2025年9月28日日曜日

今月読んだ本2025.09

 
革命と戦争のクラシック音楽史』(片山杜秀)
 ベートーヴェンをクライマックスに置いたクラシック音楽史。また、フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』の解説がとても勉強になった。
 
 
ナポレオン』(杉本淑彦)
ナポレオンの生涯を扱った新書。副題の「最後の専制君主、最初の近代政治家」が鍵概念だろう。ただ、ナポレオンの人となりについては、今ひとつだったかもしれない。それは史実を重視するために、あえて人となりを描かなかったのかもしれない。人となりを知るために、まとまったナポレオンの伝記を読んでみたくなった。


ハーレクイン・ロマンス』(尾崎俊介)
ハーレクイン・ロマンスなるものを書店で時々目にすることがあったが、中身は全然知らなかったので、何気なく知りたくなったので本書を読んでみた。ハーレクイン・ロマンスの歴史や界隈の構造が分かって勉強になった。面白かったのは、ハーレクイン・ロマンスを読む女性読者の気持ちが分かったのが良かった。また、作家の創作ルーチンも面白かった。それと人工知能を使ってハーレクイン・ロマンスを書こうと思えば書けるが、人工知能だと作家と読者の交流が生まれないので、結局、人間が書かないと売れないという話も面白かった。


ファニー・ヒル』(ジョン・クリーランド)
18世紀英国の性愛小説とのこと。両親を亡くした娘フランセス・ヒルが仕事を求めてロンドンに出てきて、ひょんなことから娼婦になって、様々な性体験を経て、幸せな家庭を築くという物語。 とにかく、ポジティブシンキング、セックスポジティブで暗さを感じさせない物語だった。最後に悪徳よりは美徳が優れているのだと自説を主張して終わる。しかも節制も説いたりする。とにかく、主人公のアッケラカンとした明るさがあって、楽しい読書体験だった。