2010年5月8日土曜日

GoogleVoiceについて

グーグルのサービス「Goggles」は画像内のテキストを翻訳できるらしい。翻訳したい画像の文字をキャプチャして翻訳するらしい。そういえば、YouTubeでもキャプションを翻訳するサービスがあったような気がする。キャプチャとキャプションは微妙に違うかな・・・。

また、グーグルは街を丸ごと超高速のブロードバンドにする事業もやっている。電話もテレビも情報のラインはこれ1本で済むということなのだろうか。が、それもあるが、電話をタダにする話もあったように思う。グーグルボイスだ。

電話といえばスカイプがあったと思うが、グーグルボイスはもっと凄いらしい(笑)。←ありがちな言い方だなあ。ともかく、最大の特徴は意味を理解してくれるようになるだろうことだ。もし、意味を理解してくれるようになったら、本当に凄いと思う。←また、ありがちな表現をしてしまった。

コマンド入力が音声入力に変わる、なんてことじゃない。おそらく、同時翻訳が可能になるのではないだろうか。それが実現すると凄いと思う。人と人を隔てるものに、言葉の壁がある。つまり、言語の違いだ。もし、グーグルが自動で自然な同時通訳が可能になれば、意思の疎通が今よりも遥かに容易になる。

それはすなわち国境の壁を崩すことに成功するということではないだろうか?国と国がいがみ合うとき、相手のことをよく知らないことが大きな原因のひとつだと思う。自動同時通訳で異なる言語でも簡単にコミュニケーションが可能になれば、ともかくお互いをよく知ることが可能になる。

そして、ネットがあるから、距離の隔たりは関係なくなっている。つまり、本当に容易に外国人とコミュニケーションが可能になる。昔、エスペラント語、世界共通言語を作って異なる言語同士でもコミュニケーションを図りやすくしようという運動があった。ちなみに、考えた人はポーランド人医師だ。

だが、グーグルが自動同時通訳を作れば、エスペラントは要らなくなる。それに人々は自分の母国語を守ることも可能になる。いくら便利にするためとはいえ、世界の言語を1つの同じものにするわけにはいかないだろう。自分たちの文化もあるのだし。それらを守ることがグーグルの同時通訳なら可能になる。

グーグルボイスが意味をつかみ出すために、どうやら大量にデジタル化したグーグルブックスのデータが役立つらしい。なるほど、あれだけ大量のテキストデータがあれば、意味を取り出すことに役立てられるのかもしれない。意味ほど難しいものはないのに、グーグルはそれを可能にしてしまうかもしれない。

ところで、グーグルはアメリカから生まれた。そのアメリカは見方を変えれば亡命者の国だ。皆、自分の故郷の国を喪失して、自分の暮らす新たな国としてアメリカにやってきた。以前の国への反省からアメリカは世界に先駆けて良い国であろうとする国といえるかもしれない。世界の国の中で最も新しい国だ。

アメリカは国という組織形態の中で過去の伝統を引きずらない新しさを取り入れられる国だ。だが、国という組織形態に縛られていることは他の国と変わりはない。国という組織の限界だ。そこにグーグルとう新しい組織形態が芽吹いた。

グーグルはほどんどネットそのものになろうとしている。グーグルパブリックDNSもそのひとつの表れではないだろうか。そして、ネットには国境はない。アメリカから芽吹いたグーグルはその根をネットに沿って広げ、グーグルは世界を包み込んで、グーグルは世界中に存在しようとしている。

グーグルの自動通訳によって国境の壁は消え、国家の違いも形骸化するかもしれない。もちろん、国はそれぞれ、その国独自の国家体制・社会体制を敷けばいい。だが、そこに住まう人でその体制が気に入らなければ、移動すれば良くなるのではないか。実際、二重国籍はどんどん増えている。

21世紀において、国家に代わる新しい組織形態としてグーグルが生まれたのではないか。21世紀の人類社会では、国家は存在するが、人々は国家を選択可能になるのではないか。そうなれば、国民を抑圧するような国家権力は半ば無効化されるのではないだろうか。

そんなグーグルが巨大な国家権力である中国と衝突したのは必然だと言える。グーグル対中国。そして、その間に挟まれている日本。日本の未来はどこにあるのだろう?拙論『日本の未来戦略』を参照していただきたい!(笑)←手前味噌だなあhttp://www.neoaca.com/critique