2025年3月22日土曜日

春画先生

『春画先生』(2023年)
 
Netflixで鑑賞した。
 
 春画の研究者・芳賀一郎と彼に恋する弟子・春野弓子の物語。
 
春画の蘊蓄を紐解くような作品かと思っていたら、後半は春野弓子の性愛遍歴の話になり、ついには芳賀一郎を射止めるというハッピーエンドを迎えるのだった。
 
春野弓子の性愛遍歴の相手を務めるのが、出版社勤務の辻村。この辻村が好色で、なおかつ、バイセクシャルの人物。春野弓子は芳賀を恋い焦がれていて辻村を嫌っているのだが、なぜか辻村とセックスしてしまう。 終いには辻村とホテルマンと弓子で3Pになってアナルセックスまで体験してしまう。いろいろあって、最後は、亡き妻の双子の姉・一葉を交えて、芳賀とSM的なセックスになって、ようやく芳賀と結ばれる。
 
ちなみに女性の性愛遍歴を描いた映画に1960年代の作品で『女性上位時代』や『キャンディ』があったと思う。こちらもなかなか面白かった記憶がある。そういえば、『O嬢の物語』なんてのもあったなあ。こちらはSMもの。他にも男性の性愛遍歴ものに香港映画『Due West』ってのもあった。
 
さて、本作は春画がベースにあるので、日本風な性愛が描かれているところが性愛遍歴ものとしては珍しいのかもしれない。和装とか鰹節を削ったりだとか久しぶりに日本文化に触れられて新鮮だった。
 
ただ、もう少し春画や浮世絵のアカデミックな蘊蓄が聞けるかと思っていたのだが、実際は春画愛好家は好き者って話に感じた。
 
日本の妖しく淫靡な官能性って、谷崎潤一郎や団鬼六なんかもそうなんだろうなあ。和服や夜会服なんかを着て、立ち居振る舞いがそれに伴わないとなかなか出ない味わいなのかもしれない。骨董の世界に独自の価値基準があるように、日本の官能にも独自の価値基準があるのかもしれない。