『ごまかさないクラシック音楽』(岡田暁生・片山杜秀)
先月読んだ片山杜秀さんの本が面白かったので、引き続き片山さんの本を読むことにした。それで今回は岡田暁生さんとの対談本を選んだ。クラシック音楽の歴史であると同時に世界の歴史に関する対談だった。歴史好きの私としては大変面白かった。もしかしたら、今年読んだ本で一番面白い本になるかもしれない。ただし刊行自体は2023年5月と2年前の本だけど。
『レストランの誕生』(レベッカ・L・スパング)
レストランの起源の話。 これまで鹿島茂の『デパートの誕生』やフィリップ・ペローの『衣服のアルケオロジー』を読んで、デパートの起源や近代的な服装の起源を勉強したので、今度はレストランの起源について知りたくて本書を読んだ。著者が大変多くの本を読んでいるのが分かる。おかげでフランスの市民社会が形成される過程でレストランが次第に形作られるのが分かる。ただ、かなり局所的な歴史の話だったので、個人的には、もう少し食文化の通史的な知識が欲しいのでフランス料理の歴史の本などを今後は読んでみたい。
『妾と愛人のフェミニズム』(石島亜由美)
近代日本における妾と愛人の歴史を扱った話。 制度としての妾や庶子の話は大変勉強になった。ただし、著者はフェミニズムの視点からそれらを捉えている。私自身はセックスワーカーもポリアモリーも一夫多妻制も当事者たちが是とするなら良しとする考えなので、妾や愛人も当事者たちがそれで良いならかまわないのではないかと思っている。ただし、第三者である世間一般人が妾や愛人を差別するというのは問題だと思うし、正妻が妾を下位において人権を抑圧するのであればそれも問題だと思う。とにかく、著者の考えにはやや疑問を感じる部分があった。その疑問は、結局は、資本主義をどう考えるかに行き着くように思う。すべてをカネで考えるのは違うと思うが、かといって、すべてを愛で賄ってカネは排除するというのも理想的過ぎると思う。また、カネの力に対して、ヒトの力が介入するのも逆に言えば権力者の介入であってそれは悪しき社会主義ではないかと思う。自律的な資本主義経済の中でカネ勘定による意思決定の方がまだ個人の自由意志があるのではなかろうか。昨今では、不倫や浮気やセフレが市井にはあるが、それほど悪いものではない気もしている。当事者たちが是とするならそれもアリだし、当事者が否とするなら別れればいい。当事者次第という気がしている。
近代日本における妾と愛人の歴史を扱った話。 制度としての妾や庶子の話は大変勉強になった。ただし、著者はフェミニズムの視点からそれらを捉えている。私自身はセックスワーカーもポリアモリーも一夫多妻制も当事者たちが是とするなら良しとする考えなので、妾や愛人も当事者たちがそれで良いならかまわないのではないかと思っている。ただし、第三者である世間一般人が妾や愛人を差別するというのは問題だと思うし、正妻が妾を下位において人権を抑圧するのであればそれも問題だと思う。とにかく、著者の考えにはやや疑問を感じる部分があった。その疑問は、結局は、資本主義をどう考えるかに行き着くように思う。すべてをカネで考えるのは違うと思うが、かといって、すべてを愛で賄ってカネは排除するというのも理想的過ぎると思う。また、カネの力に対して、ヒトの力が介入するのも逆に言えば権力者の介入であってそれは悪しき社会主義ではないかと思う。自律的な資本主義経済の中でカネ勘定による意思決定の方がまだ個人の自由意志があるのではなかろうか。昨今では、不倫や浮気やセフレが市井にはあるが、それほど悪いものではない気もしている。当事者たちが是とするならそれもアリだし、当事者が否とするなら別れればいい。当事者次第という気がしている。