2020年8月31日月曜日

NEWS2020.08


8月3日(月)
「法外の正義」どころか日本はまず「正義のイロハ」からやり直せ
菅原一秀前経産相の起訴猶予事件で、告発者の告発状に対して東京地検は不備を理由に返戻したらしい。どうも検察はこの件を起訴猶予処分とした上で、さらに告発者が検察審査会へ不服申立をできないようにしようと画策したらしい。しかし、郷原弁護士が検察審査会法をよく吟味して検察審査会へ申し立てをした結果、受理されたとのこと。どうも検察の姑息さが浮かび上がる。それにしても、常識的に考えて、この事件が起訴猶予になること自体がおかしな話で、菅原氏はきっちりと罰を受けてほしいものだ。

8月5日(水)
解雇や雇い止め、製造業が最多7千人に 宿泊業を抜く
日本の衰退が進行している。他人事ではない。

香港、民主活動家の周庭氏に有罪判決 昨年の反政府デモ
なんとか彼女を救うことはできないものだろうか?本当に残念でならない。

8月7日(金)
朝鮮人追悼式 小池都知事、今年も追悼文を出さない意向
歴史上、デマによって多くの人たちが殺されてきた。例えばロシアのユダヤ人や米国の黒人などデマによって多数の人たちが殺された。様々な時代に様々な国でデマによる虐殺が起こっている。これは人間の悪癖だ。同じ過ちを繰り返さないためにも、残酷な悲劇を忘れないように追悼文を出し続けるべきだと思う。

8月11日(火)
周庭氏を逮捕 民主活動家、「雨傘運動」学生リーダー 国安法違反容疑で香港警察
ついに逮捕されてしまった。非常に残念でならない。国家権力の恐ろしさをまざまざと見せられた。なにもできなかった自分の無力さが情けない。

世界が欧米などの自由主義国と中国やロシアなどの全体主義国に分裂するとき、『1984』のような世界が到来してしまうのだろう。中国の場合、『1984』よりももっと酷い全体主義国になるのだろうと思う。そして、日本もその巨大な波に飲み込まれてしまう可能性が高い。中国の安全保障政策で考えれば、太平洋を2つに分けることで、中国と米国で世界を分割統治しようという考えだと思う。そのとき、日本は米国から分離して、中国の傘下に収められることになる。「米国の核の傘から中国の核の傘へ」と強制的に乗り換えさせられる。中国にとって日本の経済的価値は無くとも、上記のような構想による安全保障上での価値はあるわけだ。日本は多額の国家債務を抱えている。中国がそれを肩代わりすることで日本の実質的な支配権を得ることも可能だと思う。中国による日本の経済的な支配から始まり、ひいてはあらゆる面での支配へと繋げてゆくだろう。そうなれば、日本もチベットやウイグルや香港のようになる。台湾は今は頑張っているが、いつまで保つか分からない。あまりに力の差がありすぎる。中国の支配下におかれれば、言論の自由どころか人権すら危ぶまれる。中国の国家権力の思いのままになる。しかし、日本の力を考えれば、もはやそれを跳ね返すだけの力はあるまい。選択肢は2つで、中国に寄り添って虎の威を借る狐のように中国の手先となって日本を支配する側にまわるか、日本を捨てて自由主義圏へ移住するかしかなくなると思う。大半の日本人は保守派であるから、中国に寄り添う方を選ぶだろう。保守派は自由を捨てても安定を望む傾向が強いからだ。自由を何よりも重視する少数派であるリベラル派は移住するしかない。(おそらく、中国は日本を支配する過程で天皇制を利用すると思う。日本自身が歴史を検証して天皇制を廃止しておけば良かったのだが、残念ながらそれができなかった。そこに日本人の脆弱さがある。終戦時に米国がやったように、中国は日本を支配するために天皇制を利用して日本を支配しやすくなるように天皇制を利用すると思う。日本も満州を建国するときに溥儀を利用したが、今度は日本がやられる番になる。)

8月12日(水)
保釈の周庭氏、欅坂46「不協和音」脳裏に 「これからどんどんつらくなるかも」
とりあえず、釈放されて良かった。しかし、今後が心配。

米副大統領候補にハリス氏 民主バイデン氏が起用
ハリスと聞くと富豪の家系かと思ってしまったが、どうも違うようだ。

「ジャマイカとインドにルーツを持つ移民2世のカマラ・ハリス上院議員が民主党・副大統領候補に」ハリス氏の足跡を神保哲生さんに聞く▼2020年8月12日放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」)
ハリス女史については神保さんの解説が参考になった。

8月13日(木)
日本が国安法の対象になりつつある香港民主派逮捕と保釈
遠藤誉さんが健在で良かった。日本の知恵袋がみんな高齢化してしまって、残された世代の人たちはどう舵取りして良いか分からなくなる未来が待っている・・・。

8月16日(日)
この戦争観はアメリカに押しつけられたものだったのか、日本人が自ら選んだものだったのか

原爆の話はとても参考になった。私のツイッターでも言及したが、トルーマンやバーンズは原子爆弾を正しく理解していなかったんじゃないかと思う。彼らは1880年代生まれで、まだまだ原子物理学に対する理解ができていなかったと思う。最先端科学過ぎて彼らには理解できなかったと思う。あとから報告を見て原爆の残虐さ・残酷さを知って、自分たちが原爆の投下を促したことを誇れなくなったんじゃないかと思う。まあ、それでも最終的な決断をしたのはトルーマンだからトルーマンに責任がある。当時の軍人たち、アイゼンハワーもカーティス・ルメイも原爆投下の必要はないと主張してたと思う。オッペンハイマー個人も反対だったと思うが、ロスアラモスで原爆を作った科学者たちで投票して投下に賛成が多数だったとは思う。興味深いのが高額の開発費用を伴い、開発可能か不可能かも分からない原爆開発のGOサインをルーズベルト個人が大統領権限で承認していることで、第二次大戦だけでなく今後のすべての戦争のあり方を変える核兵器開発を意識していた感じがすることだ。これによって人類の歴史は大きく変わった。もし、米国が開発していなければナチスも失敗していたことだし、ソ連も米国の開発成功という先行事例がなければ巨額の開発予算もつけなかっただろうし、人類は核兵器を持たなかったかもしれない。経済学者のケインズはルーズベルトと会談したあとで「大統領はもっと賢いと思っていたのだが。あ、数学的な意味で」と言っていたように、ルーズベルト自身はそんなに科学に強かったわけではない。歴史と海軍に詳しかったくらいで、元々、法学出身だったはずだし。ただ、SF作家のウェルズと少しだけ親交があったくらいで。でも、彼のサンキー権利章典が後にルーズベルト夫人が国連で通した世界人権宣言につながっている。そして、それは内容的には日本国憲法にも通じている。ともかく、FDRは世界の歴史を大きく変えた。日本人はFDRを悪く言う人が多いが、それは視野が狭すぎると言わざるを得ない。ちなみに日本が真珠湾攻撃をしなかったら、ルーズベルトは参戦できなかった。米国内は参戦に反対だったから。ルーズベルトは欧州でのナチスの台頭に心を痛めていたが、米国民はそんなことには無関心だった。日本が真珠湾攻撃をしたおかげで、ナチスは米国に宣戦布告して米国も参戦することになった。ただ、ヒトラーは真珠湾攻撃があっても米国に宣戦布告しないという選択肢もあったが、なぜかヒトラーは米国に対して宣戦布告してしまった。これは歴史の謎だとキッシンジャーが指摘している。そんなわけでナチスを倒すのに日本は間抜けな一役を買っている。太平洋戦争などせずに泥沼の日中戦争から撤退していれば満州だけでも残ったかもしれない。日本は本当に走り出したら止まらない。暴走に暴走を重ねる。そして、今もその性分は変わっていないと思われる。

残念だったのは、天皇制を残してしまったこと。第一次世界大戦にならえば、ドイツのウィルヘルム二世が王位を追われたように、天皇も王位を追われてしかるべきだった。ウッドロー・ウィルソンは偉かった。トルーマンは反共・反ソではあったが、それ以外は理念はなかった。実に残念な話だ。FDRが生きていれば、これも違っていたはずだ。惜しい。

8月17日(月)
4~6月期GDP、年27.8%減 コロナ直撃で戦後最悪―景気回復緩慢の恐れ
リーマンショックよりも大きな落ち込みとのこと。深刻だ。実は他人事ではなくて、私の働いている業界にも影響が出てくる可能性がある。皆、生き残りをかけて競争するから、あと数カ月後に影響が出てくるかもしれない。

安倍首相、健康不安説が再燃 病院で検査、政局影響も
やっぱり、あれかな、時間的なタイミングで考えると、この時期のストレスは河井克行・案里夫妻の公職選挙法違反で逮捕された件で、自分にまで罪が及ぶのを恐れてのストレスが原因だろうか?黒川弘務を検察トップに擁立するのに失敗したから余計に不安だろうし、菅原一秀の件も検察審査会が不服申立てを受理しちゃったし、逃げられんかもと不安に思ったのかもしれない。

8月18日(火)
韓国、世界シェア首位品目で日本に並ぶ
余談だが、パジェロが生産終了するらしい。また、東芝がダイナブックの全保有株をシャープに売却したらしい。そして、パナソニックも半導体事業の大半を売却する。もうね、日本の落日に目を覆いたくなる。しかし、私の周囲ではそんなことなど露知らず「日本凄い!」のままでいる能天気さ。TVの罪深さよ。それにしても日本はどうなってしまうんだろう・・・。

全裸の女性を男性ブロックで晒し者にした東京入管。収容施設に蔓延する非人道的行為を告発する
以前からのりこえネットの情報では、入管が酷い人権侵害をしているということは言われていたのだが・・・。

8月19日(水)
「フォートナイトの乱」はApp StoreとGoogle Playストアに大変革をもたらすのか?
ゲーム業界には疎いのでよく分からないのだが、何かが起こっているらしい。

国民民主、立憲との合流決定 分党は代表、幹事長一任
うん、まあ、しょうがないけど。打算だからね。今後も分裂と合流を繰り返すのだろうと思う。議員一人ひとりの支持層の背景があるから。そして、保守とリベラルが混沌としているから。リベラルとして洗練されていけばいいのだけど、それにはまだまだ時間がかかると思う。何よりリベラルを支える有権者が育っていない。結局、有権者自身が既得権益の損得勘定で動いているに過ぎないから。まあ、衰退してゆく国の国民とはこういうもの。自業自得。とはいえ、とりあえず自民党政権を打倒して政権交代せねば。

8月20日(木)
マリ陸軍大佐、自らを軍事政権トップと発表 国際社会はクーデター非難
アフリカのマリ共和国というところでクーデターが起こったらしい。事情がよく分からない。

ベラルーシ大統領選、不正を暴露 地元メディア、証言や録音
ベラルーシで何が起こっているのか。

ロシア野党指導者ナワリヌイ氏、意識不明で集中治療室に搬送 紅茶に毒か
ロシアは暗殺によく毒を使うからなあ。

8月21日(金)
トランプ氏元側近バノン氏を逮捕・起訴 壁建設の資金詐取か
メキシコとの国境に壁を築くためのお金が集まるところが米国らしい。

8月28日(金)
安倍首相 正式に辞意表明「負託に自信を持って応えられない」
安倍首相が辞任を正式に表明した。これまでの安倍政権の振り返りはまた別途行うとして、辞任の理由について考えたい。辞任の理由は病気とのことだが、本当の理由はもっと別にあると思う。支持率の低下を上げる人もいるかもしれない。しかし、支持率が下がると株価をつり上げて支持率を回復するというのがこれまで何度もなされてきた。なので、支持率が低下したことをそんなに気にしているとは私には思えない。日本人が忘れやすいことやその時々の空気でコロコロ支持率が変わることを安倍政権は心得ていると思うからだ。支持率なんて表面上はともかく本音ではそんなに気にしていないのではないかと思う。では、一体何が安倍首相を辞任に追いやったのか?私は検察ではないかと思っている。黒川検事定年延長問題で見られたような検察との権力闘争に安倍政権が破れて、辞任と引き換えにこれまでの犯罪を不問に伏すというのを検察と政権との間でやり取りして為されたのではないかと思っている。だから、もし「辞任は民意を反映した」などと考えているのであれば、それはリベラル派の勝手な解釈ではないかと思う。

さて、安倍政権の振り返りをするときに大事な点がある。それは財政問題だ。安倍政権が黒田総裁を日銀に据えてからムチャクチャをやってきた。そのため、日本の財政は深刻を極めている。そのツケを後の政権や世代が払わねばならない。責任が安倍政権にあることを明確にしておかないと、あたかも後の政権が悪いとなってしまいかねない。そうではない。元凶は安倍政権時代にあるのだということをハッキリと検証しておかなければならない。ここは本当に注意しておかないといけない。また、アベノミクスを検証することと財政問題を検証することをゴチャゴチャにしてしまう可能性が高い。たしかに複雑に絡まり合ってはいるのだが、上手に腑分けしないと財政問題を隠蔽してしまいかねない。ハッキリ言って安倍政権の政治家と官僚は財政問題で万死に値する行いをやってきた。だから、皆、口を揃えて責任逃れをするだろう。責任逃れは絶対に許してはいけない。


まとめ
8月は暑さのためにニュースを十分にチェックできなかった。なので、おそらく見落としがあると思う。

8月を振り返ると海外の様々なニュースがあった。香港の周庭さんの逮捕から釈放のニュースや民主党副大統領候補にカマラ・ハリス女史を選んだニュースなどが大きかった。他にもベラルーシの件やマリの件、反プーチン候補暗殺未遂のニュースがあった。国内に目を向けると、コロナの影響で日本経済の没落がさらに進んだようなニュースが目についた。また、日本の人権軽視の施策がところどころ目についた。だが、何よりも月末近くに起こった安倍総理辞任のニュースが一番大きかった。安倍政権の検証はこれからじっくりしなければならないが、とりあえず一つの時代が終わった。ただし、自民党政権がこれからも続くので気が抜けない。