2020年5月30日土曜日

21世紀の生存戦略

私はかつて『日本の未来戦略』という小論を書いた。あれから10年が経過した。今回はその続きに近いものを提案しようと思う。それは個人レベルの生存戦略だ。『日本の未来戦略』では日本の生存戦略を提示した。今回は個人の生存戦略を提示したい。21世紀に個人が生き生きと生きていくための生存戦略だ。

1.専門知

第一に個人は得意分野、特技を究めることだ。つまり、その人その人の専門的な特技を養うことだ。技術者であってもいいし、職人であってもいい。その人が他の人よりも抜きん出ているものを磨き上げることだ。知識社会的な言い方でいえば、専門知を磨くことだ。逆な見方をすれば人間の能力には限界があるから、すべての事柄、知全体に精通した全知全能にはなれない。知全体の大きさは人間の能力を遥かに超えるものだ。いずれかの部分的な知に特化してその部分知を究めることだ。それが専門知だ。


2.全体知

次に必要なのは全体知だ。先程の「人間の能力には限界があり、全知全能にはなれない」という言葉とは矛盾するようだが、細々とした専門的な細部は知らなくていいので、おおまかな知の全体像を掴むことだ。これは昔風にいえば教養になる。あるいは、もっと限定していえば、人格形成に関わる教養ということになるかもしれない。ただし、私が考えているものはそれとは少し違う。私は人間の全体知は二段階あって、マトリックスとライブラリーというように捉えている。

マトリックスとはその人の人格を形成している主要な知を想定している。思想に近いといえるかもしれない。しかし、それは思想とは少し違う。思想というような首尾一貫したものではない。脳のメインメモリに格納されている知というものに近い。一方、ライブラリーは脳の補助記憶に格納されている知だ。普段はそんなに使われないが知識としては知っていて、ノートなど外部記憶を見れば思い出して使えるような知だ。これは様々なジャンルの本を読むことで積み足していける。(とはいえ、どこかで記憶の限界があるとは思うが。)

なぜ、マトリックスと思想を区別するのかというと、現実への対応の仕方が違うからだ。私は現実は人間の知を超えるものだと思っている。人間がいくら頑張っても人間の知が現実を囲い込んで、現実を人間があたかも全知全能の神であるかのように把握・掌握できるとは思っていないからだ。傲慢なインテリになるとまるで三国志の諸葛孔明のようにすべてを見通せるような気になるかもしれない。しかし、残念ながら、人間の知よりも現実の方が上回っている。現実と理論がズレるとき、間違っているのは現実ではなく理論だ。まして、知に思想や人格など首尾一貫性を持ち込むと現実に対応しずらくなる。もちろん、可変で可塑的なマトリックスだとしても限界はある。人間にとって現実は未知であったり不可知であったりするからだ。しかし、マトリックスは思想と比べれば、もっと柔軟に対応できると思う。マトリックスをできるだけ広げれば広げるほど厚みを増せば増すほど現実というボールをレシーブするときの足場が広く堅牢になると思う。とはいえ、それも同じ次元であればの話で、次元が異なればマトリックスもまったく役に立たないなんてことはよくある。だから、人間は現実に対して謙虚になった方が良い。所詮、人間は神にはなれない。

とはいえ、それでも私は、人間は「ホモ・ラーニング(学ぶ生きもの)」だと思うので、限られた時間と能力を最大限活用して、知を学び続けて、人間が捉えうる全体知たるマトリックスとライブラリーをより豊かなものにしつづけていくと思う。生きている限り・・・。

3.人間知(ヒューマン特性)

人間はただ単に学ぶだけでは生きられない。生活しなければ生きられない。だから、現実には生活しながら学ばなければならない。しかし、人間はコンピュータではない。電源を入れてデータをロードすれば学ぶ、なんて風にはできていない。学習に集中できるときもあれば、集中できないときもある。体調が良い日もあれば悪い日もある。人間はマシーンではない。さらに人間は合理的にはできていない。認知科学でいえば、エコンとヒューマンのような違いがある。人間は機械と比べると人間の特性がある。

私たちは人間でありながら、限られた資源と時間の中で効率良く学ばねばならない。そのためには人間の特性をよく知らねばならない。しかも、人間の特性といってもかなりの個人差がある。他人に最適な方法が自分にも通用するとは限らない。結局のところ、「汝自身を知れ」ということに行き着く。自分自身をよく知って、自分に合ったやり方を見い出さねばならない。そして、生活に合わせたり、あるいは生活を最適化したりしながら、試行錯誤を重ねて自分に合った学びの方法を発見し実践していかねばならない。(巷でいうライフハックに似ている。)

4.まとめ

21世紀の生存戦略は3つだ。1つめは専門知を身につけること、2つめは全体知(マトリックスとライブラリー)を積み重ねること、3つめは人間知(ヒューマン特性)を把握することで自分の能力を最大限引き出して専門知と全体知を学習してゆくことだ。つまり、人間である自分自身を知ることだ。この三位一体が21世紀を生きる個人の生存戦略の主要な柱となる。


2020年5月23日土曜日

21世紀は格差社会の時代

1.21世紀は格差社会の時代

21世紀は格差社会の時代になると思う。なぜそう思うかの理由は単純で、経済学者トマ・ピケティが『21世紀の資本』で言っている通りだと思うからだ。経済は通常ならば格差が生じて当たり前で、戦争後の僅か数十年がr<gとなる特別な期間であって、通常はr>gとなるからだ。

そして、そこで問題になるのもピケティが指摘している通りで、世襲資本主義であり、タックスヘイブンで課税逃れが起こることだ。それに対する処方箋もピケティが指摘している通りで国際的な包囲網を構築するしかない。しかし、これが困難なこともピケティが指摘している通りだ。しかし、困難であっても国連のような国際機関を創設してなんとか包囲するしかないと私は思う。しかし、そんなものが構築されるには長い時間を要してしまい、構築される頃にはどうしようもない格差で手も足も出ないかもしれない。


2.日本の不公正を是正する

市場経済自体は大きくは間違っていないと思う。問題は不公正な市場である場合が問題だ。日本に話を限定すると、日本の場合は規制が市場を不公正なものにしている。よく言われるように、規制によって新規参入を阻み、既得権益層だけで利益を享受していることが日本では往々にしてよくある。特に中小企業などで不合理な経営をしているのに、なぜか経営が成り立っているなんてことがよくある。それは規制によって新規参入を阻むことで、経営者が高い利益を貪っているからだ。同じ業界での他国の状況を比べてみると分かる。他国では大企業化していて合理化されていて、品質もコストも労働条件も良いというすべてにおいて良好な業界が、日本ではまったく逆で品質もコストも労働条件も悪いのに経営者だけが利益を上げているなんてケースがある。合理的な意味での経営努力なんてものはなく、旧態依然の業態でありながら、新規参入をさせないことで、消費者は仕方なくその商品を買わざるをえない状況を作り、利益を生み出している。そして、デービッド・アトキンソンさんが言っているように日本は中小企業の割合が大きすぎる。そういった中小企業が不合理・非効率でも成り立つのは規制で守られているからだ。21世紀にもなって日本は何をやっているんだかと思う。

日本はそういう不公正な市場を正さねば、世襲資本主義が蔓延ってしまう。正当な競争の結果、格差が生じるなら諦めもつくが、はなから不公正な競争によって生じた格差ならば到底許すことはできない。日本の格差を是正するのはまず不公正な業界を正していくことから始まると思う。不公正を正していけば、結果的に日本の企業は二極化すると思う。極端な言い方をすれば、中小企業を解体されて、大企業に収斂するか、職人やエンジニアなどの専門性を持ったフリーランスになるかの2つになると思う。大企業は効率性が求められるので細かいことには限界がある。一方、フリーランスは細かい対応は可能だが量的な限界がある。互いが補い合う関係になると思う。

少し見方を変えれば、日本は災害大国でもあるので、分散型社会が適していると思う。工業社会の頃は中央集権で幹線で結ぶことで効率を良くすることができたかもしれない。しかし、これからは分権・分散することで効率や便利さが多少犠牲になるかもしれないが、それぞれが独立してやっていくことになると思う。それは経済だけでなく、政治も社会もそうなると思う。いや、そうなって欲しいと思う。

3.まとめ

市場経済自体は悪いものではないと思う。そして、原理的に格差が生じてしまうのも仕方がないといえば仕方がない。それは国際的な包囲網で是正するしかない。日本に限定すれば、市場に不正を持ち込むことで不当に利益を上げることだ。日本の解決策は市場を公正にすることだ。

20世紀はブルジョアとプロレタリアートの戦いと形容されがちだが、21世紀は特権階級と市民との戦いといえると思う。2つは似ているようで違う。20世紀は社会主義の実験が行われて多くの失敗を経験した。21世紀は市場経済を否定するのではない。しかし、市場経済は完璧ではないから修正はこれからも必要だ。市場経済そのものを否定するものではない。21世紀はグローバルに展開した市場経済を公正にすることだ。世界の富裕層がタックスヘイブンなどの抜け道を使って納税から逃れて不正に資産を貯め込んだり、日本の特権階級のように規制によって不公正な市場を作り出して不当に利益を貪ったりすることを正すことだ。21世紀の課題はグローバルな市場経済システムを公正なものにすることだ。


2020年5月17日日曜日

21世紀はセックス革命の時代

1.21世紀はセックス革命の時代

21世紀はセックス革命の時代だと思う。

世界では1990年代からIT革命が始まったし、日本では1995年のWindows95からインターネットが普及しはじめてIT革命が始まったと思う。コンピュータ技術の進歩はこれからも続くと思う。

一方、1991年にソ連崩壊で冷戦構造が終焉を迎えて、2000年に中国がWTOに加盟して世界は本格的にグローバルな市場経済に突入していったと思う。そして中国が米国をも凌ぐ超大国になりうるまでに成長した。しかし、世界の人々の暮らしは全体的には豊かにはなったものの、ピケティが指摘するように長いスパンで見ればこれまでの経済に見られたように格差社会になりつつある。

このように人類の文明社会は技術革新によって目まぐるしく変わりながら、前進(?)しつづけている。

20世紀後半は資本主義vs共産主義の経済革命の時代だった。21世紀は何かというとセックス革命の時代だと思う。それはいわば、保守vsリベラルの構図だと思う。極端に言ってしまえば、性的マイノリティを容認するか拒絶するかの違いだ。多様か、一様かの違いでもある。

ところで、日本人は戦後の高度成長期からこれまでは一様だった。一億総中流だった。皆、日本人は同じだという無意識があった。家族のような無意識だ。テレビがそれを後押しした。同じテレビ番組について話す。そして、みんな、似たように感じるといった具合に。しかし、これからは違うと思う。テレビを見ない人たちが増えている。何を考えているか分からない。いや、それでいいんだ。何を考えているか分からない人たちともそれなりに助け合ったり、あるいは干渉せずに共存してゆくのが社会だ。しかし、「日本人はみな同じだ」という古い意識の日本人とそうではない多様な考えの日本人との間で軋轢が生じるようになると思う。先程、話した保守vsリベラルの構図だ。これは日本に限らず、様々な国で見られる現象だと思う。特に問題なのは強固な保守主義の国だ。イスラム教や中国のような国だ。そのような国がどうやって保守とリベラルが折り合いをつけてゆくか、あるいはどちらかが優位に立つかは分からない。

一応、断っておくと、私はリベラルだ。多様な社会が良いと思っている。

とにかく、広い意味で倫理が問われる局面が増えてくると思う。そして、摩擦を引き起こす大きなものとしてセクシャリティの問題が突出するのではないかと思う。

2.子供から大人へ:秘められた性から目覚める性

私の好きな映画に『Vフォー・ヴェンデッタ』がある。その中で象徴的な場面がある。レズビアンの女の子が両親にガールフレンドを紹介するんだが、父親は怒って喚き散らし、母親は悲しみに泣きじゃくってしまい、ついに父親は女の子の赤ん坊の頃の写真をゴミ箱に投げ捨てるという酷いシーンがある。この両親にはレズビアンのことが理解できなかった。おそらく、レズビアンを含めたLGBTQを理解・許容できなかったのだと思う。

人間というのは子供から大人へ成長する過程で性に目覚めてゆく。子供の頃は性は種子のように秘められた状態だ。しかし、次第に大人に成長することで性が成熟して開花する。それはまるで種子から芽が出て花を咲かせるようなものだ。どのような花を咲かせるかは子供のときには分からない。成長して花開いて初めてその子がどのような花なのか分かる。親はマジョリティの花でも、子供はLGBTQなどのマイノリティの花を咲かせることは往々にしてある。いや、マジョリティの花だって実際は多種多様だ。私たちが思っている以上に人間の性は多様だ。ジャングルのように様々な花があるのだ。旧体制の社会がそれをある一定の型に押し込めていたにすぎない。

ちなみに未成年への性行為が禁じられるのは、未成熟な人間に性行為を行うことで傷つけることになるからだ。まだ心身ともに成長していないからだ。

さて、親は子供がどのような性を秘めているのかは分からない。しかし、子供の成長とともに性が次第に展開してゆくことで子供の性がどのような性状のものか、分かってくる。ところが、親は子供の性が自分たちと同じものだと考えがちだ。しかし、親子であろうと性状が異なることは大いにある。そのため、先の映画のような悲劇が生まれる。

仮に、あなたが親だとして、子供がLGBTQだったら、あなたは子供を応援できるだろうか?私は子供を愛する親ならば、子供がどのような性であろうとも応援するのが当然だと思う。しかし、(こういう言い方は適切ではないかもしれないが、)それは綺麗事では済まされない。性というのは奇態なものでもある。たとえば、身体において性器以外の部位は顕花植物のような美しさがあるが、性器は隠花植物のような奇態さがある。あるいは、たとえばアナルセックスがデフォルトだったりするのを親の立場から応援することができるだろうか。答えはイエスだと思う。応援すべきだと思う。(もちろん、それは当人の問題で親がとやかく口出しすることではないが。)ともかく、知識として知っておいた方が良いと思う。

ところで、以前、20歳女性と50歳男性の年の差カップルに対してロリコンじゃないかと言った知り合いがいた。私はそれは違うと言ったが、その場では面倒なので説明しなかった。成人の年齢になった人間に性的魅力を感じることは別にロリコンではない。20歳であろうと30歳であろうと関係ないし、年の差がどんなに離れていようと関係ない。まだ成長していない未成年に対して性的魅力を感じることがロリコンだと思う。ところで、人間の成長はなにも成人になったからと言って止まってしまうわけではなくて、経験を積むことで徐々にでも成長してゆくと思う。ただ、性的には成人になる頃に大人として成熟するということだと思う。


時間と文才がないのでとりとめもなく書いた。20世紀後半は世界は資本主義か社会主義かの戦いだった。21世紀はおもにセクシャリティにおける保守かリベラルかの戦いになると思う。それは国のなかにおける戦いだったり、国と国との戦いだったりする。とりあえず、今は日本ではインターネットは分断されずに世界と繋がっている。性の知識は拡散する。国によっては国外との繋がりを遮断するところも出てくるかもしれない。その場合、性の知識は広まりにくくなる。しかし、これほど性が革命的に変わった時代は人類史上無かったと思う。この流れは止めるべきではない。なぜなら人間の可能性が大いに広がったからだ。多様性は可能性を見せてくる。そして、これまでは抑圧されてきた人々が個人の幸福の追求を邪魔されることなく行えるのは喜ばしいことだからだ。21世紀が幸福な性革命の時代になることを願う。

ちなみに性的に放縦になることを薦めているのではない。私は個人的にはどちらかというと禁欲を薦めている。大人になると食欲のように性欲がある。性欲が生活に組み込まれる。セックスライフ。食生活があるようにセックスライフがある。セックスライフについてはまた改めて書きたい。とりあえず、ひとまず筆を置くことにする。







2020年4月30日木曜日

NEWS2020.04


3月29日
ポリエステルの服は、着ているだけで大量のマイクロプラスチックを放出している…
買い物袋有料化で環境意識が高まったのだが、そういえば衣料に使われている化学繊維はどうなんだろう?買い物袋がダメなら、これもけっこう基本的で大事な話だと思う。

4月3日
ABC予想証明、異例の長期検証 数学者も「理解不能」
「なんだかよく分からないがとにかくスゴイ」という感想(笑)。誰か一般人にも分かりやすく理解できる本を書いてくれないものかと期待している。

4月4日
C・W・ニコルさん死去、79歳。全国で森づくりの必要性を伝えてきた
CWニコルさん、亡くなりはったんやなあ。『美味しんぼ』で知って捕鯨問題で外国人でありながら、けっこう深い洞察をなさってはったように思っていた。でも、捕鯨問題で欧米はヒステリックになっているので今は何を言っても難しい的なことを言わはってて、そんなになってるんかとため息をついたことがあったなあ。とにかく、良心的な人やった。合掌。

4月7日
ジョンソン英首相が集中治療室入り、新型コロナの症状悪化
ロンドン市長時代に来日したときは、パフォーマンスとしてラグビーを一緒にしていたように思う。ボールを持ったときの動きがなかなかパワフルで体力がありそうな人だと思ったのだが、そんな人でも症状が悪くなるんだなあ。

「緊急事態宣言」を発令へ、安倍首相が表明。7都府県が対象。東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡(新型コロナ)
緊急時事態がなされた場合、具体的にはどうなるのか、いまひとつイメージが湧かない。とにかく、物流など基本的な生活は同じと考えたいものだが。

4月8日
サンダース氏が撤退表明、米民主党はバイデン氏の指名確実に 米大統領選
サンダースが大統領選から撤退した。大学の学費を無料にするなど社会主義的な政策を主張するなど米国では珍しい人物だった。他にもMMTで経済政策の財源に考えるなど私には突飛に思えた。私はエリザベス・ウォーレンが好ましいと思っていたのだが、サンダースの方が人気があったらしく、それだけ米国の若者の現状が厳しいのだろうと思う。もっともエリザベス・ウォーレンのIT企業分割論は私にはナンセンスだと思えて反対ではあったのだが。いずれにしてもバイデンというあまりパッとしない候補を民主党は選んだのだなあ。魅力としてはバックにオバマが控えているという点くらいで。もっともオバマが現役の大統領だったとき、リベラル派からはやり方が生ぬるいと批判して中庸すぎると言われていたわけだが、米国がこれだけ両極端に分裂している状況では中庸という態度は実は民主主義的には正しかったのではないかと今となっては分かるのではないだろうか。今回のコロナウィルス騒動で米国民も国民健康皆保険の重要性を認識して、右派ももっと中庸になってくれればいいのだが・・・。

民主的に選ばれた為政者は右派と左派の双方の意見をある程度バランス良く取り入れて施策に反映させなければならないと思う。まあ、全部が全部、そうというわけではないだろうけど、ある程度は全体のバランスを考えなければならないと思う。一方の主張だけを取り入れて他方の主張を完全に無視するのではそれは民主主義に反すると思う。実際、トランプなんかはそんな感じだろう。

ところで、そうなれば、リベラル派は常日頃から隣人をリベラルになるように啓蒙してゆくしかないと思う。ま、地道な作業ではあるが。隣人の多くが納得してくれるように啓蒙してゆくしかないんだろうと思う。

4月11日
クラスター対策の次は徹底した検査と隔離しかない・渋谷健司氏(英国キングス・カレッジ・ロンドン教授)×迫田朋子、神保哲生

ウィルスとつきあうしかない、流行の波の第2派第3派がある、自分もいずれ罹るなど、少し長い目線での話がとても良かった。ライフスタイルが少し変わるんだろうなあ。コンピュータウィルスだけではなく、本物のウィルスも常日頃から考えなくてはいけないのだろうなあ。

それと、中国でも再びコロナウィルスが再燃するだろうことは十分に考えられる。あれだけ人口が多いのだから、そりゃもう何度となく流行の波がやってくると思う。となると、日本は鎖国でもしない限り防げないだろうし、経済のことを考えると鎖国なんてすれば経済的な自殺行為に等しいし。早めにみんな罹った方が良いのかもしれない・・・。

4月18日
向こう数年間は周期的なロックダウンを繰り返すことになる可能性も
岩田健太郎氏のとても参考になる話。

4月25日
人類は新型コロナウイルスといかに共生すべきかを考える
山本太郎氏のとても参考になる話。

4月27日
日銀、追加の金融緩和策を決定 国債購入の制限を撤廃
国債購入の制限を撤廃するのは違うんじゃないか?むしろ、どさくさにまぎれて、という感じがする。

4月28日
緊急宣言、全国で延長を コロナ対策諮問委メンバー
延長となれば業界によってはけっこうジリ貧になりつつある・・・。おそらくクラスター潰しで済む程度まで縮小して日常を取り戻し、それでも感染拡大するようならその度にロックダウン(←ロックダウンもレベル1~3くらいあるかも)を繰り返し、ワクチン開発までそれを繰り返すというパターンだと思う。ただ、休業補償が期待できないなら自衛で自己責任で営業してゆくところがそれなりに出てくると思う。パチンコのような業界なら(良し悪しは別に)店名公表などの見せしめもあるかもしれないが、消費者の切実な需要もあるのでそうもいかない面もある。日本政府は国民の空気を恐れているので対応は恐る恐るの後手後手だ。こういう点は日本システムの弱点だなあ。極端なたとえ話だが、日本社会を無菌状態にした結果、その代償として文化は絶滅しました、なんてこともありうる。ずっとそうだけど、日本の意思決定って何だかなあ・・・。

4月29日
ゲイツ氏声明「人類はパンデミックに勝つ」 旭日大綬章
誰が選んだんだろう・・・。ん~、ま、いいけど・・・。

まとめ
今月はコロナ一色だった。4月7日に7都道府県で緊急事態宣言が出て、次いで4月16日に緊急事態宣言が全国に拡大された。実施機関は5月6日までだった。しかし、東京などの感染者数の推移を見ているとどうも終息には程遠く延長される公算が高くなった。ちなみに、私は神保哲生さんのビデオニュースを視聴しているのだが、テレビに比べると一歩先を行っていると思う。例えば、岩田健太郎氏がジョギングは感染のリスクがあると言っていたが、その後、数週間後に山中伸弥教授がマスクの着用を呼びかけていた。それをテレビが取り上げるようになったと思う。その他の情報もビデオニュースが一歩か半歩、先を行っていて、世間のメディアがその後を追いかけるという感じだった。ハラリが言っていたが、ジャーナリズムには十分にお金を払って見た方が良いというのを実感した。(無料のメディア情報には広告主のバイアスや洗脳が潜んでいるリスクがある。)まあ、独立系のジャーナリズムにも人的資金的限界があるだろうから、必ずしも常にテレビよりも上というわけではないと思うが。とはいえ、別の視点を持つという意味でも現代では独立系のジャーナリズムは少なくとも1つは視聴していた方が良いと思う。

それにしても、日本社会というのは本質で物事を考えず、周りの空気を読んで道理ではなく感情で意思決定をしているんだなとつくづく感じた。しかも同調圧力が強く、それぞれが違った選択をして各々が別々の動きをするということが許せない気風がある。そして、すぐ忘れる。怖い社会である。たぶん、何事も極端に表れるんだろうなあ。褒めるときは一斉に褒めるが、貶すときは一斉に攻撃する。一部の人は褒めるが一部の人は批判する、失敗したときは一部の人は批判するが、一部の人は擁護するという、それぞれの道理に従った行動がない。全部良しか、全部ダメ、かの極端になる。政治家が風見鶏になるもそういう国民性にフィットしようとするからとも言える。そういう風潮を変えてゆくには、これまた地道に道理を説いてゆくしかないのだろうなあ・・・。もちろん、道理が間違うこともある。問題は正しかろうが間違いがあろうが、そこに道理があるかどうかだ。道理がないのが一番困る。昔、石原莞爾が東条英機とは議論ができない、なぜなら東条には考えというものがないからだと言っていた。東条は空気を読んで組織を仕切ってトップにまでなったんだろうなあ。そういう意味では意思決定のプロセスをしっかり残すように公文書管理を拡大して緻密にしなくちゃいけないんだろうなあ。


2020年3月29日日曜日

NEWS2020.03


3月4日
韓国人受験生を全員不合格 加計学園獣医学部に「不正入試」疑惑

3月5日
中韓からの入国大幅制限 指定場所で2週間待機要請

3月6日
韓国、日本の入国規制で対抗策を検討へ

3月7日
WHO、日韓に苦言 「政治的争い」回避を

日本と韓国の一連の動きがよく分からない。本当にコロナウイルス対策による入国制限なのか、単なる安倍晋三支持層の嫌韓によるものなのか、いまひとつよく分からない。それに東京五輪のこともあるのでコロナウイルスを沈静化したいのか、国際平和に反旗を翻しているのか判然としない。それとたしかTVニュースでなにかの会議で安倍首相がマスクを重要な製品と考えて国内生産できるようにするとか言っていて驚いたのだが、そのニュースソースを探したが見当たらなかった。そもそもマスクなんて作っても人件費が安くないと儲からないし、儲かっても自動車や半導体に比べてたかがしれている。しかし、アジアにおいて日本経済の劣勢はハッキリしていて、ついに軽工業にまで日本は身をやつしたかと嘆きたい気分になった。ともかく、3月8日時点で判然としてない。しかし、もし嫌韓でこのような暴挙を為したのなら、日本はかなりヤバい国になっていると認識せざるをえない。以前、韓国に半導体で嫌がらせをしたが、そのときも日本国民は上から目線だったと思う。しかし、実際はサムスンは半導体でトップクラスであり、日本の半導体産業は後退につぐ後退を強いられている状況で、いわば負け犬の嫌がらせだった。今、GDPが韓国に抜かれつつあり、そのことを知らない日本国民は今回もまた上から目線で入国制限を喜んでいるのだろうか?しかし、実際はインバウンドの観光客が減って、困るのは日本のはずだ。どこまで現実を知らないのかと思う。

3月18日
立憲・山尾氏、離党へ ツイッターで表明「これ以上…」
立憲民主党についてずっと追えていなかったが、山尾女史が離党したことに対する私のタイムラインの反応を見ていると肯定的なものが多い。立憲民主党がどうもパッとしない感があったのだが・・・。話はズレるが、やはり日本ではリベラルは多数派として育たないのかなという気がしている。日本ではリベラルは少数派で、二大政党になったとしてもどちらも保守派なんじゃないかなあと思う。それは日本の後進性だと思う。今、日本は経済大国から転げ落ちている最中だが、そういう政治の志向(保守傾向)にも転落の原因のひとつがあると思う。先進国でも下層階級の人たちは外国に対して差別的だったりして保守傾向が強いと思うけど、日本の場合は上から下まで保守傾向が強いように思う。しかも上層階級であってもレベルが下層階級と大して変わらないように感じる。

3月19日
対コロナ経済対策、最優先で実行すべきは「無条件の納税猶予」だ

3月20日
アメリカ並みの「無条件納税猶予」を宣言し、連鎖倒産を食い止めよ
野口悠紀雄さんが非常に重要な提言をしている。連鎖倒産を回避するために対コロナ経済対策として「無条件納税猶予」を提言されている。コロナの影響で急速に経済が悪化しているのを感じるので早く実現してほしい。

3月23日
イタリア、死者5千人超 首相「戦後最も難しい挑戦だ」

カナダ、東京オリンピックに選手団を派遣しないと発表
いくら日本がオリンピックを開催したいと言っても、世界の選手達が参加しないのではオリンピックの意味がない。まあ、当然こうなる。

3月24日
新型コロナ、世界的流行「加速」とWHO 感染者35万人に
韓国のやり方を見習うべきではないのだろうか。それにしてもイタリアは本当にあんなに酷い状況なんだろうか?ちょっと驚く。

コロナが経済に与えるダメージが想像以上に深刻になるかもしれない。ただでさえ、日本経済は落下しているのにさらに急落しそう・・・。そのうえ気持ち悪いのは株価が変なこと。誰が誰の金で支えているの?将来のことを考えると背筋が寒くなる。

忘れないうちに貼っておこう。YouTuberで性教育をテーマにした番組、性教育YouTuberシオリーヌがある。これは日本の性教育にとっても貢献すると思う。




まとめ
今月のニュースはコロナウィルス一色だった。月前半は入国制限を巡って韓国との確執が取り沙汰された。月後半は欧米でのコロナウィルスの猛威が次々と報道された。特にイタリアが酷かった。また、特措法が国会で可決された。一方、日本の感染者数が少ないことが話題だった。検査してないからではないかという懸念も示された。そうそう、東京五輪も延期が決まった。五輪延期が決まると次々と物事が動き出した。東京を封鎖するとか、オーバーシュートを増やさないとか。どうも五輪開催が掛かっていたので、コロナウィルスの脅威を過小に内外に知らせていたのではないかという疑いがある。さて、コロナ以外のニュースでは森友問題で自殺した公務員の遺書が週刊文春で公開されて物議をかもした。しかし、結局、再調査はされないそうだ。今後の問題はコロナショックが経済に与える影響だ。野口悠紀雄氏が連鎖倒産の危険性を警告して納税猶予を宣言すべきだと主張しておられた。そんなことになったら、本当に恐ろしい話だ。

そういえば、米国大統領選、民主党候補はバイデン氏で決まりらしい。まあ、中庸なひとを選んだねぇ。とはいえ、オバマ自身、中庸だったわけだし。そもそもトランプのイケナイところは極端なところなので、その反動としては中庸でいいのかもしれない。とはいえ、格差が広がっている米国でそんな生ぬるい対応を言っていて若い有権者の支持を得られるのかとも思う。

コロナの所為で映画館に行けなくなった。家で過ごすことが多くなった。外出できないというのはやはり不自由だ。

なんか、書くことがあったはずなんだが、忘れた。メモしとけば良かった・・・。