2013年4月29日月曜日

雑感 ~大雑把な見取り図~

自分の考えを整理するために大雑把にまとめました。

1.政党の件

ツイッターにも書いたけど政党のカラーは

自民党  保守    経済成長重視型
民主党  リベラル  社会福祉重視型

で良いんじゃないだろうか?

私は二大政党制が好ましいと思う。
なぜなら、選択肢のない一党独裁は良くない。


2.日本経済の件

世界の工場はおおざっぱに言うと次のように変遷してきた。

イギリス → アメリカ → 日本 → 中国

現在、日本は世界第3位の経済大国だ。
日本の経済を支えていたのは自動車と電機だった。今、電機が競争力を失いつつある。
自動車も電気自動車に変わったなら、どうなるか分からないし、工場の海外移転はこれからも進むだろう。

アメリカが日本に製造業を奪われても経済大国第1位の地位を保てたのはなぜかというと、
おおまかに言ってIT産業と金融という知識産業で製造業よりも高い利益を得たからだ。

製造業 → 知識産業

日本も産業を製造業から知識産業に転換するしかないだろう。
しかし、知識産業は狭き門だ。
それは少数の勝ち組と多数の負け組という世界だ。
アメリカがそうであるように中間層が減って少数の富裕層と多数の貧困層に二極化してゆく。

1億総中流 → 富裕層と貧困層の二極化


3.経済成長か、社会福祉か

(1)経済成長には高い競争力の企業が必要
経済成長するためには競争力のある企業が育たなければならない。
今後の成長を考えれば、製造業の既存企業ではなく、知識産業の新興企業であるはずだ。
ただし、新興企業は政府が支援して成長するものではない。
市場の競争の中から生き残って育ってくるものだ。
政府がやれるのは直接的な新興企業の育成ではなく、環境整備くらいだ。

電機や自動車の製造業 → ITや金融やバイオテクノロジーなどの知識産業
経済成長を牽引するのは企業であって政府ではない


(2)これまでの政府の経済成長策
これまでの政府の経済成長策は有効需要に基づく公共投資だった。
しかし、日本に競争力のある産業がなければ、いつまでも続かない。

経済成長≠公共投資


(3)社会福祉政策の必要性
日本企業の国際競争力は低下の一途をたどっており、企業も個人も経済力の低下が著しい。
経済成長と銘打ったバラマキが果たして個人にどこまで届くのか甚だ疑問である。
むしろ、直接、社会福祉として個人に支援の手を伸ばすべきではないだろうか。

もちろん、経済成長政策が成功するなら、全体の底上げにつながる。
しかし、今すぐに日本から競争力の新産業が生まれるかというとその可能性は低いと私は思う。
すぐには新産業が生まれずにいつになるかもわからない経済成長を待つよりも、
すぐにでも必要な個人への支援を社会福祉という形で行うべきではないか。
すなわち、経済成長よりも社会福祉を重視するべきではないか?

経済成長を待つよりも社会福祉で個人を支援すべきではないか?


4.財政問題
ブログのメニューでも取り上げている通り、日本の財政は極めて逼迫している。
財政問題を解決するには単純に言えば、増税かインフレしかない。
もちろん、増税とインフレを両方同時に行うことも可能だ。
他にも、経済成長や歳出削減もある。
しかし、前節で述べたように経済成長はすぐにはのぞめない。
また、歳出削減はどこを減らすか問題だ。
いずれにしても国民の負担は増える。

財政問題の解決方法 : 増税、インフレ、歳出削減、経済成長


そして、増え続ける社会保障費を軽減するために年金制度を変えなければならい。
ただでさえインフレは高齢者の負担になるが、社会保障費の削減はさらに負担を倍加する。
だが、先延ばしすれば、そのリスクは若い世代により大きな負担となって返ってくる。

年金問題の先送りは若い世代にもっと大きくなってハネ返ってくる

5.まとめ
まとめると日本が生き残る道は日本の産業構造を製造業から知識産業に転換しなければならない。ただし、知識産業における新産業創出は企業努力であって、政府ができることは環境などの周縁的なサポートに過ぎない。つまり、経済成長を推進するのは政府ではなく企業だ。政府がやれるのは、延命措置的な意味での公共投資か社会福祉しかない。一方で日本の財政問題は深刻で先送りすればするほど後の世代の負担が大きくなる。


6.感想とか意図とか
できるだけ分かりやすい構図にするために話をかなり極端にしました。大雑把な見取り図にしないと問題点が見えにくくなり、日本がどういった針路に進むべきかがウヤムヤになってしまうからです。政党の掲げる政策はどうしても総花的になります。本来はジャーナリズムが各政党の政策を読み取ってエッジを際立たせるべきですが、日本のジャーナリズムはそうしません。結局、日本の議論は田原総一朗的に結論が出ないまま、整理もまったくされないまま、カオス状態で終わってしまいます。針路を見極めるためには、枝葉末節は切り捨てて、できるだけ単純化していいと思います。無党派層や政治に無関心な層が増えるのも見取り図がまったく見えないからだと思います。見取り図さえ見えれば、有権者はどちらを選ぶか、自分の好みどちらかというのは見えてくると思います。