2025年5月30日金曜日

今月読んだ本2025.05

NHK-FMで片山杜秀さんがパーソナリティを務める音楽番組『クラシックの迷宮』を聴き始めて1年くらい経った。音楽と歴史の勉強になる大変面白い番組である。それでせっかくだから片山さんの本でクラシック音楽についてちょっと勉強してみようと思って本書を買ってみた。内容は片山さんとそれぞれの音楽家との出会いから始まってその解説に至るというもの。 大変勉強になった。面白かったエピソードに、片山さんが中学生の頃に友達の母親からカラヤンのチケットが余っているので薦められたら「カラヤンなんか聴きません!」といって断った話には思わず笑ってしまった。
  
 
新・ラグジュアリー』(安西洋之・中野香織)
ラグジュアリーというとLVMHなどの高級ブランドのことを思い浮かべるが、本書で扱われているのは新しいラグジュアリーなるもの。ウィリアム・モリスやスローフード運動、エシカル消費の話は大変参考になった。それで、日本で当てはまるもので思い浮かんだのが『美味しんぼ』 で出てくる数々の日本の食文化だった。あるいは陶磁器などの骨董品もそうかもしれない。ところで高価なものでなくても、安い瀬戸物でも日本の器はけっこう味わいがあるよなあ。
 
 
 
江戸の春画』(白倉敬彦)
ドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』を観て、春画について知りたくなったので本書を読んでみた。春画入門には最適のテキストかもしれない。著者の考えが私的にはやや引っかかる箇所もあったが、春画というものを知るのには概ね良かった。
 
 
 

2025年5月24日土曜日

金環蝕

『金環蝕』(1975年)
 
YouTubeで映画『金環蝕』を観た。
 
実は子供の頃にTVで放送されているのを観たことがあったが、子供だったのでよく分からなかった。政治の汚職事件を扱った映画だというのだけはぼんやりと理解したように思う。

原作は石川達三で、石川は芥川賞(1935年)を受賞しているが、そのとき落選したのが太宰治だった。また、『生きてゐる兵隊』(1938年)では南京事件に関わる記述があったらしくて発禁処分を受けたらしい。本作は1966年に発表された作品で九頭竜川ダム汚職事件という実際にあった汚職事件がモデルになっているらしい。
 
私の父が石川達三作品のファンだったらしくて、それでこの映画も子供の頃に観たのだと思う。ちなみに父は志賀直哉とかも文章が好きだったらしい。でも、織田作之助なんかも好きだったらしく、物置に単行本が何冊かあったように思う。ちなみに太宰治はあまり好きではなかったのではないかと思う。
 
さて、今回、改めて見てみて大変面白かった。
 
政治家、電力会社、建設会社、新聞社などが、持ちつ持たれつで、金まみれで腐敗していて、いかにも日本的で面白かった。
 
物語は古い世代の石原参吉という金貸しと新しい世代の星野官房長官(東大を出て官僚になりその後政治家になるという典型的なエリート)の対決の話だった。
 
石原参吉を宇野重吉、星野官房長官を仲代達矢が演じていて、対照的で大変分かりやすかった。 それから、神谷代議士を演じた三國連太郎もなかなかいい味を出していた。
 
そして、この二人以外も出てくる男たちが、皆、金に汚いだけでなく、女も妾として囲っていて欲にまみれていて面白かった。また、出てくる女性たちが、皆、色気があって良かった。料亭の座敷、芸者など昭和というか、昔の日本の風情というか、良し悪しは別にして、かつての日本の価値観が流れていて興味深い。まあ、でも、こういうのは失わていくのだろう。
 
それから、石原参吉が政治家たちを脅す材料として、”石原メモ” なる資料がなかなか面白かった。ホント、メモって大事。そして、手帳やノートも。
 
このブログ記事を書くために映画のポスターをネットで探していたら、当時のポスターがとても印象的で、本作の本質をよく表していて大変良かった。このポスターの作者は誰だろうと調べてみたが、結局、誰が描いたか分からなかった。推測だが、作者は美術監督を務めた間野重雄という人ではなかろうかと思う。
 
 

2025年5月17日土曜日

マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ


『マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ』(2025年)
 
Netflixでコメディ映画『マンジャーレ! ノンナのレストランへようこそ』を観た。
 
心温まるストーリーで、仕事のストレスで疲れた私の心には、たいへん心地良い映画だった。
 
「ノンナ」 とはイタリア語で「おばあちゃん」という意味らしい。また、「マンジャーレ」はイタリア語で「食べる」という意味らしい。原題は『ノンナ』で、イタリアのおばあちゃんたちがシェフになって家庭料理のレストランを開店して成功するという物語。ちなみに実話に基づくお話で舞台になったニューヨークのスタテン島に実際にあるらしい。
 
 まあ、物語としてはありがちで他愛のない話。良く言えば安心して見ていられるし、悪く言えば退屈かもしれない。ノンナたちのキャラクターもありがちで、特別際立った感じではない。ただ、出てくる料理がとても美味しそうで見ていて飽きない。見終わるとイタリア料理が食べたくなるし、久しぶりに家庭的レストランに行ってみたくなる。
 
強いて言えば、『ミセス・ハリス、パリへ行く』というコメディ映画に似ているかもしれない。 こちらは時代は1950年代で英国の家政婦が美しいドレスに一目惚れしてパリにディオールのドレスを買いに行くという物語。『ミセス・ハリス』が衣服に対して、『ノンナ』は食べ物という違いがあるけど、どちらも心温まるストーリーで癒やされる。
 
 

2025年5月3日土曜日

春の画 SHUNGA

『春の画 SHUNGA』(2023年)

Netflixで春画のドキュメンタリー映画『春の画 SHUNGA』を観た。
 
このドキュメンタリー映画が作られることになったのには若干の経緯があるらしい。発端はそもそも2015年に英国の大英博物館で春画展があったそうで大変好評だったそうな。ところが、日本で同じ春画展を行おうとしたら国内の美術館からはことごとく断られたそうな。どうやら猥褻ゆえに取り締まりの対象になることを恐れたらしい。ただ、その中で永青文庫というところが春画展を開催して大変盛況だったらしい。 で、そういった経緯を描いた『春画と日本人』というドキュメンタリーが2019年に公開されたらしい。そして、そこからさらに映画『春画先生』と本作『春の画 SHUNGA』が製作されたということらしい。
 
この作品自体は、春画の愛好家たちや版画の彫師や摺師、そして、名作の解説など、春画の世界が描かれている。 名作の解説では、春画が、若干、アニメ化されていて、なかなか見ていて楽しい。春画に書き込まれているセリフも声優によって朗読されていて、それもまたなかなか楽しい。春画入門としては大変優れたドキュメンタリーだと思う。私もちょっと春画について入門書などを読んでみたくなった。
 

2025年4月30日水曜日

NEWS2025.04

 
4月4日(金)
とりあえず罷免されて良かったと思う。 ただ、次の大統領が誰になるかちょっと心配だけど。
 
4月5日(土)
トランプの関税政策は互いにとって良くないんだろうなあ。
 
現時点で3300人以上の死者らしい。実際はもっと多いのだろう。 

4月7日(月)
システム障害が起こると困るなあ、その1。
 
システム障害が起こると困るなあ、その2。
 
けっこう強行軍の日程だったんじゃないかなあ。ということは、天皇自身による希望でこの訪問が組まれた可能性が高いと思う。
 
4月14日(月)
Googleって、すぐにサービスを止めちゃうから心配。モヤモヤするなあ。
 
4月15日(火)
「ショー・ザ・フラッグ」で有名だったと記憶している。その他、戦争孤児を里親として引き取ったりしていたと思う。

確かにAndroidの初期ホーム画面にGoogle検索を表示しておくのはマズいかも。
 
AWSでもシステム障害が発生するんだ。少し驚く。 

4月17日(木)
これはどう読めばいいのだろう?話は単純ではない気がする。
 
4月20日(日)
結婚した人の方が認知症リスクが高いとは、まだ断定はできないと思う。 でも、意外ではある。
 
4月21日(月)
合掌。
 
4月23日(水)
ふ~む。
 
4月24日(木)
ふ~む。
 
4月25日(金)
私は音楽がいまひとつ苦手だった。中高生の頃、私の周囲はほとんどヘビメタファンばかりだった。私はヘビメタはあまり好きになれなかったし、ロックも嫌いではないが好きというほどでもなかった。ポップスも特に大好きという感じにはならなかった。そんなとき転校してきた子がいて、友人になったのだが、その彼が好きなのがYMOだった。彼は坂本龍一が好きで、私も彼の家に遊びに行くと自然と聴かされた。そんな感じで細野さんを聴く機会があった。ただ、もっと後になって、アニメ映画の『銀河鉄道の夜』や『源氏物語』の音楽が印象に深く残っていて、後からそれらを作ったのが細野さんだと知って驚いた。なので、私と細野さんの音楽との出会いはアンビエントが最初に近い。その後、細野さんのもっと若い頃の作品も聴くようになった。ただ、当時の地方のCDショップには細野さんのCDはなかなか置いてないことが多くて入手が困難だった。話が長くなるので、ここらへんで止めておこうと思うが、私が一番好きな細野さんのアルバムは『メディスン・コンピレーション』で、最高に好きなアルバムです。

4月28日(月)
センター長のさじ加減で不支給が2倍以上に変わってしまうのだとしたら、そりゃあ、あんまりだと思う。ただ、その年によって増減はあるのだろうから、検証が要るとは思うが。
 
 
4月30日(水)
図書館については岩波新書『未来をつくる図書館―ニューヨークからの報告』 が参考になると思う。ただ、町の書店が減っていくのは寂しい。子供の頃の私にとって知らない世界との出会いは町の本屋さんだった。当時の図書館は子供の私には本を見つけにくかった。また、クーリエ・ジャポンの記事『楽しくて、ちょっと変─英国に「文学イベント」のニューウェーブ到来』は町の文化拠点としての本屋さんのひとつの方法として面白かった。
 
今はYouTuberの時代になってしまったが、以前はBlogerの時代だった。Blogerの時代は読書家の時代でもあった。今後はYouTuberの時代が落ち着いて、再びBlogerも地味に復権されたらいいなあと思う。今はBlogが減りすぎだと思う。YouTubeに偏りすぎている。人々がYouTubeの収益に狂奔しすぎたためだ。そうではなくて、YouTubeもBlogも両方がそれぞれのジャンルで普及したらいいと思う。私は読書好きなのでBlogが普及して欲しいと思っている。そして、図書館やミュージアムが地域の文化拠点として地域住民のカルチャーを活性化して、小さな読書会が乱立したり、カフェやレストランで本や映画の話がもっと弾んだらと思う。地味な趣味である読書がもっと普及してくれることを願う。
 
大麻は軽いものばかりと思っていたら、強力なものもあって、そのために様々な弊害を生んでいるということらしい。お酒に例えると、ビールだと思っていたら、ウォッカもあったということらしい。大麻にもアルコールの度数制限のようなものが必要とのこと。物事はなかなか単純には行かないものだ。