国防予算を増やして軍閥に力を持たせるのも危険だという考えもあると思う。それに中国の軍は独立採算じゃなかったかしら?それにしてもこれだけ巨大国家だと舵取りが難しいと思う。今は習近平の独裁だが、その独裁が崩れたときどうなるか。
3月7日(金)
そもそも同盟とは相互に守り合う仕組みだ。だから、米国の駐留軍がいる国は逆に米国にその国の軍隊が駐留している。地位もお互いに対等だ。ところが日本は米国軍が駐留しているが、自衛隊は米国に駐留していない。そして日米地位協定で米国軍人だけが優遇されており、地位が対等でない。 石破首相が就任時に米国に自衛隊の駐留施設を作るといったのはそういう意味だと思う。日米が対等になるために。だから、トランプが片務的と言ってきたのは確かにそうだ。ならば、自衛隊を米国に駐留させるか、あるいは、米軍基地を撤退させるかが筋だろう。ただし、トランプとしては、日本がさらに米国から武器購入を促したいのが真意だとは思う。いっそ米軍基地を撤退させたらどうかと思う。そうすれば、日本の米軍基地上空の飛行禁止区域が無くなる。米軍基地が無くなれば、中国やロシアや北朝鮮が怖いって?自分の国は自分で守るのが主権国家としては当たり前だと思う。たとえ相手が大国であっても、それはどこも同じだろう。そもそも核の傘なんて現実的ではない。他国が核攻撃されたからといって米国が代わりに報復の核攻撃をしてくれるなんて信じられない。やはり、米軍基地は撤去してもらうのが一番良い。
3月12日(水)
トランプ政権の「関税かけるぞ」 という脅迫でディールを仕掛けるというワンパターン。米についての言及もそのひとつ。嘘をつくことにためらいのないトランプ政権。フェイクニュースで政治を動かそうとする悪質なトランプ政権。ただ、今の日本は米の高騰が問題なので安く輸入できるならして欲しいとも思う。一方、なぜこうも米が高騰したのか、単なる投機狙いの米の買い占めだけなのか、それとも生産力が落ちているのか、もし生産力が落ちているならそれはなぜなのか、いろいろと疑問に思う。もし、生産力が落ちているなら、輸入するのか、あるいは労働力不足なら移民を増やすのか、あるいは、ロボット導入による機械化で生産力を維持するのか、考えねばならないことが多い。
私の自宅の前でしばしば老夫婦がスマホで何かしていることが多くて、どうもポケモンGOだったのではないかと思っている。 ところが、最近、見かけなくなった。飽きたのかもしれないし、話に聞くところではサービスがいろいろと悪くなったとも聞く。とはいえ、ポケモンというコンテンツ自体の魅力は減っていないのだろう。ポケモンは日本が生んだ世界的なコンテンツのひとつなんだろう。
3月13日(木)
杉田水脈が次回参院選で自民からの比例代表の公認候補になったらしい。 なんとも嘆かわしい。それにしても、昨今、立花孝志とか石丸伸二とか、本来、政治家になってはいけない人たちが政治家になるケースが増えてきている。まあ、米国のトランプや韓国の尹大統領も似たようなものなので世界的な現象かもしれない。そもそも知識社会化による経済格差は別に移民やLGBTQの所為ではない。確か人米国の場合は不法移民が賃金が上がらない原因かもしれない。しかし、欧州などは移民の受け入れで商品の価格を安く抑えることになり、消費者や国内製造業者など得をしている人たちも多数いるわけで、全部が全部悪いわけではない。むしろ、知識社会の経済格差は構造的問題だ。格差解消のためにはそれこそ経済的な多様性を生み出すことで知識社会は経済的な厚みを増すしかないのではないかと思う。ともかく、ネトウヨの煽動政治家にのせられて差別主義・排他主義に向かうのは間違っている。
トランプ政権が相変わらず世界をひっかき回している。しかし、世界も単に迎合するばかりではない。 いずれ反撃に出るだろう。その兆候は少しずつ見えてきている。トランプ政権が壮大な空振りになったとき米国民はどう動くだろうか?目が覚めるだろうか?ところで、日本人も目が覚めつつあるか?もう日本は経済大国ではない。この先、かつてのように豊かになれることもない。日本の保守の考える日本文化など中身のない薄っぺらいものばかりだ。日本が経済も文化も貧しくなったと気づいたとき、そして、国全体が経済的に豊かになれるチャンスはないと気づいたとき、日本人は一体どういった方向に向かうだろうか?まあ、個人は個々で生き残る道を模索せねばなるまい。
才能ある個人の場合、日本を足場にするのはメリットが無いかもしれない。日本の企業や大学は才能ある個人を米国や大国よりも優遇してくれる可能性は低い。起業も日本ではリスクが高い。ならば才能ある個人は活躍するフィールドを米国や他の大国を選んだ方がいい。それが日本における才能ある個人の基本路線になるだろう。逆に日本そのものは、才能ある個人が流出した、二流、三流の国になる。そこでの夢はこじんまりしたものになる。島国で井の中の蛙で、それで良いと思うならそれも良いだろう。例えば、そもそも日本から人権という発想は生まれなかったと思う。他にも日本からは生まれなかったものは数多くあるだろう。だから、人類社会の本道からは少しずれたところに日本は行くかもしれない。文明に乗り遅れた民族、日本人。極東の辺境にあって、資源も知恵もない民族なら、それも仕方ないということかもしれない。ただし、ネットの時代に個人はそれに従う必要はない。
3月18日(火)
ダニエル・カーネマンが安楽死を選んでいたことに驚く。いや、まあ、彼の著書から考えると合理的な選択だったのかもしれない。
今週はいろいろあってニュースをチェックできなかった。週末は特に酷くて神経衰弱気味になってしまった。
3月25日(火)
とりあえず解散命令が出て良かった。今後もウォッチしなければならないが。
親の介護の件で今週は忙しくなってしまった。当分、忙しくてニュースのチェックができなくなるかもしれない。
2025年3月30日日曜日
今月読んだ本2025.03
『自由への旅:「マインドフルネス瞑想」実践講義録』(ウ・ジョーティカ)
上座部仏教の瞑想はどのようなものか知りたくて本書を読んだ。大変勉強になった。ヴィパッサナー瞑想は意識を観察して、次第に深化して心の根源に辿り着く旅といえるかもしれない。
上座部仏教の瞑想はどのようなものか知りたくて本書を読んだ。大変勉強になった。ヴィパッサナー瞑想は意識を観察して、次第に深化して心の根源に辿り着く旅といえるかもしれない。
『先祖供養と墓』(五来重)
祖霊信仰の起源を知りたくて読んだ。子供の頃、祖母の家や近所の家に遊びに行くと必ず仏壇があって仏壇に手を合わせる家人がいたものだった。私にはそれが不思議でならなかった。子供の頃の遊び場は近所の神社や山や海だったのでアニミズムの感覚はなんとなく分かるつもりだ。だから、ネイティブアメリカンのスピリチュアリズムもなんとなく分かるような気がする。ところが、日本の祖霊信仰・先祖供養はどうもよく分からないでいた。そこで本書を読んでみて少し分かるような気がしてきた。起源はどうやら風葬と殯(モガリ)にあるらしい。日本人の宗教について知りたくなったので、五来重の本をもう少し読んでみようと思う。
『中国の信仰世界と道教』(二階堂善弘)
中国の宗教観について知りたくて読んでみた。霊廟など、どういう信仰心で祀っているのだろうという疑問からだ。また、日本を含めた東アジアの祖霊信仰の起源とか関連があるんだろうかという疑問もあった。しかし、読んではみたものの、実に混沌としたものだった。
2025年3月22日土曜日
春画先生
Netflixで鑑賞した。
春画の研究者・芳賀一郎と彼に恋する弟子・春野弓子の物語。
春画の蘊蓄を紐解くような作品かと思っていたら、後半は春野弓子の性愛遍歴の話になり、ついには芳賀一郎を射止めるというハッピーエンドを迎えるのだった。
春野弓子の性愛遍歴の相手を務めるのが、出版社勤務の辻村。この辻村が好色で、なおかつ、バイセクシャルの人物。春野弓子は芳賀を恋い焦がれていて辻村を嫌っているのだが、なぜか辻村とセックスしてしまう。 終いには辻村とホテルマンと弓子で3Pになってアナルセックスまで体験してしまう。いろいろあって、最後は、亡き妻の双子の姉・一葉を交えて、芳賀とSM的なセックスになって、ようやく芳賀と結ばれる。
ちなみに女性の性愛遍歴を描いた映画に1960年代の作品で『女性上位時代』や『キャンディ』があったと思う。こちらもなかなか面白かった記憶がある。そういえば、『O嬢の物語』なんてのもあったなあ。こちらはSMもの。他にも男性の性愛遍歴ものに香港映画『Due West』ってのもあった。
さて、本作は春画がベースにあるので、日本風な性愛が描かれているところが性愛遍歴ものとしては珍しいのかもしれない。和装とか鰹節を削ったりだとか久しぶりに日本文化に触れられて新鮮だった。
ただ、もう少し春画や浮世絵のアカデミックな蘊蓄が聞けるかと思っていたのだが、実際は春画愛好家は好き者って話に感じた。
日本の妖しく淫靡な官能性って、谷崎潤一郎や団鬼六なんかもそうなんだろうなあ。和服や夜会服なんかを着て、立ち居振る舞いがそれに伴わないとなかなか出ない味わいなのかもしれない。骨董の世界に独自の価値基準があるように、日本の官能にも独自の価値基準があるのかもしれない。
2025年3月15日土曜日
スパイの妻〈劇場版〉
Netflixで鑑賞した。元々はNHKのドラマだったらしく、画質がドラマっぽい。
物語は731部隊による人体実験を告発しようとする福原優作とその妻聡子の物語。当時の日本の世相がところどころに描かれている。優作を演じた高橋一生の日本人好みのスマートなスタイルの良さが際立つ。また、聡子を演じた蒼井優の演技力が素晴らしかった。 ただ、物語の核心部分は微妙で、優作が聡子に偽のフィルムを持たせたり、彼女の渡航を密告したりしたのは、どう判断すればいいのか、戸惑う。もちろん、ポジティブな見方とネガティブな見方と両方の可能性があると思うが、どちらか一方に断定できるほど確信が持てず判断に迷う。
ちなみに、蒼井優の演技は素晴らしかった。 涼しく澄ました顔と、実際は内面は苦しく戦っており、涼しい顔とは対照的な激しく泣き崩れる場面などとても素晴らしいものがあった。
ところで、スパイの妻の物語として原節子が演じた黒澤明監督の『わが青春に悔なし』がある。この作品では、 原節子は夫の墓参りがしたいという糸川検事に最初は「おやめなさい」と諭すように言ったあとで「私は嫌!」と厳しい表情で断る。あるいは、村人たちから嫌がらせで田畑を荒らされたとき村人たちの高笑いする声が幻聴のように聴こえる中で彼女は目を剥いて病身に鞭打って負けるものかと立ち上がったりする。その形相は小津安二郎の描く原節子では絶対に見られない表情だ。美貌の女優・原節子の他では決して見られない演技だった。そこには力強い個人の意志があるのが分かる。相手が国家権力であろうと周囲の人間全員であろうと自分が正しいのなら決して信念を曲げないという力強い意志があった。スパイの妻には、個人の力強い意志がある。全体主義の世界でそれに抗う個人の意志。全体主義の抑圧する恐怖の力とそれに抗う個人の自由意志。その大変さがスパイの妻では描かれている。
個人vs全体主義国家という構図の戦いにおいて、個人が負けまいと必死に戦う姿は、現代の習近平、プーチン、トランプなどの独裁者の時代、全体主義の時代に必見な作品だと思う。
2025年3月7日金曜日
ニューオーリンズ・トライアル
『ニューオーリンズ・トライアル』(2003年)
Netflixで『ニューオーリンズ・トライアル』を観た。
元々は2003年の上映でもう随分前の映画だ。いわゆる法廷もの。 法廷で争われる争点は銃乱射事件における銃の製造会社の責任についてだ。いわゆる米国社会の銃規制問題がテーマだ。ただし、物語は、銃器メーカーに雇われた陪審コンサルタントであるフィッチと陪審員に潜り込んで陪審員をうまくコントロールしていくイースターの陪審員を巡る駆け引きが描かれている。要は「陪審員を売ります」と取引をもちかけるイースターと自分たちの力で陪審員を取り込んでいけるとするフィッチの争いだ。そして、最後にイースターの動機が明らかになって物語は結末を迎える。
米国の銃問題は今も続いている。銃を規制したい人たちと銃を所有したい人たちの争いが今も続いている。なぜ米国人は銃を所有したいのかは、かつて日本の侍が刀を武士の魂と言ったのと似ている。武器を所有することで自由を侵害する敵に武力で立ち向かえるようにするという米国憲法修正第2条もそれを後押ししている。だから米国人にとって銃は米国人の魂なんだろう。しかし、その銃の所為で銃乱射事件などあまりにも多くの人が命を落としている。代償があまりにも大き過ぎると私には思える。
この映画は米国の銃規制問題を考える上で欠かせない作品だと思う。米国の銃問題が解決しない限り、思い出したように何度も観たい映画だ。
2025年3月5日水曜日
新幹線大爆破
Netflixで『新幹線大爆破』を観た。最初は全部見るつもりはなくて何気に見始めたのだが、見始めると面白くなって最後まで見てしまった。後で知ったのだが、キアヌ・リーブス主演の映画『スピード』(1994年)の設定のモチーフにもなったらしい。
高倉健が主演で、倒産した零細工場の元社長で主犯を演じている。共犯には過激派くずれの男、沖縄出身の青年があてられていた。また、新幹線の運転士を千葉真一、運転指令長を宇津井健が演じていた。
緊迫する運転指令長を宇津井健がなかなか良い味を出していた。高倉健が演じる犯人が金を奪った後、妙に垢抜けた感じに変わっていたのは不思議だった。金を奪うまでは倒産した町工場の社長でつなぎの作業服なんか着ていたのが、金を奪った後はゴルゴ13風のちょっとだけ小洒落た雰囲気に変わっていた。でも、最後の場面などは、当時高倉健は人気があったんだろうなというのが分かった気がした。
ともかく、新幹線は近代日本の象徴のひとつなんだろうなあ。
2025年2月28日金曜日
NEWS2025.02
2月3日(月)
イスラエルや米国の黒い思惑通りで腹が立つが、とはいえ、パレスチナ人の生命のことを考えると、現実的には日本受け入れは善い行いではないかと思う。ただ、どのくらいの人数を受け入れるかが考慮されねばならない。 私自身はできるだけ多く受け入れたらいいと思うが、移民や難民を嫌う保守派がどう出るか。
移民問題で揺れるドイツ。それでもこういったデモに多くの人々が立ち上がるのはドイツはまだまだ良識派が健在だと思える。
2月4日(火)
90年代に創造的破壊を打ち出していた中村邦夫社長を思い出す。時代の移り変わりに抵抗するのは難しい。この変化を乗り越えて生き残れればまた新たな繁栄を迎えることができるのかもしれない。できなければ消えて行くだけだ。
システム開発の難しさということだろうか。日本人は完璧主義すぎて「細部に神が宿る」的に細部にこだわる。そういう弊害があるんとちゃうかなあ。
ホンダとしては当然だと思う。日産の経営陣としては当初よりも経営陣にデメリットが多くて撤回せざるをえないのだろう。いっそ鴻海に身売りした方がいいんとちゃうかなあ。そうなると、シャープに続いて日産まで鴻海の傘下に入ることになる。日本企業の落日を感じる。
2月5日(水)
こうなることは少子化を考えれば30年前から予測できたこと。 経験だけが氷河期世代が得たものかもしれない。しかし、その経験はただ辛いだけの経験だったのか、自分を磨く良い経験だったのか。いずれにしても、インフレが進んだら氷河期世代はお金に困ることになる。
「邪悪になるな」が社是だったグーグル。残念だ。
2月6日(木)
スペイン、アイルランド、ノルウェーを指名しているらしい。傲慢なイスラエル。いずれイスラエルには天罰が下ると思う。
キャンセル料なあ。これどうなん?結果的には公選法違反したときと同じ効果を得たことになるんとちゃう?キャンセルしたから違反ではないというのはちょっとどうかと思う。
本当に残念だなあ。グーグルは本当にダメになってしまったなあ。
加藤勝信って、本当に恥知らずな人物だなあ。なのに、なぜ当選するんだろう? 一体誰が投票しているんだろう?不思議。
2月7日(金)
今から家宅捜索して証拠が出るものなのかよく分からない。いずれにしても、往生際が悪いというか、昔のひとなら諦めて、罪を認めたと思うのだが、今のひとは恥も外聞もなくなって、とことんしがみつく。ということは、当人の中にモラルが無いのだと思う。ただ、損得勘定だけがあって、公共の利益とか、当人の道徳や正義感は無いのだと思う。そういう人物を権力者に据えてはいけないはずなんだが、有権者がまたよく分からない感情で投票したりする。原始人的な何かだよなあ。
今週もトランプが滅茶苦茶なことをやった一週間だった。米国がどんどん全体主義になっている。自由の国アメリカだったはずが、どんどん自由が減っている。とても心配だ。おそらく、愚かなネトウヨたちがマイノリティにヘイトを仕掛ける事案が発生するだろう。マイノリティは警戒しなければならない。また、国外的には関税など米国優先を仕掛けてくる。これも世界各国は警戒しなければならない。そして、イスラエルと米国が手を組んで、ガザからパレスチナ人を一掃しようとしている。これについては、最早、欧州先進国もその他誰も止められないだろう。 本当に残念だが。しかし、人命が第一だ。日本としては、できるだけ多くのパレスチナ人を救うべきだと思う。このことは歴史に必ず残る。ナチスの悪行が歴史に残ったように、イスラエルの悪行もいずれ歴史が裁くだろう。日本はパレスチナ人を多く受け入れて、歴史から高く評価される道を選ぶべきだ。
それにしても、トランプはイスラエルやロシアに優しい施策をする。ディープステートとかいって陰謀論を標榜するトランプだが、実際にやっているのはイスラエルやロシアに加担するようなことばかりじゃないか。トランプこそイスラエルやロシアから個人的な利益を得ているんじゃないのか?トランプこそ米国を売り渡す悪党じゃないのか?
日本の衰退が目に見えて酷くなっている。もはやかつての繁栄を取り戻すことなど不可能だと多くの人たちに分かりつつある。少しでも日本を良くするためにできることは何かを考えなくてはいけない。 少子化は止められないのだから、移民を増やして労働人口を増やすべきだろう。移民を増やせば社会や企業は変わらなければならない。日本は質的な変化を迫れられている。しかし、変わらなければ、日本の衰退は一層増すばかりだ。だから変わることだ。以前から言っているように、日本はもっと知識やデータを残して、後世に技術や経験を継承してゆくことだと思う。細々とでもいいから、まずは残すこと。ヒトからヒトへ。たとえ過去の遺物とされるものでも、細々とでいいから、ヒトからヒトへ継承して残していくことだと思う。もう儲からないからとって過去の経験や技術をゼロになるまで捨ててしまわないこと。細々とでいいから残すことだ。そして、未来へ投資すること。もはや投資できる余力も僅かになりつつあるが、それでも未来のために、教育や技術開発に投資すべきだ。役に立たないからといって知識を捨て去ってはいけない。知は力なり。細々とでもいいから、知を残していくべきだ。
2月10日(月)
キャンセルしても同等の効果を選挙で得ているのだから、これが通用するなら、みんな真似するんじゃないかなあ。「落選したからいいじゃん」 と言い訳するかもしれないけど、落選したから許されるというのもどうかなあ。
GDP600兆円らしいから2倍超の債務かあ。しかし、GDPもいつの間に600兆円を超えたのかしら?とにかく感覚が麻痺しそう。しかし、アキレスと亀と同じで、いつかは亀はアキレスに追い抜かれるのだから、このまま債務が増えれば財政が破綻する日が来る。
2月13日(木)
トランプ政権の愚行とそれに対処する科学者たち
今週もトランプ政権の滅茶苦茶ぶりが発揮された一週間だった。結局、トランプは親イスラエル、親ロシアで、ガザからパレスチナ人を一掃するのを支援し、ウクライナ戦争でロシアが有利になるように手助けしている。また、米国内では政府職員から反トランプ派を一掃しようとしているし、政府機関も税金のムダ遣いを減らすという建前でどんどん閉鎖している。いや、多様性政策の所為にもしている。 要はトランプ支持者が性的マイノリティや非白人を嫌っているのでそのご機嫌取りのために彼らを排除する政策を施行している。さらに、やはり貧しいトランプ支持者のご機嫌を取るために公務員(政府職員)を減らそうとしている。貧しい考えの持ち主たちの溜飲を下げるために必要なはずの政府機関や政府職員を減らすという愚行をしている。対外的には関税をかけると脅して見返りに米国への投資を要求したり、領土拡張という噴飯ものの主張をしている。こんなことをしていたら、米国は弱体化するし、米国の知的水準が低下していく。日本の安倍政権も酷かったが、米国のトランプ政権も負けず劣らず酷いものだ。もしかすると、これは知識社会に移行するときに起きる現象かもしれない。中間層が目減りして、少数の富裕層と多数の貧困層に分裂したとき、貧困層の鬱積したネガティブ感情が国の政策を愚かな方向に導いてしまう、という現象かもしれない。そして、陰で得をするのは富裕層ということに気づかない貧困層の愚民たち。後戻りなどできないのに、かつて繁栄したあの頃に後戻りしたいという愚かさ。さて、米国が弱体化している隙に、どこか他にチャンスは無いだろうか?中国は習近平の独裁政治で鬱屈している。ロシアは戦争で疲弊している。欧州も知識社会化で苦しんでいる。どこかに新天地は開けないものだろうか?
2月19日(水)
使用許諾で問題があったらしい。
無茶苦茶なトランプ。親ロシアなトランプ。おそらく、トランプはロシアから賄賂をもらっているんだと思う。ロシアは国の政策としてトランプを買収しているのだと思う。「他国から買収される米国大統領」としてトランプは歴史に名を刻むのだろう。
2月20日(木)
フィクションと違ってドキュメンタリーの難しさ。許諾をとるなどバックの仕事は軽視されがちなのかもしれないが、とても大事だと知らされた。手間もコストもかかるわけだし。
これはけっこう凄いことじゃなかろうか。
2月21日(金)
Netflixの『ドント・ルック・アップ』を思い出す。
今週もトランプの無茶苦茶ぶりが発揮された一週間だった。繰り返すが、トランプは国外的には親イスラエル・親ロシアだ。おそらく、彼らから買収されているのだと思う。一方、国内的には反多様性だ。人種差別主義(白人至上主義)であり、女性差別・性的マイノリティ差別(男性優位主義)だ。 それらを支持しているのが米国のネトウヨたちだ。一方、イーロン・マスクは自分の利益になるように政府に介入している。建前はムダの削減を言いつつ、実際は自分やトランプに都合の悪い機関や人物を潰している。こんなあからさまな不正義が米国でいつまでもまかり通るだろうか?『1984』のような全体主義国家になるか、独裁者は暗殺されるかするんじゃなかろうか?そして、こんな不合理を続けていれば米国は弱体化するのではなかろうか?
欧州も保守とリベラルで揺れているが、焦点は移民政策だと思う。移民政策の難しさは国によって得をする人・損をする人があって対応が異なることだと思う。しかも短期と長期でも異なってくると思う。結局は人材育成にかかってくるんじゃないかと思う。グローバル化されたフラットな世界での競争。人材こそ重要になるのでは。そして、教育・育成が大事になる。
今の世界は多様性に戸惑っているのだと思う。保守派は多様性に対するバックラッシュだ。しかし、いずれ人々は多様性にも慣れてくるはずだ。多様性を自然と受け入れる時代がいずれはやってくる。今は多様性に慣れるための学習期間だ。
日本については、もう凋落するしかないと思う。日本人は変われない。個人が変わるしかない。しかし、個人が変わっても日本の組織では活かされない。個人は異人になるしかないが、ただし、単なる異人だけではダメで、異人が生きられるフィールドを選ばなければならない。
2月23日(日)
トランプは地球を破滅させる気かと怒りをおぼえる。
GoogleとMetaは撤回、AppleとMicrosoftは擁護。Googleの撤回は本当に残念に思う。
2月24日(月)
本当に残念な結果だ。AfDが躍進するなんてドイツまでもが極右化してしまうのか。
2月25日(火)
トランプは明確に親ロシアだなあ。呆れる。
2月27日(木)
もう95歳だったんだなあ。Netflixで『ニューオーリンズ・トライアル』の放送が始まったので再度見ようかと思う。米国の銃問題を取り上げた法廷映画でとても重要だと思う。
欧州の極右状況について知ることができて大変勉強になった。それにしても、イーロン・マスクの酷さに呆れる。
2月28日(金)
この時期にこういうことをするのは本当に愚かだと思う。
地球温暖化だから電気自動車を優遇して進めていたのに、イーロン・マスクが地球温暖化対策に反する政策をするトランプ政権に加担するのは自己矛盾している。そんなテスラの電気自動車など誰が買うというのか。
親ロシアのトランプだから当然こうなる。一方、ロシアと戦って戦死者を出しているウクライナとしてはトランプの発言は看過できない。 元々、この会談は穏便に進まないものだった。この結果は必然だ。トランプにしてみれば、これも取引のためのパフォーマンスだろう。それにしても、長い間かけて築いてきた米国の信用に傷がついた。トランプには大義も建前もない。単に米国の利益しかない。危険な国になった。
トランプの米国についての見解を知ることができて参考になった。また、日本の現状認識についての見解も知ることができて参考になった。知識社会化による中間層の目減りとその貧困化が諸問題の根底にあるのだと思う。
まとめ
今月もトランプの酷さが際立った一ヶ月だった。政府職員を次々と解雇する。多様性政策も破壊する。要は気候変動やLGBTQ+への反動だ。あるいはUSAIDも切る。それはバイデンの進めたウクライナ支援を切るし、海外援助も切ることを意味する。こんなことをしてもネトウヨの溜飲を下げるだけで米国の国益にはならない。 ゼレンスキーやマクロンがトランプにNoを突きつけたのは正しい。一方、GoogleやAmazonなどの大企業がトランプに擦り寄るのは情けないと思う。見せかけだけならまだ良いのだが。ともかく、ウクライナは米国の支援が無ければ、戦争をそう長くは継続できまい。ロシアも疲弊しているから勝利をもぎとる形で戦争を終わらせたいだろう。どちらも苦い結末になるかもしれない。そこで失われた兵士の生命は一体何だったのかと、皆、復讐を誓って悔し涙を流すだろう。一方、ガザも危険だ。大惨事にならなければいいが。日本がパレスチナ人を引き取ってやればいいのにと思う。さて、中国は当面は習近平の独裁が続くのだろう。経済成長しているときは良いが、国民の不満が高まれば独裁への不満を抑えられなくなるかもしれない。不満をかわすためには敵を必要とするかもしれない。しかし、当面は経済成長が鈍くなっても続くのではなかろうか。日本はそういった中国の息苦しさから逃れるための避暑地になるかもしれない。中国人の別荘として日本は有効かもしれない。アジアのもう一つの大国インドは今後どうなるかだが、中国と覇権を争えるほど成長してくれれば良いと思う。
日本はどうか。維新の議員は本来政治家になるべき人たちではないと思う。維新は犯罪者が多いように社会のはみ出し者が多い。実社会ではやっていけないから、賭け的に維新に入ったような人たちだと思う。それが橋下徹らの勢いで議員になってしまった。ところが、元々、政治家としての資質に欠けていたのですぐに馬脚をあらわしたというのが顛末だと思う。ひと昔前なら、維新の政治家は常識のない非常識な連中として、当選するはずが無かった。ところが、「なんかムチャなことを言ってて面白い」という感覚で有権者が維新に投票して当選してしまった。そのような感覚を培ったのは日本のお笑い番組の所為だと思う。なんでもお笑い的に考えてしまう、ふざけた性向がこのような悲喜劇を招いた。昔の日本人はもっと真面目だった。ところが、今の日本人はSNSでふざけたバカ笑いを良しとする軽薄なメンタリティが普通になってしまった。日本は資源の無い国で技術立国しかないはずだったが、その元になる人間がこのテイタラクになってしまった。日本は人間の質が低下した。そうなれば、日本は凋落するしかない。日本の凋落は当然の結果だ。
ちなみに社会主義が低迷を打開できるかというとそれは無理だと思う。官僚という特権階級を生むだけで経済が非効率になり今よりも経済的には貧しくなるだろう。かつてのソ連や中国を思い出せばいい。平等を目指した結果、国全体としてのGDPは下がり、平均は今よりも低くなると思う。一部特権階級を除いて、全員が、皆、今よりも貧しくなる。しかも個人の自由がかなり制限されて失われる。それならば、今の経済体制の方がまだ個人の努力が報われる可能性はあると思う。もっとも、それとても福祉があるからだ。過去に社会主義に対抗して福祉が充実した経過があるからだ。しかし、貧困から抜け出せないほど格差が広がれば、人々の不満は抑えられなくなる。そのときは新たな革命思想や革命宗教が登場するかもしれない。
ともかく、今の日本人は自分で自分を磨くしかない。仲間を作れれば作ればいい。知識社会では政策で国全体を底上げしようとしても無理がある。あとは個々人が努力するしかない。