2024年12月29日日曜日

NEWS2024.12

 
12月4日(水)
ユンソンニョル大統領が戒厳令を出したというニュースが流れたとき「???」だった。「戒厳令を出す理由が無い。一体全体どういうことだ?」というのが正直な感想だった。ところが驚いたことに、戒厳令の布告には、一切の政治活動の禁止、報道や出版の統制、集会の禁止が謳われたいたらしい。あり得ない。案の定、市民によって戒厳令は潰された。これが一昔前なら軍が強権を発動して力で市民を抑え込んだかもしれない。しかし、21世紀でネットが普及している今、さすがに韓国でそれはないだろう。しかし、それなのにユンソンニョル大統領は戒厳令を発動した。狂気の沙汰としか言いようがない。そして、後日、理由を聞いて驚いた。政敵を倒すために発動したらしいのだ。その世界観はさすがにマズいと思う。まるで陰謀論者ではないか。しかし、実際、世界各国で保守と言われる人たちは陰謀論的なところがある。いや、保守だけに限らない。とても危ういものを感じる。

 とても勇気のある女性だ。やはり、韓国人は熱い。これは歴史に残るシーンになるだろう。
 
金慶珠さん、キレイだなあ。
 
12月5日(木)
野間易通氏によると地上波で韓国の戒厳令のニュースが、当初、ほとんど流れなかったそうだ。私自身、地上波を見なくなったので、地上波が流しているかどうか知らなかった。また、日本人のレベルの低さが指摘されていたが、まさにその通りだと思う。若手に歴史を継承していかなければならない。しかし、日本人にはなかなか難しいのだろう。それに今後ますます経済的に困窮していくから、そのような余裕はどんどん無くなっていく。クルド人の歴史は勉強になった。
 
12月8日(日)
アサド政権が崩壊したらしい。アサド政権の巻き返しはもう無いのだろうか?これからのシリアが民主的な体制になれば良いのだがと思う。同時に、アサド政権を支持していたロシアやイランはどう出るだろう?ロシアはやはりウクライナで手一杯でシリアへの支援が弱くなったから、今回、反体制派が勝利できたということなのだろうか?あるいは、米国の暗躍があったのだろうか?とにかく、内戦が終結するのであれば、それはきっと良いことなのだろう。ガザやウクライナの戦争も早く終結することを願う。
 
12月9日(月)
国内の要塞にでも退避したのかと思っていたら、ロシアに亡命していたとは驚いた。あっけない幕切れで、アサドの亡命は幕末の徳川慶喜が鳥羽・伏見の戦いで味方の軍勢を捨て置いて江戸へ逃げ帰ったのに似ている。
 
12月11日(水)
『とくダネ!』のメインキャスターで一時代を築いたと思う。彼はいろんなことに通じていて驚いたりした。 その後、彼に続くような人は現れなかったと思う。とても残念。合掌。
 
すでに11月に出ていたニュースらしいが知らなかった。トランプの当選によって多様性重視の取り組みを企業が縮小していくらしい。なんともはや。嫌なトランプ時代がすでに動き始めている。
 
12月12日(木)
表題は立花孝志包囲運動だが、メインはシリアの話だった。シリアの強制収容所のことなど知らなかったので大変勉強になった。21世紀にもなってまだ強制収容所があるとは驚いた。もちろん、米国がアルカイダを倒すために世界各国の米軍基地に拷問のための収容施設を作っていることは知っていたが。
 
12月14日(土)
可決されて良かった。戒厳令で報道規制や政治集会の禁止、出版の統制などあり得ない布告を出していたし、戒厳令を解除するための国会議事堂に集まってきた議員を軍隊を使って排除しようとしたり、あきらかに尹錫悦大統領による違法行為だろう。職務停止になって本当に良かったと思う。それにしても韓国の国民がすぐに国会議事堂に集合して議員たちを支援したのは本当に凄いと思った。日本人はあのように行動できるかどうか疑問に思う。日本の保守は相変わらず韓国の悪口を言っているが、かつて中国の悪口を言っている間にあれよあれよという間に中国に経済力や技術力で抜かれてしまい大国と小国の力の差をまざまざと見せつけられてしまったが、今回の韓国の件も同様で、韓国の悪口を言っている間に韓国に国のクオリティで抜かれてしまうのだろうなあと思う。ただ、もう私個人は諦めてしまった。日本はダメだと。そのダメな日本でいかに生きるかが課題だと思っている。日本はなんでも換骨奪胎して自分たちに都合の良いものに変えてしまう。だから日本のシステムは本質的には変わらない。民主主義も換骨奪胎して自分たちの都合の良いものに変えてしまった。「解釈改憲」という言葉がそれをよく表している。白いものでも解釈次第で黒いものに変えてしまう。なので、日本はダメだと私は諦めてしまった。ところで、話は変わるが、私は大統領制については肯定的に捉えていたのだが、トランプや今回の尹錫悦のことを考えると、大統領制もいかがなものかと思えてきた。かつては三権分立を考えたとき、日本の議院内閣制では立法と行政がタッグを組んでしまい、強力な権力体制になってしまうと思えて、大統領制にして行政と立法が互いに牽制し合う体制にした方が良いのではと思っていた。しかし、大統領がとんでもないと政府がとんでもない人事になったり、大統領が血迷うと戒厳令を出したりとリスクが高いような気がしてきた。逆に議院内閣制だととんでもない総理大臣が出現すると議員が引きずり下ろせる。自民党の総理大臣が今までけっこう目まぐるしく変わったように。ただし、安倍晋三の事例もあるから必ずしもそうできるとは限らないが。いずれにしても、日本の場合、もっと司法の権限を強くした方が良いように思う。最高裁をもっと強力にできないものだろうか。日本の最高裁は政府の顔色ばかりうかがってしまいがちだ。最高裁自体が法をねじ曲げてさえしてしまう。ともかく、最高裁をもっと強くした方が良いように思う。ただし、検察は問題が多いから、そこは気をつけなければならない。
 
そういえば立花孝志の件を忘れていた。まあ、立花孝志はデマゴーグなんだろう。石丸や斎藤とは違う。石丸は新しいタイプだろう。斎藤も少し石丸に似ている。一方、立花孝志は古いタイプだ。ただ、立花孝志はかなり自暴自棄になってやり過ぎている感があって、いつか捕まる可能性が高いと思う。それに人々もいつまでも彼の口車に乗せられていないと思う。彼はどこか過剰で普通の政治家は勤まらない気がする。仮に、もう少し地道な道があったなら、彼の過剰さをもう少し抑制していれば、彼は政治家として成功していたかもしれない。ところで、忘れてならないのはNHKの課金制度の問題だ。やはり、NHKの課金制度は間違っていると思う。それを見過ごしたままにしておくのが問題だと思う。そもそもこの歪んだ課金制度があるから立花孝志のような人物が勢いを持てたのだと思う。問題の根源にあるNHKの歪んだ課金制度を誰か正してくれないものだろうか。問題の根本はNHKの歪んだ課金制度にある。
 
12月17日(火)
 教員の残業問題で最も大きな負担が先生が部活動の顧問をしなければならないことだったが、神戸市では学校が部活動を運営するのを止める方針を打ち出したとのこと。欧米ではすでに地域社会が部活動の指導をしていたが、日本では教員が指導していた。 そのため教員の負担が大きく、本来、教育に充てるべき時間を部活動に大きく取られていた。部活動の負担を教員から取り除き、その分、本来の教育に充てることができれば生徒のレベルアップに寄与できることになる。しかし、その一方で、部活動が減少してその面での生徒の育成が減ってしまう。欧米のように地域社会で負担することが日本でもできるかというとなかなか難しいものがある。神戸市の場合は地域のスポーツ団体が運営主体となるらしいがどこまでやれるか分からないことも多いと思う。私の考えでは、今まで教員の負担があまりに大き過ぎると思うので、教員から部活動の負担が減ることは良いことと思う。それに学校は、本来、勉学の場なので、教員が学習指導にもっと力を入れられるのは本筋として良いことだと思う。部活動を外部に委託するのは様々な問題を引き起こすとは思うけれど、それは一つ一つ問題解決してゆくしかないと思う。これまでの教員の負担が過大過ぎたのが異常だったのだと思う。
 
日本というのは本当に「一度走ったら止められない国」なんだなあと思う。震災であれだけ懲りたはずなのに。本当に何を考えているのか!廃炉にするのも高コストなのに。将来、日本だけ電力がずば抜けて高額になるかもしれない。それに地震で汚染地域ができたら目も当てられないことになるだろうし。一方、世界はどんどん再生可能エネルギーにシフトしているのに。将来、原発が日本のものすごいネックになる可能性がある。日本を貧困国にしてしまうかもしれない。本当に愚か過ぎる。
 
石破首相は「日本全体の幸福度にとってプラスの影響を与える」との認識を示したとのこと。それはそうだ。

12月18日(水)
いずれは値上がりせざるを得ないんだろうけど。

12月19日(木)
鴻海による日産買収の動きに対抗してとのことらしい。そして、日産がそもそも業績が悪いことに原因があるとのこと。そもそもゴーンさんで業績を立て直しておきながら、そのゴーンさんを追い出して、昔の旧体質に戻った日産が再び業績悪化の道を辿ったというのは日産の経営陣の悪さが問題だと思う。ホンダが日産を引き受けるのはなんか止めた方が良いのではと思う。半導体やテレビで統合した結果、悲惨な結果になった前例があるからだ。もし、引き受けるんだったら、フェアレディZやスカイラインGT-Rだけ貰うとか、人気車種だけ貰うようにした方が良いと思う。レノボがIBMのThinkPadだけ貰ったように。ちなみに三菱の合流は論外だと思う。まあ、私は自動車産業のことはまったく素人で分からないのだけれど。
 
ついに渡辺恒雄も亡くなったか。全然異なる思想の持ち主だが、池田大作となぜかセットに思えてしまう人物だった。合掌。
 
12月20日(金)
昔、日本人が近隣アジア諸国でやってたことが、今度は日本が貧しくなったから、日本人が今度はその立場になったという感じ。ところで、日本にはソープランドというものがあるけれど、路上売春よりそちらの方が良いのではなかろうかという気もするのだが。逆に他のアジア諸国でもソープランドのようなシステムを取り入れている国はあるのではないのだろうか?売春を非難するよりも、セックスワーカーが安全に仕事できるような仕組みを作る方がより現実的で大事ではなかろうか。それと売春する原因にホストが上げられているけれど本当なんだろうか?ホストは女性にとってそんなに良いものなんだろうか?非難する意味ではなくて、女性の欲求が叶えられる要素がそんなに詰まっているのかと不思議に思うからだ。

12月21日(土)
面白かった。要するに、米国の産業構造が転換する中で、それに取り残された人たちによる階級闘争がトランプ現象を引き起こしたということだろうと思う。不法移民に対する排斥も賃下げに対する抵抗の結果として起こっていることだと。で、トランプの背後にいる一人として、ピーター・ティールを挙げており、最終的にはテクノロジーによる救済を掲げているらしい。ただし、目の前の対策としてはニューディール政策とのこと。また、宮台さんによる日本の場合は世代間の継承が断絶しているので、昔は良かった的な思い出が継承されていないという指摘も面白かった。
 
亀田製菓CEOのジュネジャ・レカ・ラジュ氏が移民受け入れをと提言したことに対して、河合悠祐が亀田製菓本社前で抗議の演説をしたらしい。さて、亀田製菓のカレーせんべいは、以前、よく食べていたので亀田製菓自体は知っていたのだが、CEOがいて、さらにインド出身なんてことは知らなかったので勉強になった。移民受け入れの提言についても、1年間の出生数が70万人を下回るとのことだったので、生産人口を考えると、移民受け入れは必然ではないかと思う。今の日本の外国人労働者の受け入れ体制が酷くて、ベトナム人はもう来てくれないと思う。私の近所で見かけるのはおそらくペルー人だと思う。石破首相が最初に訪問したのもペルーで外国人労働者確保が喫緊の課題なんだろうと思う。しかし、今の受け入れ体制が酷いので外国人労働者は定着してくれないと思う。こんなことを続けていたら、日本の産業はどんどん衰退していく一方だと思う。河合悠祐は外国人への生活保護も批判していたが、移民を受け入れて少しでもGDPを押し上げて国の財源を増やして、生活保護へ回す方が余程良いと思う。河合悠祐は外国人に対して日本のルールを守れといっているけれど、例えばゴミ問題にしてもクルド人の方が余程ルールを守り地域社会の美化に努めていると思える。私の近所なんかは、むしろ、日本人の方がルールを守っていないことが多いかもしれない。日本の場合、もっと移民を増やさないと、経済の衰退はもっと酷くなると思う。日本の過去の産業的遺産がすり減って無くなってしまう前に移民を増やして巻き返しを図った方が日本のためだと思う。移民が入ってくれば摩擦は増えるだろうけど、生き残るためには変わらなければいけない。また、河合は「日本人の心」とか言っているけれど、日本人の心を継承してゆくような伝承行為を彼は何かやっているのだろうか?以前にも書いたけれど日系移民の方がよほど伝承に努めている。逆に今のネトウヨには伝えるべき伝統をそもそも持っていないと思う。彼らは日本の伝統から断絶しているのではないかと思う。彼らは建前で日本の伝統を謳いながら、本音ではレイシズムで弱い者いじめしたいだけだと思う。ともかく、自分たちを保守だというのなら、海外の日本人学校がやっているような日本の伝統を守るための伝承にもっと力を入れたらどうかと思う。
 
12月24日(火)
尹錫悦大統領弾劾集会の旗が大変面白かった。「全国後回しにする連合」とか「手足冷え性連合」とか「全国家で寝っ転がっている連合」とか「内気な人たち連合」とかとても笑えた。こういうスタイルがこれからの日本のプロテストには必要なのかもしれない。あ、でも、すでに日本でもやっている人たちもいるんじゃないかと思う。
 
12月28日(土)
米国では労働組合によるストが起こっていたらしい。ただ、米国のトラック運転手の労働組合は特殊で半ばマフィアっぽいから、アマゾン相手でもストが可能だったのかもしれない。ちなみにこの労働組合はNetflixでヤクザ映画としてドラマになっていたと思う。たしか『アイリッシュマン』だったと思う。ともかく、賃上げ闘争で労働組合がストを起こせるのは良いことだと思う。労働組合の加入率が低くなっている米国であっても、ストが起こるのは凄いと思う。
 
米が高い。秋の米不足で高かった時期が過ぎて、新米が入荷して安くなるのかと思ったらずっと高いまま。半端でない値上がりだ。どうにかしてほしいでござる。
 
今月の振り返り
今月は韓国の戒厳令騒動、シリアのアサド政権崩壊、斎藤元彦兵庫県知事の公選法違反疑惑、立花孝志の脅迫罪疑惑などが大きな話題だった。戒厳令騒動では韓国市民の底力を見せられて感動した。兵士も発砲せずに偉かったと思う。これもまた韓国の民度の高さだと思った。逆に尹大統領がネトウヨYouTuberに傾倒していることに驚愕した。しかも戒厳令の内容があまりに酷すぎて言葉を失う。次にアサド政権の崩壊だが、強制収容所の存在に愕然とした。この現代にまだ強制収容所があるのかと驚愕した。それから、斎藤元彦兵庫県知事の公選法疑惑については、郷原さんの話に基づけば、間違いなく有罪だと思う。それでも彼は最後まで県知事の座に居座り続けるんだろうなあと思う。昔のひとと今のひととの違いで、昔のひとは自ら身を引いていたが、今のひとはそういうことはしないんだなあと思った。立花孝志氏については、もうどこの選挙区で立候補しても得票は得られないんじゃないかなと思う。あとは二馬力選挙で他候補の応援をするくらいしかできないんじゃないかと思うが、それはいずれは違法とされてしまうと思う。応援される方も迷惑と思うようになると思う。となれば、二馬力選挙も今後はなかなか成立しなくなるんじゃないかと思う。となれば、立花孝志氏としては、今後のシノギがかなり難しくなるんじゃないかと思う。立花孝志氏は政治家としてはかなり危ういデマゴーグになってしまうが、セールスマンになっていればなかなか優秀な成績を残すセールスマンになっていたのではないかと思う。今からでも真っ当なセールスマンに転職した方がいいのではないかと思うのだが。
 
それ以外のニュースでは、原発回帰のニュースには驚いた。ほとぼりが冷めたら原発回帰するというのはあまりに酷いと思う。世界は再生可能エネルギーにシフトしているのに、本当に逆行している。発電と送電を完全に分離して再エネをどんどん増やす方向にすべきなのだが、電力業界の利権が失われるのを恐れて原発回帰に戻ろうとしている。これは地震大国日本であるために、国を滅ぼす選択になりかねない。
 
それから日産の会見を見て思ったが、日産は身売りする立場だと思うのだが、「どちらが上でどちらが下というわけではない」と日産の社長が言っていたのに驚いた。 大企業の社長というのは、自分たちの経営が悪くて身売りする結果になったのに、それでも悪びれずに「どちらが上、どちらが下ではない」と言えるんだと。厚顔無恥というか大企業病というか。このような会社は潰した方が良いと思うようになった。
 
今月読んだ本
 
儒教とは何か
 著者は加地伸行氏という学者で、保守の論客でもあるらしい。そのためか、保守的思想が散見されて私としてはやや読みづらい箇所もあった。全体としては、儒教の宗教性にフォーカスした本であった。儒教に対する理解としては礼教性の面にフォーカスしたものが多いが、そうではなくて、儒教の宗教性にできるだけフォーカスして儒教を捉えようとしたのが本書だと思う。そういう意味では儒教理解に新たな側面を得られて儒教に対する認識がより深いものになったと思う。個人的には、仏壇や墓参りや遺影について昔から不思議に思っていたので、その謎が解けたようで良かった。また、大乗仏教が中国や朝鮮や日本に広まったのは分かるような気がした。要は救済の宗教がそれまで無かったのだと思う。儒教に救済の側面はあまり無いと思う。儒教は祖先崇拝で血縁集団の損得であって、そういったものを超えて苦しんでいる人々を救済する宗教でなかったところに、大乗仏教という救済の宗教が入ってきて人々の心を捉えたのではないかと思う。さて、本書では孔子以前の儒教、原儒時代というのがあったと説明されいていて、それが儒教の原点だと指摘していた。なるほどそうだろうと思うのだが、その原儒時代の起源についてもう少し詳しく歴史的なプロセスを書いていてくれたら良かったのにとも思った。ともかく、私としては儒教を儒学として捉えがちだったので、儒教の宗教性について知見を得られたので大変勉強になった本だった。
 
それから、脳死や臓器移植を扱った終章の一節に医学部で行われている献体に対する心のこもった慰霊祭の話があった。最近、美容外科医が献体の写真をSNSで楽しそうに投稿して問題になった。ただ、ちょっと気になるのは「けしからん」という人は、じゃあ、ガザやウクライナ戦争の映像は見ていないのだろうかと思う。目を覆いたくなるようなボロボロになったガザの子どもの遺体、その遺体を抱えて泣き叫ぶ大人たち、ウクライナ戦争でドローンに殺される兵士の無惨な死。「けしからん」と怒るひとたちは、今、この世界で起こっている悲惨な悲劇には思い至らないのだろうか。東日本大震災でも日本の報道機関は死体を見せなかった。一方、米国の新聞などでは死者への尊厳を保ちつつ死体を見せた。確かに死体を見ることは辛く、人によっては心に大きな傷を負うこともある。しかし、この悲惨な現実を心に刻むためには死から目をそらさずに死を直視することも必要だと思う。日本人はすぐに忘れてしまう民族だ。しかし、この悲惨な死は決して忘れていいものではない。死を忘れないためにも、日本人も死を直視すべきだと思う。
 

2024年11月30日土曜日

NEWS2024.11

 
11月6日(水)
投票前の世論調査では五分五分の互角の戦いとのことだったのでトランプ勝利の可能性も考えていたので事前に心の準備はできていた。しかし、実際にトランプが勝ってしまうとやはり気分は落ち込んでしまった。本当に残念な結果になってしまった。4年間は憂鬱な時代になってしまう。差別やヘイトが横行する世界になってしまうのだろうか。リベラルからしてみれば大きな後退だ。できる限り抵抗したいものだが。感想になってしまうが、この選挙結果を招いた要因はひとつは「トランプよりマシ」という理由でハリスを擁立したが、やはり、政治的にもっと魅力的な人物を擁立すべきだったと思う。他の要因としては、トランプ支持者が「足による投票」をしたのではないかと疑っている。激戦州にわざわざ引っ越してトランプに投票したのではなかろうか?そんなことを疑っている。可能かどうか知らないのだが、トランプ支持者ならそんなことくらいやってのけるように思う。それにしても、ちょっと教養があれば、トランプのような人物は支持しないと思うのだが、中間層の解体で、あまりに無教養なひとが増えたのではないかと疑っている。東西冷戦が終焉して以降、どうも、そういう傾向が大きくなったように思う。とにかく、リベラルは地道に啓蒙していくしかないと思う。
 
 
11月14日(木)
百田尚樹の暴言は、「まあ、百田の言いそうなことだな」というのが感想だ。もちろん、人権の観点からすると、とんでもない酷い暴言だ。ただ、この日本では、こういった暴言がけっこう為されているのでそんなに驚いてはいない。逆に言うと、日本人は人権意識が極めて低い。しかし、こういうと「人権、人権とうるさいなあ」と思う日本人もけっこう多い。人権だけでなくポリコレが特にそうだが、日本人は何かに自己の発言を束縛されることを嫌う。ここでいう何かが人権やポリコレに該当する。それで日本人は腹いせに何か言いたいのだが、その腹いせの言葉に「そんなことを言ってはいけません!」と叱られると、逆ギレして「じゃあ、もっと過激になってやれ!」となりやすい。そんな連中に人権の大切さを訴えても馬の耳に念仏だろう。感情に押し流されて腹いせを言わずにはいられない短絡的な人間なのだから。今回、百田はすぐに訂正して謝罪したのだろうけど、その一方で、不満を腹の底でマグマのようにグツグツと溜めているネトウヨたちはいるだろう。そういった連中の目を覚まさせることはかなり困難だと思う。もっと若いうちに人権教育を施しておかねばならないと思う。一種の予防接種のように、大人になって不満を煮立たせるネトウヨにならないようにするために。さて、兵庫県知事選挙だが、この期に及んで斎藤支持になる人々が多いことに驚く。まるで原始社会の原人が善悪の判断が分からず、見た目だけとか、うわべの雰囲気とかで善悪を決めてしまうかのような愚劣さを感じる。日本に陰謀論を信じるような輩が多いのは薄々は気づいていた。例えば、ノストラダムスの大予言を真剣に信じていた輩が多かった過去がある。私は一顧だにしなかったのだが、なぜか気にかけている人たちが多かったことに当時は不思議に思ったものだった。日本人というのはそれほど真偽の判断ができない人たちなのだ(ただし、モノづくりの世界などでは実に細部にまでこだわる判定眼を持っていたりするのだが)。ネットメディアの隆盛でそれに拍車がかかった。日本の大衆は実に怖い群衆になりつつある。特に問題なのは日本では「多数派は正しい」と考える傾向が強い。多数派でも悪い場合があることに気づかないのだろうか?ナチスドイツが多数派になったこともあるし、戦前の日本が戦争を是としたことなど、多数派が間違ったことはいくらでもある。ところが、日本人は「赤信号、みんなで渡れば怖くない」とばかりに悪に突き進んでいく。この日本の傾向は本当に治らない。
 
日本経済がここまで凋落したらどうしようもない。資源のない国・日本は技術力で経済を支えるしかないと教わってきたが、もはや、その技術力も凋落してしまった。企業もどんどん世界経済の中で蚊帳の外になりつつある。そして、日本は貧しくなった。中間層は目減りして、目先の手取りを増やしたいという貧困層が増えてしまった。そうした貧困層が政治を学んだり考えたりする余裕はない。ましてや文化にお金を使う余裕などない。お金のためだったら犯罪に手を染める連中も増えるだろう。炎上商法で儲かるなら不道徳でもかまわないと手を染める者もいるだろう。エスタブリッシュメントな政治家はそういった愚民たちに愚民たちにふさわしいエサを与えるようになるだけだ。一部の富裕層と多数の貧困層。リッチで文化的で心豊かな富裕層と貧乏で心も貧しく品性もない貧困層。それが資本主義社会の正しい姿かもしれない。分厚い中間層ができるのは製造業で経済成長している途上だけかもしれない。サービス業で知識社会化した資本主義社会では、生まれながらの富裕層でない限り、狡猾な知恵がなければ貧困層に墜落するしかないのかもしれない。リベラルはかつての左翼と同じように貧困層に呼びかけようとしている。団結して立ち上がれば富裕層を打倒して平等で公平な社会が築けると。しかし、貧困層にそんな言葉は届かない。むしろ、警戒されたり、敬遠されたりしてしまう。残念だが、それが現実だろう。日本のリベラルはもう一度、自助論に立ち返るべきだと思う。天は自らを助くる者を助く。ひたすら地道にひたすら寡黙に自らの道を切り開いていくしかない。その姿を見せることで人々を啓蒙することだ。

11月17日(日)
投票前から斎藤前知事の人気が上がっているとの情報があったので青天の霹靂というような驚きは無かったが、とはいえ、やはり驚愕したといえば驚愕した。選挙戦が始まったときから投票日に至るまでの間に、民衆の中で斎藤前知事のイメージが大きく変わったのだと思うが、イメージを変えたのはひとつはフェイクニュースの力だと思う。かつて米国のトランプとヒラリー・クリントンの2016年の大統領選において、フェイクニュースが猛威をふるってヒラリーに関する嘘八百のフェイクニュースがヒラリーの人気に大きく水を差したということがあった。今回の兵庫県知事選もまさにそれに似た現象が起こったのだと思う。2016年当時はフェイクニュースがそんなに大きな影響力を発揮するとは思いもしなかったが、その後、米国のニュース番組にはファクトチェックという機能が備わるようになったので、いかにフェイクニュースが危険な影響力があるかというのがうかがいしれると思う。ちなみにトランプはフェイクニュースの力がいかに大きいかを自ら見て取って、その後もフェイクニュースを垂れ流すようになって、今でも「移民がペットを殺して食べている」などとウソを垂れ流している。ただ、トランプ支持者にはもはや事実などはどうても良くなっている面もあって、スカッとするような気持ち良ければいいとなっているのだろうと思う。兵庫県知事選に話を戻すと、今回の選挙は石丸現象や国民民主の躍進とは違って、フェイクニュース的な力が大きく作用したのだと思う。選挙期間中に斎藤前知事に対する新たな物語(←フェイクニュースも含む)が紡がれて、イメージを大きく変えたのだと思う。また、フェイクニュースには2つあって、組織的にフェイクニュースを作る輩(←2016年米国の場合、ロシアが組織的に作っていた)とネット広告の収益目的で作る輩があるのだと思う。今回、それに加えて立花孝志のようなデマゴーグが加わった。(彼が斎藤前知事を応援している時点でおかしいと気づくべきなのだが。)ともかく、ちょっと考えれば、斎藤支持になるなどおかしいと分かるはずなのに、それが分からなかった。トランプ支持者の場合はネトウヨの欲求不満が腹の底でグツグツと煮えたぎっていて、その不満を解消してくれるならフェイクであろうが何でも良くて、そこを上手くつかまえたトランプが彼らの欲するものを与えることで支持を得ているという構造がある。しかし、斎藤支持者の場合はそういうのは無くて、単純に物語によってイメージを変えてしまっている。物語を支えているのはフェイクニュースであり、物語を駆動している軸は陰謀論的なものの見方だったりする。(←陰謀論は米国ではディープステイトやQアノンなる陰謀論があるが、日本ではまだ明確な名称はないように思うが、ノストラダムスの大予言を薄っすらと信じるような国民性があって、日本の場合、大体、左翼やユダヤの陰謀とされることが多い気がする。)これだけ多くのひとが善悪の判断や物事の本質を捉えるのに間違った判断を下している。日本は経済も凋落したが、日本人自身も劣化してきているのだろう。そして、この傾向はますます強くなると思う。なぜなら経済はもっと悪化するから、人々が学ぶ余力もますます減っていく。そうすれば人材はますます劣化するだろう。この大きな流れは変えられそうにない。もしかしたら、国を憂いている場合ではないのかもしれない。日本が妄人だらけの国になったら・・・。ゾンビランドで生き残るためにを考える方が先決かもしれない。
 
追記
立花孝志のような悪質な選挙活動をする者にどう対処すべきかだが、まず、YouTubeから排除することだと思う。いわゆるYouTubeのポリシーに反するとしてBANさせることだと思う。そもそも炎上商法で収益に繋がるという手法が問題なのだから。広い意味では広告剥がしにしてしまうことだと思う。切り取りで収益を上げているYouTuberも同じ手法でBANされるとなれば立花孝志の動画をアップしなくなるのではないだろうか。さて、立花孝志の初志はNHKを見ないにも関わらずお金を課金するNHKの不当な課金システムにあった。これには私も首肯する。しかし、現在の立花孝志は初志から大きくかけ離れてしまっている。立花孝志はそろそろ熱狂から覚めて、初心に還るべきだと思う。
 
11月19日(火)
日本の偉大な詩人が亡くなった。合掌。

トランプが大統領選に勝ったのでネオナチがわが物顔で表を闊歩しはじめた。嘆かわしいことだ。
 
11月20日(水)
ソニーとしてはコンテンツを増やしたいんだろうと思う。方向としては間違ってないとは思う。でも、テクノロジーの企業としてのソニーはどうなんだろう。ちょっと淋しい。

11月21日(木)
最近はブラウザとしてはChromeはちょっと重い気がする。FireFoxの方が軽いような気がする。ただ、GoogleアカウントでログインしてGoogleのサービスを利用するときChromeは必須だと思う。分割されると色々と困る。GoogleよりAppleの方が余程独占的な気がするのだがなあ。
 
トランプの閣僚人事が酷いのが分かって勉強になった。また、「泡沫政党がネトウヨばかりで、ここまで日本が酷くなるとは思わなかった」という野間氏の発言に少し驚いた。以前にも書いたけど、日本は保守>リバタリアン>リベラルという順で、リベラルは少数派なんだ。まだ、韓国や台湾の方がリベラル比率は高いと思う。ただ、中国が習近平の独裁体制になったので、それを忌避して日本に移住してくる中国人が増えそうだから、その中国人がリベラルな人たちだったら、少し日本もリベラルの比率が増えるかもしれない。それにしても、中国が習近平、ロシアがプーチン、米国がトランプと、独裁者が世界の超大国を占めるようになってしまった。暗黒の時代が来なければいいが。独裁者がいかに酷いことをしたか。ヒトラーを筆頭に、スターリン、毛沢東などを勉強すると良い。

11月22日(金)
ちょっと残念に思う。昆虫食は宇宙食の可能性があったから。日本で昆虫食が広がったのは戦時中に食べ物が少なくなった時期ではある。もちろん、それ以前から昆虫食はあったが。世界にも昆虫を食べる民族はいる。オーストラリアのアボリジニとか米国の先住民とか。そういえば、カタツムリを食べるのも昆虫食の一種になるのだろうか?

11月23日(土)
兵庫県知事選で斎藤元彦氏に公職選挙法違反の疑惑が浮上してきたらしい。広告会社の折田楓氏が違法とは知らずにネットで暴露してしまったのがキッカケらしい。どうも言い逃れが難しいらしい。まだまだ兵庫県知事選から目が離せないようだ。また、立花孝志氏に対しても公職選挙法違反の疑惑があるらしい。こちらに関しては、いくらなんでもあのような選挙活動が合法とは言えないと思う。立候補しておきながら自らの当選は目指さずに斎藤元彦氏への投票を呼びかけるというのはさすがに違法ではなかろうか。また、敵対する陣営の自宅におしかけて街宣で脅迫まがいの演説をするというのもさすがに酷い話でこれも違法ではなかろうかと思う。
 
さて、今回の兵庫県知事選ではネットでデマ情報が飛び交ったらしい。そのデマを信じて斎藤氏に投票した有権者はかなり多かったようだ。これは米国のトランプvsヒラリーの大統領選と同じだと思う。その後、米国ではファクトチェックなる機能がメディアなどで付加されるようになった。日本も同じようにファクトチェックなる機能をメディアに付加すべき時かもしれない。ただし、デマとファクトチェックを比較すると、デマが拡散するスピードや範囲は広く、ファクトチェックはそれに追いつかないというのが実情だと思う。結局、デマを言ったもの勝ちという状況らしい。とはいえ、このままデマを野放し状態にしておくわけにも行かないから、やはり、ファクトチェックは必要な機能ではないかと思う。いっそ、天気予報のあとに「今日のファクトチェック」のようなコーナーを作って、その日の社会に広まっている代表的なデマを解説してはどうかと思う。今日のデマ情報として、「今日は移民がペットを殺して食べているという情報がありますが、これはデマでまったくのウソです」といった具合に天気予報や日経平均株価や為替レートと同じようにデマ情報を入れてはどうかと思う。オレオレ詐欺も当初はそんなものに騙されるひとはいないと思われていたが、その後、被害者がどんどん増えていくようになった。デマも同様で放置しておけばどんどんデマが蔓延してしまう恐れがあると思う。しかし、デマが飛び交うからといってインターネットを遮断するなどというのは間違った対応で、イタチごっこになるではあろうけれど、一つ一つ潰していくような対応をとる方が自由な社会を維持するために良いと思う。これはなんだかフィリップ・K・ディックの『ユービック』のような世界観に近いかもしれない。
 
11月28日(木)
郷原信郎さんによると、斎藤元彦・折田楓らのSNSの選挙活動は公選法違反でほぼ間違いないらしい。ただ、郷原さんによると、検察が公選法違反で立件するよりも、斎藤元彦氏自身が辞任して県知事選から撤退するのが良いらしい。理由は兵庫県政がこれまでずっと混乱が続いているので速やかに正常化するためにはそれが良いということらしい。どうも立件して県知事を辞めさせるには、けっこうな時間がかかるということかもしれない。それで辞職に追い込むにはマスメディアがこのことで斎藤元彦氏を厳しく追及すべきだと言っている。しかし、私が思うに、マスメディアに追及されて辞職するくらいなら、斎藤元彦氏はとっくに辞職しているのではと思う。それに、今回、多くの有権者がデマ情報にのせられて斎藤元彦支持になってしまっている。そんな状況で果たして斎藤元彦氏を辞職に追い込めるか甚だ疑問に思う。さらに立花孝志の存在がある。彼はすでに執行猶予の身でありながら、選挙活動であのような脅迫まがいの演説や自身の当選を目指さない立候補という公選法違反が濃厚な活動をしている。つまり、彼は有罪とされない限り、自分の利益になるためなら、どんなことでもやるだろう。(彼自身、かなり追い詰められているのかもしれない。)そんな人間が斎藤元彦支持にいるくらいだから、斎藤元彦氏が自ら辞任するなど考えにくい。結局、公選法違反として立件されない限り、斎藤元彦氏は県知事の地位に居座り続けると思う。時代は変わったのだろう。以前は「恥知らず」と言われて自ら身を引いていくモラルがあった。しかし、今の時代、何と言われても、自ら身を引くこともなく、ウソを認めずに永遠にウソをつき続ける。なぜ、そうなったのか?おそらく、余裕の無い時代になったのだと思う。経済大国だった頃はまだ余裕があった。しかし、日本経済がここまで凋落して貧しくなってしまい、人々に余裕が無くなったのだと思う。例えば、悪事の小ささのわりには過剰なバッシングが起こったり、真っ当な批判に対して批判そのものを悪質なクレームの如く捉えて「批判のない政治を」と唱えたりする。買い物において些細な行き違いに過剰にキレる顧客というのもどこかつながっている。今の日本人は余裕が無くなってしまった。では貧しくなった日本で、日本人が暮らしやすい社会を形成して維持していくために何が必要かをよく考えないといけない。しかし、心貧しい妄人のようになった日本人には、そんなことを考える余裕は無いのだろう。
 
クルド人に対して嫌がらせにきた河合悠祐や日本保守党の連中がしばき隊に退治される動画だった。レイシストの人数に対して反レイシズムの人たちの人数が圧倒していて、日本もまだまだ捨てたものではないと思えたが、反面、多勢に無勢の状況でこれが逆転したら怖いなあとも思った。ナチスドイツの頃の水晶の夜もきっとレイシストの方が多かったのだろうし、つい先日の英国の移民差別の衝突もあとから駆けつけたアンチファの人たちが加わったから良かったものの、最初はレイシストの方が多かったので、レイシストの方が多くて過激化したらどんな悲劇が起こるのかと想像すると恐ろしくなる。実際、関東大震災で起こった朝鮮人虐殺はそのような状況だったのだろうと思う。もう少し、話し合いという回路はできないものかと思う。ただし、これは反レイシストの側に問題があるのではなく、保守の側に問題があると思う。というのも、嫌がらせ行動に出るというのがもってのほかだからだ。 保守の側に一分でも理があるというのなら、ちゃんと話し合いの場に出てきて話し合ったらどうかと思う。それに保守はもっと他にやるべきことがあるのじゃないかと思う。それは何かというと、日本の文化や精神性がどんどん失われていっている現状に対して、それらを保持・継承していく活動をちゃんとやっているのかと思う。日本文化は中国やアジアなど東洋文化を広く吸収して形成されてきている。それなのに昨今の保守はそれら外国由来の文化を排除してしまって日本文化を貧しくしてしまっている。日本の保守はもっと日本文化を本来の豊かな姿に戻す努力をすべきだと思う。ところが、河合悠祐などは紫色のスーツに白塗りのメイクでよく日本の保守と言えたものだと思う。いや、もちろん、外見だけ日本風にしてもダメだ。かつての日本の保守は質実剛健で真面目であり、弱きを助け強きを挫くという武士道的な精神性を理想として持っていた。それなのにクルド人に嫌がらせに行くなど弱いものいじめではないか。まったく真逆ではないか。日本の保守はもっと日本文化や日本の精神性を取り戻すこと、自らを見つめ直すことから始めたらどうかと思う。そう考えてよく思うのが、米国大陸に移民した中国人や日本人のことだ。彼らは自分たちの文化を保持し継承するために、日曜学校を開いて自分たちの文化を子どもたちに教えたり、自分たち自身もコミュニティを形成して文化を持続したりする努力をしている。日本に住んでいる保守はそういった努力を怠っているのではないかとつくづく思う。
 
今月の振り返り
今月を振り返ってみると、日本でも、とうとうフェイクニュースとの戦いが始まったのだと思う。米国のトランプ現象を見ていたときは対岸の火事のように思っていたが、今回の兵庫県知事選を見ていて最も効力を発揮したのがフェイクニュースではないかと思う。そして、ブログでも書いたが、フェイクに対してはファクトチェックで対抗するしかないと思う。フェイクが拡散していく拡散力に対して、ファクトチェックでフェイクを潰す修正力は後手ではあるが、一定の効力があると思う。それに人々が世に広まっている情報にはフェイクが混じっていることに気づけば、少しはフェイクが拡散する力を抑制することができるかもしれない。それにしても、フェイクとファクトチェック、レイシストと反レイシズムなど、フィリップ・K・ディックの描く『ユービック』のような、どこまでも捕食的世界が続くのに似ている。ポストモダンは確かにそういう世界なのだろうと思う。

ちょっと余談になるが、保守はリベラルに対して「左翼め!」と決めつけて批判したがる。保守は左翼というレッテル貼りが批判になると思っている。一方、リバタリアンはリベラルに対して、アレコレと注文をつけたがる。アレコレと注文をつけて「だからリベラルはダメなんだよ」と批判して自分を上に置きたがる。そして、リベラル自身は内省的過ぎる。「アレも注意しなければ。コレも気をつけなければ」と内省の罠に陥りがちだ。しかし、実際にやっていることの酷さで言えば、保守やリバタリアンの方がよほど酷いことをしている場合が多い。私が思うに、リベラルはあまり細かいことにこだわり過ぎずに、「おおまかに合っていれば良し」とすれば良いと思う。人間は間違えるのだから間違えばその都度修正していけばいい。内省的になり過ぎて、保守の言いなりになってはいけない。リバタリアンに耳を貸しすぎてもいけない。どう考えても愚劣な保守やリバタリアンに対して受け身や守りばかりになってはいけない。リベラルは内省的過ぎるために受け身になりやすい。しかし、それだと愚劣な保守やリバタリアンに主導権を握られてしまう。そうならないようにリベラルも攻性であるべきだと思う。確かに多様な社会というのは寛容さや誠実さが必要だが、一方で、保守やリバタリアンの愚かな主張をいちいち真に受けずに適当に聞き流すスルー力も必要だ。リベラルの隣に保守やリバタリアンが引っ越してきたとして、嫌だからといってリベラル地区に引っ越してしまう前に、保守やリバタリアンの戯言をテキトーに聞き流すスルー力も必要なのだと思う。それが多様な社会の有り様のひとつだと思う。

 
最近読んだ本
 
射精責任
今まで性に関する本で表紙が赤い本として『トランスジェンダー問題―議論は正義のために』や『アダルトグッズの文化史』を紹介してきたので、それにちなんで、この表紙の赤い本『射精責任』も紹介しようと思う。実際はちょっと前に読んだ本なのだけど。内容は米国では中絶問題が取り沙汰されているが、そもそも望まない妊娠を生み出した張本人は男性ではないかという指摘がこの本の問題提起だ。中絶せずに生むべきか、それとも中絶すべきかと女性は悩むのだが、そもそもその原因を作った男性は何をしているのかと。望まぬ妊娠を避けたいなら、ちゃんと避妊すべきだし、コンドームの着用を拒否するなら、いっそパイプカットしてはどうかという話だ。ただ、どちらかというと子どもを望む人数を生んでから、パイプカットして、その後のセックスライフを楽しむというのが一般的だと思う。あるいは、精子を凍結保存してからパイプカットして、普段はセックスライフを楽しんで、子どもが欲しくなったら凍結保存してある精子で妊娠してはどうかという提案もある。あるいは、再建手術をして再び精子を射精できるようにして妊娠してはどうかという提案もある。ただし、再建手術が100%可能かというと必ずしも可能ではないみたいだった。ちなみに、人工授精より自然妊娠の方が障害のない健康な子どもを授かる確率は高いという話を聞いたことがある。女性の生殖器は健康な精子を選別するフィルターでもあるらしい。私の世代ではパイプカットというと大橋巨泉が有名だった。ただ、男性の場合、コンドームを着用してても、着用していなくても、感度はあまり変わらないらしい。感染症対策という面ではコンドームは優れている。ちなみにTENGAなどのアダルトグッズでマスターベーションするときも、バイ菌を防ぐためにコンドームを着用した方が良いらしい。ちなみに、セックスの途中でコンドームを外すことをステルシングというらしい。また、本書によると妊娠・出産による死亡率は交通事故や警察官の勤務中の死亡率より1.5倍ほど高いらしい。そして、望まぬ妊娠を防ぐには避妊具の無償提供と質の高い性教育が良いとのことだった。その他にも色々とためになる知識が本書には記述されている。さて、著者の主張に賛同するか否かは別にして、本書は知識として知っておいた方が良いとは思う。



2024年10月31日木曜日

NEWS2024.10

 
10月1日(火)
以前から宣言していたイランの報復攻撃がこのタイミングで実施された。イスラエルはもとより米国もイランを非難する声明を発表する。 イスラエルvsイランの構図がますます強まってきた。結局、ネタニヤフが政権維持のために戦争を仕掛けているとしか思えない。自分の権力を維持するためならば戦争も辞さないし他者の生命などこれっぽちも意に介さないというおぞましい考え方だ。
 
首都であっても簡単に攻撃できてしまうんだなあ。
 
この前原誠司の動きは立憲の野田と示し合わせていると思う。立憲は維新と本気で手を組むつもりらしい。 
 
10月3日(木)
石破内閣の法相・牧原秀樹がかなり酷いのが分かった。三原じゅん子も。さらに立憲民主党のネクスト内閣の渡辺周も。立憲もとうとう保守に大きく舵を切った。もはや立憲も保守と考えて間違いないだろう。

10月6日(日)
どうやら立憲は共産党と共闘するのを拒否したらしい。だが、維新とも棲み分けするはずだったと思ったが。維新の党勢が落ちているからなあ。維新とて選挙の間だけ立憲と手を結んで、その後はどうなるか分からないし、立憲だって同様だろう。いや、立憲は頭数として維新の議員が欲しいのだろうが。いずれにしても、第二自民党になる野望に過ぎない。

今週は石破内閣をどう評価するかという話が多かった。もちろん、私が見ているメディアに限っての話だが。そして、おおむね石破は基盤が脆弱で思うように政権運営できていないという見立てだった。私自身は今のところ静観している感じだが、引っかかっていることがある。それは自民党の総裁選のとき高市が党員票を石原を上回って集めたことだ。統一教会が自民党員となって票を増やしたのではという意見もあったが、むしろ、自民党の党員がネトウヨ化していると見るべきだと思う。これは自民党に限らず、日本全体がネトウヨ化しているのだと思う。それは日々の暮らしから肌で感じる感覚としてもそう思うからだ。実際、立憲民主党も右旋回したのは肌で感じている部分が多いのではないだろうか。このまま行くと、石破政権は短命に終わる可能性が高い。そして、次に来る政権はおそらく極右政権になる可能性が高い。イタリアでさえ極右政権が誕生したのだから、日本に極右政権が誕生してもおかしくない。いや、そもそも安倍政権が極右政権だったと言ってよかろう。安倍晋三が暗殺されて核となる人物がいなくなってしまったが、再び誰かが極右の核となる者として押し上げられる可能性が高い。日本人はその民族性として極右に流れやすい民族なのだと思う。それは日本人自身がよく知っていることではないだろうか?日本人の抑圧感の根源にあるのは極右への恐れがあるからだと思う。そして、日本人は極右を倒そうとするのではなく、極右からいじめられないようにしようとする傾向が強い。正義や善を貫くのではなく、強い者になびき弱い者に居丈高になるという傾向が強いのだと思う。そして、善悪ではなく損得勘定で行動するのだと思う。ともかく、遠からず日本に極右政権が誕生する可能性が高い。リベラルとしては、極右化への歩みを少しでも遅らせたいならば、例えば自民党に入党して穏健派を支持するとかだと思う。いずれにせよ、自民党も立憲も極右化していくのだから、日本の政治に希望はない。一方で、共産党は極右にとって丁度良い敵にしやすい。極右組織をまとめていくには敵が必要だからだ。ただ、リベラル派としては直近の選挙では共産党を支持するしかないが、再びリベラル政党が新たに設立されることが望ましい。したがって、リベラル派の人々は、当面は、アンチファシズム、アンチファ、反レイシズムとして活動するのが良いように思う。ちなみに東京都知事選で注目された”ひとり街宣”が良かった。プラカードを持ってメッセージを送るだけの地味な活動だが、あれが今後は多くの地域でアンチファシズムの社会運動として起こって欲しいと思う。あとは本当に地味に自分の周辺からリベラルを増やす啓蒙活動をするしかないと思う。
 
10月10日(木)
ジョーカーのメイクで有名になった政治家・河合悠祐がパトロールと称してクルド人にヘイトを働くために蕨駅に向かったのを反差別の人たちに囲まれて逆に返り討ちにされる動画が今週の特集だった。ツイッターで流れていた動画を見たら、追い詰められた河合悠祐の切羽詰まった表情と野間氏の面白くて仕方ないといった感じの笑った目が印象的だった。あまりにダメダメ過ぎて河合悠祐がちょっと気の毒にさえ思えたが、とはいえ、河合悠祐ら差別主義者たちのヘイトでどれだけクルド人の人たちが傷つき恐怖をおぼえているかを考えると、悪いのは河合悠祐たち差別主義者たちなので情けは無用だとも思うのだった。特にクルド人の子どもをヘイトの対象にまでしているので小奴らを許してはならんと思うのだった。本当は河合悠祐らが改心して真人間になってくれるのが一番良いのだが、なかなか改心するのは難しいだろうとも思う。それから、炎上商法で注目を集めて商売につなげるという手法が少なからず効果があるから、こういった輩が出てくるのであって、世間はこういった輩に乗せられないようにもっと良識やモラルを持ってほしいと思うのだった。

日本原水爆被爆者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したとのこと。しかし、これまでの日本政府の核兵器に対する対応を見ていると、とても被爆国とは思えない対応をとっている。そういった日本政府の対応を少しでも変えられれば良いのだが。

10月12日(土)
今回のマル激は日本被団協がノーベル平和賞を受賞したタイミングでの核戦争の話だったので、大変タイムリーだった。と同時に、現代人は少なからず核兵器というものについて勉強しておくべきだとも思う。核兵器は戦争を変えた兵器で、人類の歴史を大きく変えたものだからだ。日本は被爆国ゆえに被爆国という立場からの観点が目立つが、もっとマクロな視点で人類社会にとって核兵器というものを考えておくべきだとも思う。

10月17日(木)


10月18日(金)

 
 
10月19日(土)
 
 
10月20日(日)
ひとり街宣の実践者たちの話を聴けて大変参考になる。路上読書会も興味深かった。


10月21日(月)
 
10月24日(木)
全然知らなかったのだが、弘兼憲史が安倍類だと分かったのは収穫だった。ちなみに『島耕作』、ほとんど読んだことがない。散髪屋さんで待ってるときにたまたま1話くらい読んだ程度。サラリーマン漫画は『山口六平太』くらいしか読んだことがない。石ノ森章太郎の『HOTEL』がサラリーマン漫画に該当するなら『HOTEL』もそうだけど。いずれも『ビッグコミック』だった。読んでた青年漫画雑誌は『ビッグコミックスピリッツ』がメインだった。『ビッグコミック』は『ゴルゴ13』と『カムイ伝第2部』が読みたかったから。『モーニング』はほとんど読んでない。『ああ播磨灘』を単行本でどこかで読んだっけ?『ハートカクテル』をたまに読んだような気がするが、私の周囲はハートカクテルを馬鹿にしている人が多かった。私は嫌いではなかったが。昼休憩のとき喫茶店で読む雑誌がないときに『モーニング』が空いてたら読むといった感じだった。

10月26日(土)

最高裁判事の国民審査の判断材料にするためにビデオニュースは大変参考になる。選挙前の必須視聴。


10月27日(日)
自民党が過半数割れしたが、あまり嬉しくない。理由は立憲民主党が保守になってしまったので、リベラルの私としては投票先が無くなってしまったからだ。私としては、今回は選挙が始まった段階で終わっていた。私にとって「リベラルの敗北」という選挙だった。今回、立憲民主党は議席を増やしたので、良くない前例を残したと考えている。リベラルでなくても勝てるのだと。むしろ、保守になった方が票が取れるのだと考えるかもしれない。開票結果を分析すれば必ずしもそうではないと思うが、しかし、それでも多くの立憲民主党の議員たちは保守の方が選挙に勝てると考えるようになると思う。結局、日本にはリベラル政党は育たないまま終わってしまった。それは共産党が議席を減らしたことからも分かる。また、公明党が票を減らしたことは戦後の平和主義を支えてきた世代が高齢化して減少してしまったこともあると思う。国民民主党が議席を増やしたことは石丸現象と似ている。「手取りを増やす」というフレーズが効果を発揮した面がある。これは劣化を意味する。政治を考えるとき国全体を考えるべきものだった。実際は地元に利益を誘導するという本音があったとしても、国全体を考えるという建前があった。ところが、最早、そうではなくなった。自分にとって得か損かで決めるような有権者が増えた。それは失われた30年によって日本の競争力の低下→日本の経済力の低下→有権者の貧困化という流れで、もはや有権者は経済的に自分にとって得か損かで決めるように劣化してしまったのだと思う。昔はアジアの貧しい国がそういった政治だったのだが、それがとうとうに日本になってしまったのだ。戦後の経済成長で余裕があった時代は終わったのだ。また、かつての経済大国を取り戻すという余力も無くなった。技術立国を支えてきた企業が世界市場から消えていったからだ。経済成長期の政治談義など意味が無くなった。また、日本の教育が政治的知識を教えなかったので、日本人は政治的知識が貧しいものになった。結果、石丸現象に見られたポピュリズム政治になってしまった。恐ろしいのはそういう社会の場合、得てして危険な独裁者を生んでしまうリスクがあることだ。政治的な専門知識がある者を選ぶのではなく、乱暴なポピュリストを選んでしまい、そういった人物に権力を集中してしまいやすいのだ。したがって、それに抵抗するには三権分立をより強めることだと思う。日本の場合、議院内閣制だから、まず司法にもっと権限を与えて、政府や立法府を牽制できるようにすることだ。しかし、である。大抵、こういう場合は悪い方向に向かう可能性が高い。逆に司法も権限を独裁者に委ねたりする結果になりやすい。つまり、落ちるときはどんどん悪い方向に落ちていくのだ。どんどん暗い気持ちになる。いずれにせよ、リベラルは有権者としてできることは無くなった。なぜなら、選択肢の中にリベラル政党が無くなったからだ。立候補しているのが、全部、保守だったら、選びようがないではないか。リベラルは有権者としてできることは無くなったが、社会活動としてはまだやれることがあるとは思う。インターネットのおかげでヒトとヒトが繋がりやすくなった。リベラル同士で横の繋がりを広げていき、少しでもリベラルの命脈を保つように工夫するしかないと思う。
 
追記
2021年10月の第49回衆議院議員総選挙のとき、私は森友・加計問題などでリベラルは何もしなくても勝てると思っていた。 ところが、フタを開けてみたらまったくダメだった。しかも維新が議席を増やした。今回、裏金問題で自民党は大きく議席を減らした。どうも日本人は森友・加計のように国の財産が不正に使われてもあまり文句を言わないらしいが、裏金のようにカネが自分たちにばら撒かれないとなると怒るらしい。「政治とカネ」の問題とよく言われるが、日本人はそういうカネの使われ方に対する憤りらしい。私などは森友・加計の方が裏金問題よりも酷いと感じるのだが、世間一般の日本人はそうではないらしい。森友・加計問題を軽視する背景には、親方日の丸の感覚があるのかもしれない。国債発行で乗り越えようとするのもその辺りに心理があるのかもしれない。しかし、無限に国債発行で乗り切れるわけではなくて、アキレスと亀のように、いつかはアキレスが亀を追い抜くときが来る。そのときは、財政破綻という恐ろしい結果が待っている。グレン・ハバードとティム・ケインの著書『なぜ大国は衰退するのか』の中で、債務残高に対する国債の発行上限を憲法で定めて制限することを提唱していたが、まさにその通りだと思う。 しかし、日本は一度始めたら爆発するまで止められない国だから、クライシスが起こるまで国債に頼るのだろうと思う。そうして、爆発してはじめて制限を設けようと考えを変えるようになるのだろう。しかし、そうなってからでは遅いのだが、残念ながら、分かっていても避けられない悲劇というのが世の中にはあるのだろう。


最近読んだ本

『モードとエロスと資本』
この本はファッションの歴史について勉強しようと思って成実弘至さんの『20世紀ファッション』や中野香織さんの『スーツの文化史』を読んだ後に買って読んだ本。2000年代のモードの傾向について書かれた本なのだけれど、モードから恋愛が遠ざかっていく話が興味深かった。宮台真司さんが随分前に「若者が恋愛から撤退している」と話されていたのが、この本を読んでモードを通してそれがよく分かった。その一方で、「女の女装」や「セクシーからエロい」へ変わっていった話も面白かった。恋愛からは撤退しても性愛から撤退したわけではなくて、セックス・トイ、いわゆるアダルトグッズ、あるいはフェムテックへと向かっていくのがよく分かった。


『アダルトグッズの文化史』
この本は今年読んだ本で一番面白かった本になるかもしれない。タイトル通り、アダルトグッズの歴史の本なのだけど、内容的にはフェミニズムの本と言っていいかもしれない。男性のためのアダルトグッズではなくて、主に女性向けのバイブレーターやディルドの歴史の話と言っていい。特に、ベティ・ドッドソンのエピソードが大変興味深かった。女性が男性とのセックスではなく、マスターベーションによってオーガズムを得られることで自立できることを謳っているのが目からウロコだった。『マスターベーションの解放』というワークショップを開いてみんなでマスターベーションをする話などなかなか刺激的だった。私などはマスターベーションをセックスの下位に置く傾向があったのだが、別物だと考えた方が良いと確信を持てた。ちなみに、アダルトグッズが革命を起こしたわけだが、そこで使われていたアダルトグッズが日立の電気マッサージ器(マジックワンド)だったり、日本製のラビット型バイブレーターだったりと日本製品が大活躍しているのだが、その機器の開発史自体は触れられいないのが残念だった。これは日本人が歴史を残さないことに問題があると思う。なお、上野千鶴子さんと湯山玲子さんの対談本『快楽上等!』の中で「相手のあるセックスとマスターベーションは別腹」という名言がある。このお二人の言葉を読むと、日本も決して遅れているわけではないかもしれない。そして、言うまでもなく、日本におけるTENGAの活躍がある。TENGAから派生した、女性向けプレジャーアイテム、irohaがある。かつては、おしゃれな女性向けアダルトグッズとしては、スウェーデンのLELOや米国のSVACOMやドイツのWOMANIZERが有名だったが、日本のirohaがそれらに負けず劣らずのクオリティを出せるのではないかと大変期待できる。男性はポルノは必要でもアダルトグッズは必ずしも必要としないが、女性の場合は逆に多くの女性はアダルトグッズを必要とするのではないかと思う。また、女性に生理があるように、男性はマスターベーションを必要とすると思う。セックスライフはどうしても秘められたものとして情報不足・理解不足になりやすいが、インターネットの出現で知識が十分に広まるようになってきた。これからの若い世代は豊かなセックスライフを送れると良いと願う。ただし、禁欲も大事だということは最後に言っておきたい。


『TENGA論』
TENGAの開発史の本です。TENGAの創業者松本光一の話が大変興味深い。元々は自動車整備の仕事をしていて、TENGAに辿り着く。そして、良い製品を作りたいという情熱。真面目な取り組みが本当に興味深かった。障害者のセックスライフを豊かにするために協力したり、妊活や遅漏早漏の治療に役立てたりとその真面目さが素晴らしかった。そして、リリー・フランキーさんの女性器の代用品ではなくてTENGAという性別という発想が素晴らしかった。これはセクサロイドへ通じる考えだと思う。
 
私は少子化自体は悪いことでは無いと思っている。人類が増えすぎることは地球(ガイア)にとって必ずしも良いとは限らないからだ。野生の熊やイノシシが山に食べ物が無くて里へ降りてくるが、人類が減れば野生動物の住む世界も広がるかもしれない。現在、人類と家畜とペットに対して、野生動物の比率があまりにも低すぎる。人類が減ればそれが改善されるかもしれない。ただし、今の経済システムで人口減少してしまうと問題が発生してくるだろう。しかし、それはまた克服すべき問題として、少ない人口でも破綻しない経済システムを工夫すれば良いだけの話だと思う。恋愛と性愛の分離についても悪い話ではないと思う。恋愛と性愛が不可分になってしまうことでかえって問題になってしまうケースが多いと思う。不可分であるために望まない結婚や妊娠が増えるのではなかろうか?逆に、セックスワークが合法になったり、マスターベーション技術が進歩すれば、恋愛と性愛が分離しても問題ないように思う。むしろ、セックスライフが豊かになるのではなかろうか?ただし、愛について人々が学ばないリスクが生じるかもしれない。愛というのは、多くの場合、微弱な力だ。マネーの方が社会を回す力として強い。だが、微弱だからといって、愛は不要なものではない。人間性の中で愛はとても重要な要素だ。愛を学ぶ機会をもっと考えるべきかもしれない。そういう意味では、恋愛と性愛が分離した方がよりピュアに愛について考えられるかもしれない。愛について学ぶために、恋愛と性愛が分離するのは必ずしも悪いとは言えないと思う。そもそも、古い男女関係は農業社会において築かれたものが多い。20世紀の工業社会を経て、21世紀は知識社会に突入した。新しい男女関係や愛について学ぶ機会も新しく考え出さねばならないのかもしれない。
 
 

2024年9月29日日曜日

NEWS2024.09


9月3日(火)
雨宮処凛さんによる石丸支持などの分析が大変参考になった。やはり、現場を知っている人の言葉は良い。

9月4日(水)
クルド人差別の話で大変参考になった。雨宮処凛さんの新著を貼っておこう。

『難民・移民のわたしたち: これからの「共生」ガイド (14歳の世渡り術)』

9月5日(木)
小池百合子が追悼文を送らなかったことがかえってヤブヘビになったという話はナルホドと思った。けれど、朝鮮人虐殺がここまで注目されるようになったのは、起点はNoHateTVであり、安田浩一さんの地道なレポートであったと思う。野間・安田両氏の尽力が大きく影響したと思う。もちろん、それまでの市井の人々が記録を残したことが基礎にあるが。

9月6日(金)
ガソリン車に代わる電気自動車の開発はなかなか難しいらしい。さらなる技術革新が必要なのかもしれない。


今週の記憶に残っているニュースは自民党総裁選と立憲民主党代表選の話かなあ。公明党も代表選をやるらしいというニュースをチラッと聞いたが、池田大作亡き後の公明党がどのように変貌していくかも興味がある。公明党が統一教会の手法を真似て政界に秘書やボランティアを送れば、かなり食い込んでいけると思うのだが、さすがにそれは難しいのかもしれない。それに公明党は既に選挙でかなりの強さを持っている。
 
自民党は誰が総裁になっても自民党のままなんだろう。ただ、自民党も以前とは随分様変わりしてきたと思う。以前は政治家を志す人々が自民党に集まる傾向があったが、今は二世議員のような世襲政治家ばかりがメインになってきたと思う。それ以外は維新と同じで政策が無く、実力や中身の無い野心家ばかりになってきたと思う。
 
一方、立憲民主党はというと、党内でのリベラルと保守との争いといった感じ。そして、保守の方が多勢なんだろう。立憲内のリベラルは劣勢なんだと思う。ネットで立憲を応援している人はリベラル派なんだけど、立憲民主党の内部の実態は保守派が優勢という矛盾がある。以前から言っているように、立憲民主党は早く分裂して、リベラルを看板に掲げて、弱小勢力であったとしてもリベラル政党として旗揚げした方が良いと思う。政権交代したいがために保守派も取り込めという意見があるが、第二自民党になろうとして民主党はずっと失敗してきた歴史がある。いい加減に第二自民党になるという夢は諦めて、リベラル政党として立ち上げるべきだと思う。維新の失敗を見ても分かるように第二自民党の改革政策は失敗に終わる可能性が高い。まだ、維新よりは自民党の方が政策としては上手なんだろう。逆にリベラルはまだ伸びしろがある。第二自民党予備軍は乱立する保守政党群の中で合体と分裂を繰り返すだろう。あの連中は、皆、自分勝手で、かつ、損得勘定で動く連中だ。まとまるのは至難だし、まとまっても持続するのは難しい。そして、政策の手腕はお粗末だ。だから、彼奴らはずっと第二自民党予備軍に終わる。一方、リベラルは世界の趨勢を見ても、日本ではまだ伸びしろがある。ただし、まだまだ足腰が弱い。もっと地方自治体レベルから政治家を育成していくべきだ。いや、今回の兵庫県知事の問題を見ても、地方自治体の真っ当な人材を取り込んでいくべきだと思う。リベラルはまだまだ人材を育成していく時間が必要だ。
 
9月12日(木)
今回の特集は帝国議会の議事録を読むことで関東大震災の朝鮮人虐殺に関する認識を確認し、現代と比較する回だった。勉強になった。ただ、バカニュースが無いのが残念だった。
 
9月14日(土)
大沢真理先生の話は数値に基づいた話でいつも大変勉強になる。
 
先週の雨宮処凛さんの話がとても面白かったので、デモクラシータイムスの少し前の動画も拾って見てみたら、面白かった。
 
 
今週は米国大統領選のテレビ討論会があったらしい。残念ながら見れてない。下馬評ではハリス氏が優位らしい。しかし、差はわずかで決定的なものではないようだ。おそらく、最後までギリギリの攻防が続くんだろう。
 
自民党の総裁選も立憲民主党の代表選もだんだん興味が失せてきている。元々、自民党の総裁選は興味があまり無かったし、立憲民主党の代表選もリベラル色が弱くて保守色の方が強いのでこちらも興味が持てなかった。それどころか、立憲が維新と手を組もうとしているらしいので幻滅している。私は自民党は嫌いだが、維新はもっと嫌いだ。仮に維新が連立政権に加わるくらいなら、立憲が政権など取らない方が良いと思っている。 なので、維新と手を組むなら、立憲を支持する気は無い。
 
日本は経済がダメになって政治もダメになっている。そして、人材もダメになっているのだろう。日本は独特の文化を持っているが、明治以前の日本は他国と比べて欠けているものも多かった。例えば科学も国民主権も日本からは生まれでなかった。日本はこのままでは再び明治以前に戻っていくように思う。日本は問題を解決せずに先送りばかりしてきたために、問題が山積みになってにっちもさっちも行かなくなった。何事もフロー重視でストックを軽視する傾向が強い。目先ばかりで過去を忘却する。いろいろな意味で日本は衰退する。この流れは止められない。
 
9月19日(木)

9月20日(金)
犯人はほぼイスラエルに間違いなかろう。それにしても、イスラエルのやることはムチャクチャだ。これを西側諸国が非難しないのはあまりにも酷い。

9月21日(土)

 
 今週も忙しくてニュースをチェックするどころではなかった。ただ、立憲民主党に対する信頼がどんどん落ちていく。リベラルはもはや共産党支持で良いのではないかと思う。立憲の多くの議員は第二の自民党になりたいだけだ。しかも維新なんぞと手を組もうとしている。原発にも反対と言わなくなった。そんな輩に国政を任せるくらいなら落とした方が良いと思う。自民党は自民党で統一教会と関係が切れないようだし、昔のような厚み・深みが無くなってきたように思う。結局、社会の基盤としての機能がどんどん崩壊しているからだろう。日本の政治・経済・社会が軒並み劣化しつつある。もうどうしようもないのだろう・・・。
 
 
9月22日(日)
経産省は何を考えているのか?ただちに改めるべきだろう。
 
『八重の桜』は私が大河ドラマで最も好きな作品。綾瀬はるかさんは今年も会津まつりに参加とのこと。もう11年目になるのかなあ。凄いなあ。
 
9月25日(水)
立憲民主党に対する升味佐江子さんの評が正しいと思う。「立憲民主党の終わりのはじまり」。まさにその通りだと思う。リベラル派は立憲民主党支持を辞めて、共産党支持に変わるべきだと思う。
 
9月26日(木)
長かった。本当に酷い話。  

私はイスラエル大使館の前でどうげんぼうずの近廣さんが抗議の声を上げているのを見ると、つい涙ぐんでしまう。そして、このひとは偉いなあとつくづく思う。イスラエルがガザで行っている虐殺を見て、遺体、特に子どもたちの遺体を見て本当に酷いと胸が苦しくなるし、声を上げなければと思うのだが、実際にはできてない。だから、どうげんぼうずさんがたった一人でイスラエル大使館の前で抗議を声を上げているのを見て、本当によくやってくれたと思うのだ。本当に偉い!!!
 
9月27日(金
私の好きな歴史ドラマ『ダウントン・アビー』でヴァイオレットお祖母様を演じたマギー・スミスさんが亡くなったとのこと。映画板でも大往生を遂げて幕を閉じていたのだが。合掌。
 
私はまったく石破氏が勝てるとは思っていなかったので大変驚いた。決選投票で反清和会が結集して勝利したということだろうか。 第1回投票で党員票で高市がトップだったことにも驚いた。自民党のネトウヨ化が進行しているとしか思えない。それにしても、我が世の春を謳歌していた安倍派がここまで凋落するとはなあ。山上徹也の銃弾が歴史を変えたということだろうか。テロによって歴史は変わらないと思いたいところだが、こうなると山上が歴史を動かしたと言わざるを得ないかもしれない。もちろん、自民党の裏金問題を暴いた赤旗や上脇教授の力も大きかったが・・・。
 
9月28日(土)
イスラエルは何を考えているのか?いつまでも自分たちの優位が続くと思っているのだろうか?その優位が崩れたとき、しっぺ返しを食らう羽目になるのだが、そのことに気づかないのだろうか?
 
 
まとめ
今月のトピックは立憲民主党の代表選、自民党の総裁選、兵庫県の斎藤知事問題が大きな話題だった。
 
斎藤知事については早く消えてほしいと思うばかりだ。ただ、逆に斎藤知事を支持する人たちが少し出てきたらしいという話も聞く。相変わらず日本人は物事の本質が分からず、感情や気分で判断が左右されてしまうらしい。5.15事件のときも途中で犯人たちに同情しだすひとが出たらしいが、それと少し似ている。

立憲民主党については、第二自民党への道を歩みはじめたと思う。かつて小池百合子の希望の党へ向かったのと同じ道だ。今までリベラルとして立憲民主党を支持してきたのがアホらしくなった。なので、リベラル派はもはや共産党を支持するしかなくなった。共産党もいろいろと問題があるが、共産党以外は保守政党ばかりになってしまったのだから、仕方ない。
 
自民党の新総裁に石破茂がなった。ビデオニュースで今まで石破茂の主張は見てきているので大筋では彼の考えは分かるような気がする。日米地位協定について言及していたのも良かった。とはいえ、彼はタカ派で保守だ。しかし、清和会の政治家と違って、政策に理路がある。さて、どうなるものやら。安倍政権時代にあれだけ干されたのだから、石破の基盤は弱い。それでどれだけ政権を運営していけるか。今はお手並み拝見といったところだろう。
 
いずれにしても、日本のリベラルはかなり後退してしまった。とにかく、今は地道にリベラルの仲間を増やしていくしかない。
 

2024年8月31日土曜日

NEWS2024.08


8月1日(木)
中東情勢が緊迫しつつある。それにしてもイスラエルはどうかしている。
 
今週のNoHateTVは私の好きなタイプの話、エスニックな話だった。クルド人の料理の写真がとても美味しそうだった。以前、野間易通が言っていた名言で「移民が来るとメシが美味くなる」説を思い出した。できればクルド人がどんな人種の人たちかとか、民族性とか風習とかの写真も見てみたかったが、プライバシーの問題とかあるだろうから、なかなか難しいのだろうなと思った。クルドの言語の響きとか民族音楽とかもあるなら聴いてみたかった。ともかく、外国文化が入ってくることは日本の暮らしを豊かにしてくれると思う。私は音楽には疎いのだけれど、高校生の頃、友人の影響でYMOを聴かされて、細野晴臣さんの音楽とかを聴くようになった。細野さんの音楽はエスニックな感じの音楽が多くて好きだった。(音楽の植民地主義と揶揄されたりしたみたいだけれど、でも音楽の豊かさに触れられた気がした。あ、でも、高校生の時はテクノっぽいものが好きだったけれど。)食文化もそれと似ていて、外国の食文化に触れると暮らしが豊かになると思う。以前、安倍政権時代だったと思うが、知的障害者の子が「韓国料理は好きだけど韓国人は嫌い」とか言っていて、まあ、テレビの影響を受けて韓国人嫌いになってしまったのだが、逆に言うと、それでも「韓国料理は好き」と言っていて、食というのはなかなか強い影響力があるのだなあと思ったものだった。ところで、日本の保守はどれだけ日本文化を保持しようと努力しているのだろうかと思う。他国の文化を排斥しても日本文化の保持には繋がらないと思う。むしろ、日本人は他国の人たちがどれだけ自国文化を保持しようと努力しているかを見習うべきだと思う。あるいは昔の日系人が外国でどれだけ日本文化を保持しようとしていたかを見習ったらいいと思う。そして、文化が違っても互いに共存できると思う。その方が互いにとって良いことが多いと思うのだが。まあ、移民の問題は文化の問題というよりは経済の問題かもしれない。しかし、少子化が進む国では、機械化できない部分は、労働力不足を補うためには移民が必要で、来てもらえるだけで有り難いのではないかと思う。少子化を止めるのは難しいし、個人的には子どもを作る作らないは個人の自由で、少子化自体は良くも悪くもないと私は思っている。また、文化的な摩擦とかは教育とか情報の周知で次第に無くなっていくと思うのだが・・・。
 
それから、英国のサウスポート刺殺事件にまつわる暴動だけど、これは、歴史上、何度も何度も繰り返されてきたことだと思う。デマがきっかけでおこる暴動。 「黒人が白人女性をレイプした」というデマで起こった虐殺、同様に「ユダヤ人がロシア人を襲った強盗が発生した」というデマで起こった虐殺とか枚挙にいとまがない。デマによって引き起こされる暴動・虐殺は何度も何度も起こる。これは本当に口を酸っぱくして、デマによる暴動を注意することを言い続けなければいけないと思う。

それから、番組のなかでフランス革命について言及されていたので、フランス革命について学ぶなら、下記の一冊がオススメです。女性の暗殺者がけっこう活躍していて驚いた記憶があります。
 
 
『物語フランス革命: バスチ-ユ陥落からナポレオン戴冠まで』

それから、NHKの連続テレビ小説で『虎に翼』というドラマがあるそうで、そこで関東大震災における朝鮮人虐殺について言及されているらしい。「本当にそんなことがあったのか?」と知らないひともネットには少なからずいたようなので、せっかくなので震災後の朝鮮人虐殺に関する安田浩一さんの本を再度紹介しておこう。
 
『地震と虐殺 1923-2024』
 
 
8月3日(土)
今週の片山杜秀さんの「クラシックの迷宮」は夏のガムラン祭りだった。坂本龍一さんの『メリー・クリスマス、ミスター・ローレンス』もガムランの影響とは知らなかったので勉強になった。なるほど並べて聴いてみたら確かにそんな感じだった。ちなみに坂本龍一さんといえば、アルバム『音楽図鑑』の「TIBETAN DANCE」が好きで、今でもたまに聴きたくなって聴いたりする。同様に細野晴臣さんの『Medicine Compilation』が好きで、こちらもたまに聴きたくなって聴いたりする。
 
「音楽に政治を持ち込むな」、「お笑いに政治を持ち込むな」 、そして、ついに「政治に政治を持ち込むな」。教育の問題じゃないかと思う。それから、民主主義については、民主主義はこんなものかと思う。あまり期待しすぎてもいけない。むしろ、独裁や全体主義がいかに酷かったかを思えば、まだ民主主義はマシだと思う。それに政権交代の可能性がある米国は羨ましいとも思う。政権交代できる余裕があるんだと思う。日本は政権交代できる余裕が無くなっている。政権交代が無くなれば、格差はますます広がるし、硬直的な社会になる。経済的な発展・成長も望めなくなるだろうし。ただし、多くの日本人は「それでよし」と思っている可能性が高い。日本人の精神の根本的な貧しさがあると思う。

今週は暑くてニュースをチェックする余裕がほとんど無かった。米国のトランプvsハリスの大統領選も気になるが、日本の自衛隊と米軍の間で取り交わされた約束が気になる。ちゃんとチェックできていないので、一体どういう内容なのかさっぱり分からないが、なんか米国の言いなりになりそうな話のようで気になる。それと、小山千帆の件も気になる。ただ、立憲民主党をリベラル政党だと勝手に思い込んでいるから驚くだけで、実際は立憲民主党はリベラル政党というわけではなく、むしろ保守とリベラルの混合政党だ分かれば、驚くことはないと思う。そもそも立憲民主党の政治家で自分をリベラルだと自称している政治家はいるだろうか?ほとんどの立憲民主党の政治家は自分を保守だと名乗っていると思う。要はリベラルな有権者が勝手に立憲民主党をリベラル政党だと思いたがっているだけで、実際は立憲民主党はリベラルではなくて、第二自民党になりたがっている勢力が多いということだと思う。先の都知事選の結果からも分かるように、リベラル勢力は第三勢力程度の有権者しかいないのが実情だと思う。繰り返しになるが、結局、日本におけるリベラルは少数派なのだ。立憲民主党は少数になってもいいから、早く保守とリベラルが分離して、リベラル政党として民主党を旗揚げしたらいいのにと思う。まあ、懐事情とかあって無理なのだろうけど。結局、リベラルが少なすぎるのが問題ということだろう。

8月4日(日)
ネタニヤフとしてはできるだけ停戦交渉を長引かせてパレスチナを叩きたいのだろう。バイデンが任期を終えてトランプが大統領になれば、もっとイスラエル寄りな政権になるから、もっとパレスチナを叩けると計算しているのだろう。ネットで流れてくるパレスチナの子どもの死体の写真を見るにつけて、イスラエルは本当に酷いと思う。いくらなんでも酷すぎる。
 
8月5日(火)
英国のスターマー首相が非常に真っ当な会見を行った。記者の質問に対しても至極真っ当な回答だった。日本の政治家でこうも正確に物事の本質を言える人物はいないだろう。日本の政治家の場合、「遺憾に思う」とか「配慮に欠ける」とか「関係各位に迷惑をかけた」とか言って茶を濁すばかりで、正確に物事の本質を捉えたり、正否をジャッジできる人物はいまい。英国と日本の実力差を感じた。
 
ふうむ。では、太平洋はどうなんだろう?心配な話だ。

学習塾や病院まで統一教会系企業があることに驚く。他にも飲料水やウコンなどでかなり大手メーカーに食い込んでいるらしい。

詳しくは、有田芳生さんの新著『誰も書かなかった統一教会』(集英社新書)を参照とのこと。


5日にブラックマンデー超えの下げ幅を記録し、翌6日には過去最大の上げ幅を記録した。
よく分からないが、政府系機関が買い戻したのだろうか?

よく分からないが、公務員の特別枠に反発した学生デモが発端らしい。アラブの春のチュニジアと似ているのかもしれない。

8月7日(水)
カマラ・ハリスは副大統領候補にミネソタ州知事のワルツ氏を選んだらしい。元は高校教師で州兵の経験もあり、フットボールのコーチもしていたらしい。年齢は60歳。さて、どうなるだろう。
 
この件は私は長崎市長を支持する。イスラエルを招待しないという意思表示は良いと思う。イスラエルがガザで行っている虐殺を見て見ぬふりはできない。ちゃんと意思表示した長崎市長を支持する。

8月8日(木)
ううむ。

関東大震災後の朝鮮人虐殺に対する追悼文に関して、東京都職員の対応を見ていてアイヒマンと同じだと思った。上司から言われれば、それが間違った行為であっても、言われた通りにする。彼らはホロコーストにも加担するんだろうなと思った。また、英国の暴動の件を日本のクルド人差別と結びつけて懸念を示すのは至極当然だと思った。やはり、小山千帆の件はマズいと思う。立憲民主党を支持する気持ちがだんだん失せてきた。
 
暑くてニュースをチェックできない時期なのに、ニュースが多すぎる。


8月14日(水)
私は岸田首相の退任についてはちょっとした妄想を抱いている。どのような妄想かと言うと、岸田自身が検察に弱味を握られていて、自民党の裏金事件にGOサインを出さざるを得なくなったのではないかと妄想している。そのため法相も指揮権発動できずに清和会がガタガタになるまで潰されてしまった。これは安倍時代に検察庁法改正案で検察権力に手を突っ込もうとした政府に対して、検察がその意趣返しに裏金事件を利用したと思っている。(ただし、裏金事件の発端を作ったのはしんぶん赤旗と上脇教授の手柄ではある。)検察は検察権力に手を突っ込もうとした安倍元首相とその清和会がどうしても許せなかったのだと思う。そして、その最後の締めとして、岸田自身の不正に目をつぶる代わりに退任しろと検事総長が裏で岸田に引導を渡したと妄想している。まあ、あくまで妄想で何の根拠もない。しかし、岸田政権は自民党最大派閥の清和会あっての政権だったのだから、なぜ裏金事件を指揮権を発動してでも止めなかったのか不思議に思ったのだ。検察も指揮権をチラつかされたら困るので、刺し違えてでも清和会を潰す覚悟で、首相の弱味を握っていたのではないかという、まあ、そういうフィクションを妄想してしまったのだった。
 
まさかこのような事態になるとは想像もしなかった。テクノロジーの進歩は戦争を変えるのだなあ。それにしても、この戦争はいつ終わるのだろう。

8月16日(金)
 悲しい。イスラエル、酷い。本当に酷い。ガザ地区の爆撃の多さ、破壊の酷さに唖然とする。
 
8月17日(土)
停戦が実現したら、本当に良いなあ。ともかく、一刻も早く停戦をしてほしい。 これ以上、犠牲者を増やしてほしくない。今のイスラエルを止められるのは米国だけだろう。バイデン大統領、頼むから頑張ってくれ。停戦を実現してくれ。
 
小山千帆問題について
小山千帆について、なぜか米山隆一とアンチレイシストの間でSNS上で激しく議論が展開されている。いや、炎上していると言った方が良いかもしれない。発端は川口市議だった小山千帆が「一部外国人による犯罪の取り締まり強化」を求める意見書に賛成したのがきっかけだった。あ、いや、正確には、その小山千帆を立憲が愛知県から衆議院に立候補させることがきっかけだった。この意見書に賛成した小山千帆を「レイシスト」呼ばわりするのは行き過ぎだということらしい。私などは普段からNoHateTVを見ているためか、この意見書に賛成したという事実だけで彼女をレイシストだと呼んでかまわないと考えている。この意見書はレイシストを後押しするもので、レイシズムを助長するもので大変危険だと思うからだ。私はのりこえネット時代からNoHateTVを見ているので、こんな意見書が出たら、あのネトウヨどもが調子にのって、どんな酷いことをするか分かったものではないと思うのだ。ネトウヨどもが十年以上前から今日まで行ってきた悪行を知らないのではないかと思う。だから、川口市議会のれいわも立憲もこの意見書には反対したのだと思う。ところが、小山千帆は所属政党が反対したにもかかわらず、あえて賛成したのだ。推測だが、どうもよく考えもせずに、たむろする外国人の暴走族を見聞して嫌悪感を感じて賛成したのではなかろうか。それならば暴走族を取り締まれば良いのに、なぜか一部外国人を取り締まりの対象としている。そこにはレイシズムが潜んでいる。ともかく、小山千帆は政治家としての思慮や知識が足りないと思う。政治家としての資質が疑われる。そのような人物を国会議員にするのはどうかと思う。まあ、立候補するのは個人の自由だ。しかし、立憲が彼女を擁立するのは立憲もリベラルではないということだと思う。立憲も所詮はこの程度なんだろう。リベラルの受け皿となる政党が無いから立憲を支持しているだけで、ちゃんとしたリベラル政党が誕生したら立憲などは見向きもされなくなると思う。とはいえ、そもそも日本におけるリベラル勢力が少数派過ぎるのが問題で、立憲もリベラルに見捨てられても痛くも痒くもないかもしれない。立憲の議員たちの中には、かつて小池百合子のきぼうの党に入ろうとした連中もいるわけだから、リベラルとは真逆だろう。所詮、第二の自民党になりたい連中なんだろう。それにしても、政治家のクオリティが劣化している。政治家の劣化は政治の劣化につながる。時間をかけて政治家を育成する組織や団体が必要かもしれない。最後に米山隆一さんについては、これまで大変期待していたので、今回の件ではちょっと残念に思った。とはいえ、彼の見識や正義感は今回の件を除けば他の議員に比べて優れていると思う。今回の件は、小山千帆をレイシスト呼ばわりしたことにひっかかりを感じたのがきっかけだろう。彼は今まで完璧だったので、今回の件が悪い意味で目立ってしまった。まあ、人間だから、完璧なひとなどいないのだろう。(ただ、彼も元自民だからまったく懸念材料がないわけでもない。)
 
8月20日(火)
訃報に耳を疑った。まだ若いのに。『攻殻機動隊』は好きな作品で田中敦子さんといえば草薙素子だったので非常に残念。合掌。
 
8月21日(水)
インターネットが無かった時代に知のカタログ的な楽しさ、雑誌的な楽しさがあった。 一度講演会に行ったのだが、あいにく風邪を引いて発熱していた時で、せっかくの講演会だからと無理して行ったのだが、講演中に座席で寝てしまい、講演をほとんど聴くことができなかった。残念だった思い出。合掌。

8月22日(木)
今回のNoHateTVは傑作回として記憶に残る回になった。SNS上における米山隆一さんとの論争に終止符を打つ回になった。将棋で言えば、この回をもって「詰み」になったと思う。racistの用法として名詞ではなく形容詞的に使われる話がトドメだった。でも、本筋として大事なのは、あの意見書によって誰が困ることになるか、誰が恐怖を感じるようになるかということで、それは名指しされた一部外国人であるクルド人になり、彼らの苦悩や恐怖に思いを致すと、あの意見書は差別的で許されないものだと憤りを感じる。米山さんの件は「レイシスト呼ばわりするのは行き過ぎ」だという、どちらかというと枝葉末節の話で、米山さん自体、仮に川口市議だったら、あの意見書に反対したのではなかろうかと信じたい。(昨今の米山さんのツイートを見るとやや不安になるが。)だから、今回の問題の当事者である小山美帆がどう思っているか、また小山美帆を立憲の候補者として推薦した立憲の議員がどう思っているかが本当は大事なんだが、そこは沈黙したままだったりする。一応、8月9日の小山美帆の文言を見る限りでは、彼女は事の重大性を認識していないと思う。このような問題に対する思慮も足りないし、知識も不十分なようだ。もしそうなら、「そんな大変なことになるなんて思い至りませんでした。そんなことになるなんて知りませんでした」と「知らなかったから許して下さい」と言いかねない。この場合、「知らなかったから許して下さい」というのは間違いで、むしろ「知らない方が罪が重い」と思う。なので、こういう人物に政治を任せてはいけないと思う。まあ、推測で判断するのはやや問題だが、未然に防ぐには推測するしかないわけで、有権者としては限られた情報から推測するしかない。ともかく、話を戻すと、今回のNoHateTVの特集はよく出来た回で傑作回だった。ちなみに最後にオチを持ってくるところは関西人だなあと思った。また、安田浩一さんの「申し訳ないけど嫌な思いをしていただきます」という話には笑いつつも正論だと思った。それから、この番組が公開された後も米山さんはSNSでいろいろと発信しているのだけど、私から見ると、喩えて言うなら、将棋で負けたのに、負けた腹いせに将棋盤をひっくり返して、さらに将棋の駒を投げつけているように感じられた。で、投げた駒があらぬ方向に飛んで、それが津田大介に当たってしまい、ゴメンと謝っている始末という感じだった。東大の法学部と医学部を出ている超優秀な頭脳を持った米山さんも人間なんだなあと思った。
 
8月29日(木) 
 
 
今週は仕事が忙しくてニュースのチェックができなかったござる。
 
まとめ
今月はクルド人差別問題と英国の極右による暴動が印象に残ったトピックだった。それ以外も、イスラエルによるガザの虐殺、ウクライナのロシア領侵攻、岸田首相不出馬による自民党総裁選および立憲民主党代表選が大きなトピックだった。特にクルド人差別問題における小山千帆問題が大きく記憶に残った。端的にいうと米山隆一さんとアンチレイシズムの人たちとのバトルが興味深かったのだが、米山さんはこれ以外にもSNS上でいろいろとバトっているようで、ちょっと米山さんの印象が変わってしまった。また、立憲民主党に対しても小山千帆問題だけでなく、代表選にまつわる話題で、なんかもう、どうでも良くなってきた。以前にも書いたが、立憲民主党内には保守派とリベラル派がいて、保守派は第二自民党になりたい連中なので、リベラル派は分離した方が良いと私は思っている。政権交代したいがためにリベラルを捨てて保守の政策にすり寄るなどもってのほかだと思う。少数派でも良いからリベラルとして独立独歩した方が良いと思う。日本のリベラルは韓国や台湾のリベラルともっと連携した方が良いのかもしれない。それにしても、日本の繁栄の時代は終わったんだとしみじみ感じる。そんな日本にこだわっても仕方ないから、外の世界に広がってゆきたいと思う。