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2026年4月29日水曜日

今月読んだ本2026.04

 
フリードリヒ大王』 (飯塚信雄)
 積ん読解消のために読んだ。最初は読みにくいと感じたが、話が進むにつれて読みやすく面白くなっていった。知らなかったのだが、フリードリヒ大王は同性愛者だったようだ。ただ、なにより驚いたのは父親のフリードリヒ・ヴィルヘルムとの関係だった。父親にカーテンで首を締められそうになり、このままでは殺されると思って逃亡しようとしたとか、思いもしなかったエピソードに驚いた。ちなみにネットで調べたサンスーシ宮殿が美しかった。
 
 
ヨーガ根本教典』(佐保田鶴治)
本書は日本におけるヨーガに関する文献で名著とされるものだと思う。内容は第1編でヨーガの概論を述べ、第2編でヨーガ・スートラの抜粋、第3編でハタ・ヨーガ・プラディーピカーの抜粋を著している。読んでみるとヨーガと仏教の関連が多いことに改めて驚く。面白かったので佐保田鶴治氏の他の本も読んでみようと思う。
 
 
ヨーガバイブル』 (クリスティーナ・ブラウン)
著者はオーストラリア人女性のようだが、ヨーガの入門書としては最適ではないかと思う。体位(アーサナ)が写真付きで詳しく説明されていて良い。また、アーサナだけでなく、呼吸法やムドラーやバンダの説明があるのも良い。さらに、様々な流派のヨーガも紹介されており、ヨーガを俯瞰して見られるのも良い。「自分のヨーガを見つけよう」という言葉通りで、自分に合ったヨーガを探すのに良い指針になると思われる。
 
 

2026年3月30日月曜日

今月読んだ本2026.03

 
ヴィルヘルム2世』(竹中亨)
 大変読みやすい本だった。ビスマルクの後から第一次世界大戦後のワイマール共和国までをつなぐ内容で勉強になった。
 
 
サルコジ』(国末憲人)
 積読解消のために読んだ。大変面白かった。副題「マーケティングで政治を変えた大統領」とあるが、まさにストーリーテリングという手法を使ったマーケティングだったのだろう。今の時代に通じる、というか、通過点だったのだろうと思った。また、民意を調査するなど『ポピュリスト・ナポレオン』も思い出すような内容だった。
 
 
道教とはなにか』(坂出祥伸)
 道教について、いまひとつ腹落ちしていなかったので本書を読んでみた。おかげで道教が大体分かってきたように思う。また、岡倉天心が道教の研究をしていたことは驚きだった。気功の歴史や法輪功の話も勉強になった。
 
 
密教』(正木晃)
 以前に読んだ『チベット密教』(正木晃)が大変良かったので、こちらも読んでみた。大変良かった。密教を歴史的・外形的に知るには大変良いと思う。また、補遺として修験道の解説があって大変興味深かった。
 
 

2026年2月27日金曜日

今月読んだ本2026.02

 
朝鮮仏教史』(鎌田茂雄) 
 朝鮮の仏教史について勉強になった。「朝鮮仏教の思想的な特質は総合仏教ということができる」や「八宗兼学というのではなく、あらゆる教学を融合させて一つにするのである」という概説が参考になった。また、現在は曹渓宗という禅宗が主流であること。禅教両宗(後に教禅兼修となるらしい)で、教学においては、天台や浄土もあるものの、どうも華厳教学というのが盛んであったらしいことも勉強になった。
 
 
ポピュリスト・ナポレオン』(藤原翔太)
 ナポレオンの政治家としての側面について研究された本。ナポレオンの選挙戦略、政治戦略、プロパガンダ戦略について解説している。ナポレオンは「戦争の天才」と言われるが、政治の面でも当時としては天才だったと言えるかもしれない。私の好きなアニメ『銀河英雄伝説』の主人公ラインハルト・フォン・ローエングラムはよく「政戦両略の天才」と言われるが、ナポレオンもまさに「政戦両略の天才」と言えるのではなかろうか。ともかく、ナポレオンは皇帝になったことで民主共和制から見れば甚だ不適当に思われたが、皇帝という強い権限を得たことでドラスティックな改革に着手できたと見れるかもしれない。いずれにしても、ナポレオンはとても興味深い人物であることに違いはない。なお、タイトルに「ポピュリスト・ナポレオン」と付いているが、「政治家・ナポレオン」と見て「政治家としてのナポレオン」として読んだ方が良い。
 
  
 『図説 ドイツの歴史』 (石田勇治)
 ドイツ史の勉強のために、よりイメージしやすいだろうと写真や絵が多いであろう本書を読んでみた。第二次世界大戦後が詳しく解説されていた。
 

2026年1月30日金曜日

今月読んだ本2026.01


怪帝ナポレオン三世』 (鹿島茂)
大変面白かった。読む前までは、歴史の本には度々ナポレオン三世の名前は登場するのだけれど、ナポレオン三世が実際にはどのような人物なのか判定しずらくて困っていたが、ようやく分かることができた。大変勉強になった。そして、何より楽しい読書体験だった。
 
 
神聖ローマ帝国』(菊池良生)
ドイツ史がいまひとつ分からないのでもっと勉強したくて読んでみた。以前よりは少し分かりやすかった。ただ、第9章冒頭で「ドイツ史はそもそも存在するのか?」という問いがドイツの歴史学者からも投げかけられていたというから、やはり、分かりにくいのだろうとちょっと安心した。最終的には、ナポレオンの存在が大きいように思った。
 

2025年12月30日火曜日

今月読んだ本2025.12

 
ドイツ史10講』(坂井榮八郎)
ドイツの通史を知りたくなって読んでみた。私の知識不足で全体像がよく分かっていないかもしれない。もう少しドイツの歴史について他の本も読んでみようと思う。 
 
 
女はポルノを読む』(守如子)
以前にBL解説本を読んだので、もう少し女性の性欲について知りたくなって、本書を読んでみた。タイトルの「女はポルノを読む」が意味深で核心的なのかもしれない。また、著者はフェミニストでありながらポルノ肯定派だ。ポルノに対する分析は大変勉強になった。性的ファンタジーを現実と取り違えないように区別しなければいけない。以前、読んだ本で湯山玲子さんの言葉、「セックスとマスターベーションは別腹」は至言だと思う。 ともかく、ポルノや自慰行為は、いろいろ注意すべき点はあるが、真面目に肯定的に捉えられるべきだろう。あと残る課題としては、セックスワークも同様に容認されるべきだと思う。
 
 
快楽電流』(藤本由香里)
『増補エロマンガ・スタディーズ』で本書が注釈に載っていたので読んでみた。レディースコミックについて詳しいらしいとのことだったので。1999年に刊行された本で実際は1990年代前半くらいに執筆されている。そういう意味では、この本は先進的だったと思う。特に実験小説はなかなか面白かった。BLやレディースコミックなどの日本の女性向けポルノは世界市場を席巻できるのではないかと思う。いや、アダルトグッズもirohaもあるし、日本は女性向けアダルト分野で凄い力を持っているのではなかろうか。
 
 

2025年11月29日土曜日

今月読んだ本2025.11

インド』(近藤正規)
インドについて大変勉強になった。モディ首相についてもっと知りたくなった。現在のインドの繁栄は彼によるところが大きいのだろう。また、初代首相のネルーの娘さんがインディラ・ガンディーで、結婚するときにマハトマ・ガンディーにガンディー姓をもらったのでガンディー姓になっただけで、ガンディーとは血縁関係はないということを初めて知った。それから、安倍晋三元首相がインドの発展に大変貢献しており、モディ首相からも大変感謝されていることを初めて知った。安倍晋三の功績としてインドがあるんだと驚いた。
 
 
BL塾』(阿部裕華・石橋悠)
「腐女子が夢中になっているというBLとは何ぞや?」という疑問から本書を読んでみた。基本構造、攻めキャラ、受けキャラ、略史、ジャンル、自分に合った作品の選び方などが分かりやすく書かれていた。(先月読んだ『官能小説案内』と構成が似ている。)しかし、なぜBLに惹かれるのかは私には今ひとつよく分からなかった。単にイケメンが好きなだけではないかとさえ思えた。ただ、BLが好きな女性でも作品によって好き嫌いの差がかなりあるらしいことは分かった。どうもそれが女性の特徴ではないかと思う。

エロマンガの歴史やジャンルについて解説されていた。私が知っているのは三流劇画までで、その後の美少女系エロマンガは知らない。というか、エロマンガだけでなく普通の漫画も読まなくなったのは、店頭に美少女系風の表紙の漫画が多くなって、それが嫌で書店の漫画コーナーに行かなくなったのだが、要はそういう傾向の絵を私は嫌悪していた。ちなみに三流劇画を読まなくなったのはエロ本からAVにシフトしたからだと思う。AVが普及する前はまだエロ本があったと思う。さて、本書の後半はジャンルについて解説だが、基本的に美少女系エロマンガがベースになっていると思う。で、個人的にはそれらは病的だと感じる。日本ではロリコンが多いのだが、それと共通する何かがあるように思えてならない。ただ、逆説的なのだが、「ジェンダーの混乱」の章だけは日本におけるトランスジェンダーやアナルセックスの先駆けであって有意義に思えた。
 
 
 

2025年10月30日木曜日

今月読んだ本2025.10

 
ワイマル共和国』(林健太郎)
 第一次世界大戦後からナチスが政権をとるまでの歴史。大変面白かった。ナチスに似たような右翼政党はあったが、ナチスの方がより馬鹿で過激だったから政権をとれたということらしい。今の時代に読んでおくと大変参考になると思う。
 
 
 『教養としての官能小説案内』(永田守弘) 
日本の官能小説の略史とジャンル解説。ジャンルには流行り廃りがあるらしい。日本の官能小説の特徴としては時代官能小説がわりと分厚く存在することだと思う。それと性器などの名称が独特の言葉で表現されていること、さらにオノマトペが大変発達していることだと思う。
 
 
 『お尻の文化誌』(ヘザー・ラドケ)
お尻に関する歴史の話。サラ・バートマンに始まり、バッスル、フラッパー、フィットネスなど大変勉強になった。キム・カーダシアンやマイリー・サイラスなどあまり知らなかった人物についても勉強になった。なお、お尻に関する名著としては、山田五郎さんの『百万人のお尻学』 がある。洋尻と和尻の違いが分かって長年の謎が解けて大変感動したのを覚えている。
 
 

2025年9月28日日曜日

今月読んだ本2025.09

 
革命と戦争のクラシック音楽史』(片山杜秀)
 ベートーヴェンをクライマックスに置いたクラシック音楽史。また、フランス国歌『ラ・マルセイエーズ』の解説がとても勉強になった。
 
 
ナポレオン』(杉本淑彦)
ナポレオンの生涯を扱った新書。副題の「最後の専制君主、最初の近代政治家」が鍵概念だろう。ただ、ナポレオンの人となりについては、今ひとつだったかもしれない。それは史実を重視するために、あえて人となりを描かなかったのかもしれない。人となりを知るために、まとまったナポレオンの伝記を読んでみたくなった。


ハーレクイン・ロマンス』(尾崎俊介)
ハーレクイン・ロマンスなるものを書店で時々目にすることがあったが、中身は全然知らなかったので、何気なく知りたくなったので本書を読んでみた。ハーレクイン・ロマンスの歴史や界隈の構造が分かって勉強になった。面白かったのは、ハーレクイン・ロマンスを読む女性読者の気持ちが分かったのが良かった。また、作家の創作ルーチンも面白かった。それと人工知能を使ってハーレクイン・ロマンスを書こうと思えば書けるが、人工知能だと作家と読者の交流が生まれないので、結局、人間が書かないと売れないという話も面白かった。


ファニー・ヒル』(ジョン・クリーランド)
18世紀英国の性愛小説とのこと。両親を亡くした娘フランセス・ヒルが仕事を求めてロンドンに出てきて、ひょんなことから娼婦になって、様々な性体験を経て、幸せな家庭を築くという物語。 とにかく、ポジティブシンキング、セックスポジティブで暗さを感じさせない物語だった。最後に悪徳よりは美徳が優れているのだと自説を主張して終わる。しかも節制も説いたりする。とにかく、主人公のアッケラカンとした明るさがあって、楽しい読書体験だった。
 

2025年8月30日土曜日

今月読んだ本2025.08

前回読んだ片山杜秀さんの本が面白かったので、今月は本書を読んでみた。クラシック音楽から見た世界史、世界史から見たクラシック音楽史といった内容で、大変面白かった。片山さんの単著では、この本が一番読みやすかったかもしれない。
 
 
クロムウェル』(小泉徹)
クロムウェルについて知りたかったので読んでみた。しかし、残念ながら私の知識不足で理解不足になったかもしれない。 それでも、クロムウェルが兵士たちから信頼をかち得た理由が分かったのは良かった。
 
 
『バレエ101物語 新装版』
 積読解消のために読んだ。著名なバレエ作品のストーリーが分かるので大変重宝する本でした。ひと昔前と違って、ネットで検索しても、作品の写真や動画も豊富になったので、本を出発点としてさらに深く知ることができるようになった。例えばサブスクサービスが普及したことで音楽を勉強しやすくなったと思う。ひと昔前はクラシックやジャズを勉強しようと思っても、そんなにたくさんレコードやCDを買えないし、ラジオをエアチェックするのも大変だったと思う。それがサブスクサービスが始まったことで手軽に聴けるようになった。さらにYouTubeでも簡単に鑑賞できるようになった。なので、本で紹介されている作品もすぐに聴こうと思えば聴けるようになった。本当に便利な時代になった。バレエもネット上のコンテンツが増えたので本当に手軽に勉強しやすくなったと思う。
 
 
 
 
 

2025年7月30日水曜日

今月読んだ本2025.07


フランス料理の歴史』(ジャン=ピエール・プーラン、エドモン・ネランク)
 先月読んだ『レストランの誕生』だけだとごく限られた範囲での歴史だったので、もう少し通史を知りたくなったので本書を読んでみた。しかし、専門用語が多くて自分がどこまで理解できたか怪しい。元々、料理学校の生徒のための教科書のようで、一般人が読むのはちょっと辛いと思う。ちなみに歴史ドラマ『ダウントン・アビー』を見ていたので英国貴族の食事については分かりやすかったので、フランス版のそういった歴史ドラマがあったら良いなと思った。やはり、視覚的に見れた方が分かりやすいと思う。また、メートル・ドテルという給仕係みたいな役職があるらしいが、それも見た方が理解しやすいように思う。
 
 
 
恋愛と贅沢と資本主義』(ヴェルナー・ゾンバルト)
著者の主張である「資本主義とは愛妾経済なり」を確認するために読んでみた。主にフランスのことだと思う。逆に英国なんかはマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が当てはまるのではなかろうか。まだ読んだことはないのだが。
 
 
 
 
『アジア舞踊の人類学』 (宮尾慈良)
積読解消のために読んだ本。随分以前に購入したがずっと積読になっていた。人類学的なアプローチになっていて、著者がアジアの各地に赴き、民族舞踊を実際にフィールドワークした記録になっていて大変貴重な体験だったと思う。 ただ、全体として取りとめが無いような気もする。やはり、舞踊も映像でまず見てみないと理解が始まらないように思う。
 

2025年6月28日土曜日

今月読んだ本2025.06

ごまかさないクラシック音楽』(岡田暁生・片山杜秀) 
先月読んだ片山杜秀さんの本が面白かったので、引き続き片山さんの本を読むことにした。それで今回は岡田暁生さんとの対談本を選んだ。クラシック音楽の歴史であると同時に世界の歴史に関する対談だった。歴史好きの私としては大変面白かった。もしかしたら、今年読んだ本で一番面白い本になるかもしれない。ただし刊行自体は2023年5月と2年前の本だけど。
 
 
レストランの誕生』(レベッカ・L・スパング)
レストランの起源の話。 これまで鹿島茂の『デパートの誕生』やフィリップ・ペローの『衣服のアルケオロジー』を読んで、デパートの起源や近代的な服装の起源を勉強したので、今度はレストランの起源について知りたくて本書を読んだ。著者が大変多くの本を読んでいるのが分かる。おかげでフランスの市民社会が形成される過程でレストランが次第に形作られるのが分かる。ただ、かなり局所的な歴史の話だったので、個人的には、もう少し食文化の通史的な知識が欲しいのでフランス料理の歴史の本などを今後は読んでみたい。
 
 
 
妾と愛人のフェミニズム』(石島亜由美)
近代日本における妾と愛人の歴史を扱った話。 制度としての妾や庶子の話は大変勉強になった。ただし、著者はフェミニズムの視点からそれらを捉えている。私自身はセックスワーカーもポリアモリーも一夫多妻制も当事者たちが是とするなら良しとする考えなので、妾や愛人も当事者たちがそれで良いならかまわないのではないかと思っている。ただし、第三者である世間一般人が妾や愛人を差別するというのは問題だと思うし、正妻が妾を下位において人権を抑圧するのであればそれも問題だと思う。とにかく、著者の考えにはやや疑問を感じる部分があった。その疑問は、結局は、資本主義をどう考えるかに行き着くように思う。すべてをカネで考えるのは違うと思うが、かといって、すべてを愛で賄ってカネは排除するというのも理想的過ぎると思う。また、カネの力に対して、ヒトの力が介入するのも逆に言えば権力者の介入であってそれは悪しき社会主義ではないかと思う。自律的な資本主義経済の中でカネ勘定による意思決定の方がまだ個人の自由意志があるのではなかろうか。昨今では、不倫や浮気やセフレが市井にはあるが、それほど悪いものではない気もしている。当事者たちが是とするならそれもアリだし、当事者が否とするなら別れればいい。当事者次第という気がしている。
 
 

2025年5月30日金曜日

今月読んだ本2025.05

NHK-FMで片山杜秀さんがパーソナリティを務める音楽番組『クラシックの迷宮』を聴き始めて1年くらい経った。音楽と歴史の勉強になる大変面白い番組である。それでせっかくだから片山さんの本でクラシック音楽についてちょっと勉強してみようと思って本書を買ってみた。内容は片山さんとそれぞれの音楽家との出会いから始まってその解説に至るというもの。 大変勉強になった。面白かったエピソードに、片山さんが中学生の頃に友達の母親からカラヤンのチケットが余っているので薦められたら「カラヤンなんか聴きません!」といって断った話には思わず笑ってしまった。
  
 
新・ラグジュアリー』(安西洋之・中野香織)
ラグジュアリーというとLVMHなどの高級ブランドのことを思い浮かべるが、本書で扱われているのは新しいラグジュアリーなるもの。ウィリアム・モリスやスローフード運動、エシカル消費の話は大変参考になった。それで、日本で当てはまるもので思い浮かんだのが『美味しんぼ』 で出てくる数々の日本の食文化だった。あるいは陶磁器などの骨董品もそうかもしれない。ところで高価なものでなくても、安い瀬戸物でも日本の器はけっこう味わいがあるよなあ。
 
 
 
江戸の春画』(白倉敬彦)
ドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』を観て、春画について知りたくなったので本書を読んでみた。春画入門には最適のテキストかもしれない。著者の考えが私的にはやや引っかかる箇所もあったが、春画というものを知るのには概ね良かった。
 
 
 

2025年4月30日水曜日

今月読んだ本2025.04

 
日本人の死生観』(五来重)
 先祖供養という日本独特の宗教観を理解するのに大変役立つ本だと思う。帯文の「人は死んだら、まず怨霊になる」という一文がよく表していると思う。先月読んだ『先祖供養と墓』がその起源になっている。要は風葬と殯だ。
 
 
仏教と民俗』(五来重)
 日本仏教が先祖供養という日本独特の宗教観を取り入れて、本来の仏教からかけ離れたものになっているのを理解するのに大変役立つ本だと思う。TVアニメ『まんが日本昔ばなし』など、日本の庶民の宗教観を理解するのに役立つ。副題が仏教民俗学入門。
 
先月から今月にかけて五来重の本を3冊読んだ。そのおかげで、私にとって、これまで謎だった日本人の宗教感覚のひとつが分かるようになった。 
 
 
衣服のアルケオロジー』(フィリップ・ペロー)
原書のタイトルは「ブルジョアジーの上着と下着 - 19世紀における衣服の一つの歴史」ということで、19世紀フランスの衣服の歴史になる。鹿島茂さんの『デパートの誕生』や『パリ、娼婦の館』なんかと合わせて読むとより理解が深まるのではないかと思う。また、ゾンバルトの愛妾経済というのにも繋がる話だと思う。
 

2025年3月30日日曜日

今月読んだ本2025.03

 
自由への旅:「マインドフルネス瞑想」実践講義録』(ウ・ジョーティカ)
 上座部仏教の瞑想はどのようなものか知りたくて本書を読んだ。大変勉強になった。ヴィパッサナー瞑想は意識を観察して、次第に深化して心の根源に辿り着く旅といえるかもしれない。
 
 
 
 
先祖供養と墓』(五来重)
 祖霊信仰の起源を知りたくて読んだ。子供の頃、祖母の家や近所の家に遊びに行くと必ず仏壇があって仏壇に手を合わせる家人がいたものだった。私にはそれが不思議でならなかった。子供の頃の遊び場は近所の神社や山や海だったのでアニミズムの感覚はなんとなく分かるつもりだ。だから、ネイティブアメリカンのスピリチュアリズムもなんとなく分かるような気がする。ところが、日本の祖霊信仰・先祖供養はどうもよく分からないでいた。そこで本書を読んでみて少し分かるような気がしてきた。起源はどうやら風葬と殯(モガリ)にあるらしい。日本人の宗教について知りたくなったので、五来重の本をもう少し読んでみようと思う。
 
 
中国の信仰世界と道教』(二階堂善弘)
 中国の宗教観について知りたくて読んでみた。霊廟など、どういう信仰心で祀っているのだろうという疑問からだ。また、日本を含めた東アジアの祖霊信仰の起源とか関連があるんだろうかという疑問もあった。しかし、読んではみたものの、実に混沌としたものだった。
 
 

2025年2月28日金曜日

今月読んだ本2025.02

 
ブッダという男』(清水俊史)
まず「第2部ブッダを疑う」は至極真っ当な指摘だと思う。妥当な見解だと思う。日本では釈尊を現代の価値観に合うように歪めて解釈することが多いので、こういった指摘は必要だったと思う。安易な啓発本ならともかくアカデミズムで歪曲してはダメだろう。そういった意味で本書は良い警鐘になったと思う。そして「第3部ブッダの先駆性」は大変面白かった。無我と縁起という概念が新しかったとのこと。釈尊を理解するのに大いに役立った。また、沙門宗教の視点から仏教を眺められたのも良かった。私の場合、事前に『インド哲学10講』を読んでおいて良かったと思った。
 
 
ジャイナ教とは何か』(上田真啓)
沙門宗教について知りたくて、そこで唯一残っている沙門宗教であるジャイナ教について知ろうと思ったのが本書を手にとったきっかけだった。この本も事前に『インド哲学10講』を読んでおいて良かったと思った。
 
ところで、当時の沙門宗教は多種多様だったと思う。六師外道も沙門宗教の中の一部に過ぎなかったと思うし、仏教も根本分裂するように一枚岩ではなかったし、その後のヨーガも沙門宗教の要素を含んだものだと捉えることもできると思う。現代の各宗派に分かれている仏教もヨーガも広い意味で沙門宗教と捉えることができるのではないか。そういった意味で、それらは「輪廻からの解脱を目指す」という沙門宗教という大きな流れではないかと思う。
 
 
仏教思想のゼロポイント』(魚川祐司)
ライターの星飛雄馬さんが推薦していたので読んだ。著者は東大大学院で仏教学を学んで、さらにミャンマーで上座部仏教を修行したらしい。そうした視座から仏教思想を提示したのが本書だ。日本仏教では「悟り」を実現不可能なものにしがちだが、本書では「悟り」を実現可能なものだと主張している。ゼロポイントとは、「悟りを諦める」のではなくて、「修行して悟りを開く」のが仏教の原点なんだと主張しているのだと思う。「悟り」は修行次第で開けるものなんだと著者は言いたいのだと思う。
 
 
移民の経済学』(友原章典)
 移民について経済の観点から捉えた一冊。移民を受け入れることのメリットとデメリットを説き、移民を受け入れて得をする人、損をする人をそれぞれの研究から指摘している。移民問題のポイントを程良く解説している。ただし、移民を受け入れた方が良いのか悪いのかは本書では結論を出していない。しかし、移民について考えるのに基本になる本だと思う。移民経済の入門書に丁度良いと思う。
 
 

2025年1月31日金曜日

今月読んだ本2025.01

インド哲学10講』(赤松明彦)
同著者の『ヒンドゥー教10講』を読んで良かったので本書も読むことにした。「インド哲学は難解だ」と聞いてたが、やはり難解だった。一度通読しただけではしっくりしない。もう一度読み直すべきなんだろう。個人的には第9章が大変面白かった。
 
 
 
 
道教思想10講』(神塚淑子)
 儒教について学んだら、今度は道教についても知りたくなったので本書を読んだ。『老子』が道教にとって重要であることを知って勉強になった。
 
 
 
近現代中国の儒教』(銭国紅)
 儒教の歴史の本ではなくて、歴史の話もあるけれど、どちらかというと儒教に対する著者のエッセイに近かった。これからの儒教、21世紀の儒教のあるべき姿について著者の想いが書かれていたが、私はむしろ儒教の起源、孔子以前の儒教、先祖祭祀の宗教について知りたくなった。